買った理由が、「安かったから」という、開いた口がふさがらないものでした(^^;) CDケースのジャケットに見えるマニュアル表紙にも、主要な登場人物がわしゃらわしゃらとひしめき合っており、どうにもあか抜けたものではありません。その中身、いったいどんなもんだったのでしょうか?
買った理由が、「安かったから」という、開いた口がふさがらないものでした(^^;) CDケースのジャケットに見えるマニュアル表紙にも、主要な登場人物がわしゃらわしゃらとひしめき合っており、どうにもあか抜けたものではありません。その中身、いったいどんなもんだったのでしょうか?
相思相愛であったシィア姫を邪教集団に拉致された騎士・シュラは、姫を奪回すべく奮闘したが、シィアは闇の娘、ディアドラの犠牲となっていた。シュラはディアドラに挑みかかるも、そのとき出現したドラゴンの返り血を浴び、その呪いで白子(アルピノ)として不老の身体となった。それ以降、ただ復讐の為だけに生き続けるシュラ。そして、舞台は20世紀の日本。
そこで、彼はシィアの面影を移す1人の娘、桂木花梨と出会うこととなる。
その後、ディアドラと闘っていく過程において描き出されるラブロマンス、それが『AmbivalenZ』だ、といって差し支えないでしょう。
オープニングだけである程度先が読めてしまい、シナリオの組み立てやエンディングも、「たぶんこうだろうな」と、あっさり見当がついてしまいます。
しかし、キャラクターが非常に立っています。ヒロインである桂木花梨の存在感の強さはもちろんですが、脇役である有馬紅葉など、誰が主役だかわからなくなるような活躍をしてくれます。とにかく、シナリオそのものよりも、登場するキャラクターの描写については、みごととしかいいようがありません。
さすがに、王道そのもののエンディングには、もう少しヒネリがほしいと感じましたが。
『デアボリカ』をプレイされた方に一言。主人公はストイックでカッコいいです(^^;)
一本道のシナリオでゲームは進みます。途中で戦闘シーンが入り、ここで負けるとゲームオーバーですが、これ以外でゲームオーバーになることはないようです。
最初の戦闘で、いきなり5回続けてゲームオーバーになったのって、あたしぐらいのものなんでしょうけれど(^^;)、それを差し引いても、この戦闘シーンで手間をかけさせる必要性が理解できません。シナリオを味わっていくタイプのゲームであって、ゲーム性を楽しむようなものではないのですから、戦闘シーンはさっさと切り上げられるようにして欲しかったものです。
System3.5版(Windows95/98/NT対応、と書かれているもの)では、任意のディレクトリにインストールできます。デフォルトでは640×400表示ですが、フルスクリーン表示も可能です。表示の切り替え自体は速く、スムーズに進みます。
あと、方位を選択していったりきたり、というのは、(アリスソフトのゲームにはよくあるのですが)とにかくめんどうです。カーソルキーで簡単に移動できるようにすれば、ずいぶんとテンポよく進むと思うのですが。
BGMはCD-DAで、非常にクオリティが高いと感じます。サウンドによる演出効果の高さという点では、『Only You』などに一歩後れをとる感じはしますが。
サイズが小さいのが哀しいところですが、どことなく少女漫画的な雰囲気だと思わせる絵でした。ただ、ディアドラに凄みを感じなかったなぁ(^^;)
有馬紅葉。男性ですが、このゲームの中で見せてくれる豪快な動きは見物です。彼とアスタロトとのやり取りは絶品でしょう。
シナリオ重視をうたう方には、一度やってみてもいいとは思います。ただ、シナリオをテキストベースで読み解いていくと、ストーリーの中に使われている記号があくまでも平凡かつお約束なものが鼻につく可能性は充分にあります。従って、「読む」というよりは、その場その場の空気を感じ取りながら、演出効果がつむぎだす独特の「味」に身を浸す、という姿勢で臨むのがよいでしょう。
誰にでも勧められるゲームではありませんが、ま、安いですしね(^^)