景気は不透明なままで新卒者の就職は依然として厳しい。効果的な就職活動の手助けが要る。求人数の多い中小企業と学生の橋渡しに力を入れるべきだ。
来春卒業の大学生の就職内定率は10月1日時点で63.1%と、前年より3.2ポイント上がった。だがリーマン・ショック前は同じ時期に7割近い学生が内定を得ていた。「就活」が長引いて学生に負担がかかり、学業にも支障が出る状況は十分には改善されていない。
もっと目を向けたいのが中小企業だ。リクルートワークス研究所の調査では、来春の大卒者の求人は従業員300人未満の企業で計26万6千人。これは300人以上の企業の28万7千人にほぼ匹敵する。求人倍率も5千人以上の企業が0.6倍なのに対し、300人未満は3.27倍と高い。
中小企業は独自技術で付加価値の高い製品を開発したり、地域に密着して顧客を広げたりと、元気のいい企業も少なくない。あまり知られていないが成長力のある企業と学生を結びつけたい。
そのためには人材サービス会社を活用すべきだ。国は各都道府県に「新卒応援ハローワーク」を置いて地元企業などの求人を開拓しているが、民のノウハウを生かせば採用意欲がある企業をきめ細かく拾える。国が手がける職業紹介を民間に開放する必要がある。
採用後も、一定期間内なら本人の適性をみて企業が雇用契約を解除できるようにすれば、雇う側は採用を増やしやすくなるだろう。
日本ではいったん人を雇うと解雇が難しい。新卒者も内定後は雇用契約が成立しているとされ、解雇が厳しく制限されている。人件費の余裕があまりない中小企業では、こうした解雇規制が採用に消極的になる一因だ。入社後の一定期間は解雇規制の対象外とすることを検討してはどうか。
ベンチャー企業にリスクマネーが流れ込みやすくし、新しい企業を育てることも、若者の雇用の受け皿拡大に欠かせない。多面的な就活支援を新政権には求めたい。
リクルートワークス、中小企業
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