天災きたる
【金曜日】
アスマさん歓迎会が密やかに執り行われた。
メンバーは、ボーダ先輩、ベイビーさん、アスマさん、岩クマー君、アトーワイ君、ルルーシュ君、ペレ、まっつん、ハゲの予定であった。
…が!またしても大好きなロマーリオさんがサプライズゲストで登場!(・∀・)♫
歓喜の声をあげていた時に、
「僧さん、僕が送ったLINE見てくれてます?既読にならないんですけど!」
とロマさんに言われる(;゚Д゚i|!)
無意識に、LINEのブロックリストにロマーリオさんがリストイン…
ロマーリオさん…ごめんなさい!!!(;゚Д゚i|!)
バチが当たった修行僧は、クラブで可愛いコに逆放流されて虚しく帰宅…
…
ところで、修行僧がブログを書き始めたキッカケは、何を隠そう
「ブサクエ」
というナンパコンパブログを見たことが最初である。
(月250,000PVの超人気ブログ、ブサイククエスト
)
当時、ナンパなんぞしたことのない修行僧は、ブサクエに「ナンパの仕方を教えて下さい」との相談コメントしてみた。
ブサクエCEOの「ばかなべさん」は、懇切丁寧に、必要以上のご指導を与えて下さった。
その中の印象的だったアドバイスが、
●自分自身でブログを書くこと
●天災さんのブログを読破すること
●天災さんと合流すること
であった…
…
【土曜日】
ブログを書き始めて2年弱。
我流と知人のアドバイスを取り入れつつ、自分なりのナンパスタイルを確立。
結果の出せないネタナンパとして世から蔑まれた「スケッチブックナンパ」と「3Dメガネナンパ」も創作した。
「僕ナンパしてます!」と、控えめながら発言することが出来るほどになった。
(今はナンパ師ではないですが…)
そして、ついにこの日がやってきた。
ばかなべさんの仰る、「天災さん」とお会い出来る機会が出来たのだ。
天災さんの書くブログ内容は、衝撃的なものだった。
ビールジョッキ片手にナンパ、
オモチャのピストルを突きつけてナンパ、
カバンにチャンジャを忍ばせてナンパ、
水を入れた近藤無を投げつけるナンパ、
すぐにパイモミモミするナンパ…
女子にとっては「天災」だろう。
避けようのない天変地異が、女子を襲い、気がつけば「天災」の渦(自宅とかホテル)に飲み込まれる。
しかし、全国のナンパ師は、「天災ブログ」を読み漁り、尊敬し、崇拝する…
全国のナンパ師にとっては、
「天才」
そのものなのである。
「ふざけ」を最終着地点とし、ふざけの境地を切り開く、まさに生きる伝説。
今、その人との出会いが、刻一刻と迫っていた。
…
その天才は、定刻に待ち合わせの場所で待機していた。
「あ、あなたが修行僧さんですか!はじめまして、しまだです」
几帳面で真面目な人だ、と思った。
もう一人の到着を待つまで、天才しまださんと立ち話。
「ピロさんとは面識あるんですよね?どうやらここらへんにいるらしいので、探してもらえませんか?」
しまださんは修行僧に促した。
辺りを見渡す。
ピロさんはどこだ?
すると、女子の悲鳴が聞こえる。
その方向に視線を移す。
一人の男性が、キャッキャしながら女子2人組に何やらアプローチしていた。
ピロさんだった(;゚Д゚i|!)
「あ…あの人がピロさんですよ」
修行僧は言った。
「え…あー逆3してる人ですか!なんかもう既に嫌われてますね!」
ピロさんは、しまださんと修行僧の存在に気がつく。
修行僧に手招きをした。
修行僧はダッシュで援護に向かった!
…が、女子2人組は修行僧をよけて、暗闇へ溶けていった…
…
しまださん、ピロさん、修行僧は居酒屋のビールで喉をゴクゴク鳴らしていた。
今回3人で集まったのには理由があった。
3月某日の「ブサイクの日」に、ブサイクばかりを集めたコンパを開く。
そのためのコンパ要因を探しに、ここ大阪に集結したのだ。
2011年の初夏に、しまださんのブサイクコンパ、「大野くんコンパ」が行われた。
(その時のしまださんのブログ
)
当時コンパメンバーに幸いにも選ばれた修行僧だったが、諸事情によりキャンセルした。
そのせいで、しまださんとの邂逅機会をみすみす逃してしまったのだ。
それからというもの、修行僧はナンパに励んだ。
またいつか、しまださんからのオファーがある日を思い、認められる日が来ることを願い、ナンパしまくった。
名古屋では、スーパーブサイクを抱いた。
「修行僧はブサイクしか抱けない」
とまで言われるようになった。
それでも、今となっては構わなかった。
何故なら今、そのおかげでこうして目の前で、しまださんと話す機会を得たからだ。
…
ピロさんとしまださんは年も近いことがあり、すぐ意気投合。
「ピロさん!アゴ割れてるから『ピロのアゴナンパ』ってブログタイトルにしろ!!アゴ使ってナンパや!」
と、しまださんはおっしゃった。
ピロさんは、
「しまださんだけですよ!初対面でアゴ割れてるとか言ってくる人は!分かりました、やりましょう!」
と、快諾(;゚Д゚i|!)
あの几帳面で真面目なしまださんは、すでに何処かに旅立っていた(;゚Д゚i|!)
修行僧は、しまださんのオマージュから作成した、「スケッチブック」と「3Dメガネ」を取り出して、ナンパの方法を紹介した。
「これで最初ナンパしてたんですけど、うまくいかないから辞めちゃいました」
と修行僧は言う。
「は…?やめたの?そのナンパ、100回やった?」
しまださんは言った。
「え、いや、やってないですが…」
「何で100回やらへんねん!そういうことはまず100回やってから言え!3Dメガネも同じや!100回使ってナンパせぇ!そしたら結果も出るんや!カモシカイノシシとかよう分からん変なブログ作って…ホンマ頭おかしいヤツやわ!」
とご指導頂いた。
やはりこの方は天才だと改めて思った。
修行僧の原点は、ここにあったのだ。
ネタナンパをもう一度復活させる誓いを立てた修行僧。
酔っ払ってさらにアゴが割れたピロさん。
ビールでナンパスイッチが入り眼光が鋭くなったしまださん。
3人は、大阪の凍てつく路上へと飛び出しました。
…
今日のミッションは
「ブサイクストックを増やすこと」
ブサイクの日のコンパの為だ。
つまりは、今日は無条件にブサイク縛りである。
ブサイクのみ声をかけることが許される…
果たして今までそんなナンパが存在しただろうか…
と、考え込んでいるのもつかの間。
前方から「キャ~!」と言う女子の騒ぎ声を耳にする。
ふとそちらに目を向ける。
女子の目の前ででんぐり返しをする、しまださんとピロさん。
かと思えば、次のターゲット女子に向かっていき、
「ねーねー、俺アゴ割れてるんやで!」
と、自分のアゴを指差しながら女子にスキップするピロさん。
「うわぁ、あの人ホントにアゴナンパしてるわ!頭おかしいわ!…あ、あそこにブサイク1人歩いてるから俺ひとりで行ってくるわ!」
と、女子にアタックするしまださん。
ちなみにそのコはブサイクでは全然なく、すげぇ可愛いコだった(;゚Д゚i|!)
「ちょっとしまださん!あの子ブサイクじゃないですよ!めちゃくちゃ可愛いじゃないですか!」
と修行僧が指摘すると、
「え、そうだった?むっちゃブサイクやったよ!」
と、しまださんは話をはぐらかす(;゚Д゚i|!)
自分も負けてられないと思い、スケッチブックと3Dメガネを取り出して、必死に声をかける。
そんなことをしながら、ブサイクポテンシャルの高い2人から何とかバンゲすることが出来た。
ナンパ1クールが終わり、3人は居酒屋へと休憩に入る。
…
居酒屋休憩は、結論から言うと休憩ではなかった。
隣の席に座っている女子2人にロックオンしたしまださんは、
「今から僕が声かけるから、修行僧はそれに合わせてくれ」
とささやきました。
「こんにちはー!飲み会ですかー?」
と、しまださんは切り出す。
あ、紳士な声かけだ!
そう思った修行僧は安心し、それに追随する。
ピロさんはトイレでお小水中である。
…
15分後。
お小水から戻ってきたピロさんも相変わらずアゴを駆使して女子と和む。
めまぐるしく話は展開し、気付いたら話題は「ち○こ」になっていた(;゚Д゚i|!)
「修行僧のち○こ、マジでちっちゃいねん!ほんで早いねん!しょーもないやろ!」
と、しまださんは叫ぶ(;゚Д゚i|!)
女子は、
「えーでもそんなことより年収の方が大事~!」
と返す。
しまださんは、
「おー!ピロなんか年収1500万やで!修行僧も公務員やから年収はそこまでないけど安定感バツグンや!俺はカブトムシを百貨店に売ってる仕事や!」
とスムーズに仕事の話に移行。
「えーそうなん!てかカブトムシってそんなに儲からへんやろ!」
「何言ってんねん!ヘラクレスがいくらで売れるか知ってるんか!?」
「知らへ~ん」
「一匹850万やで!!でもな、もっと高く売れるカブトムシおんねん!何か分かるか!?」
「分からへ~ん」
「フ○ラクレスや!略してフ○ラや!フ○ラはな、一匹5000万なんやで!」
「えー!すごーい!!」
「やろ!でもな、日本では捕獲できへんねん!海外に行かなフ○ラは捕まえられへん!だから週末はエクアドルに出張行かなアカンねん!」
ポカ─( ゚д゚ )─ン
壮大なスケールの話に、今まで合いの手を打っていた修行僧は耐えられなくなる。
「あー!修行僧さん笑ってるからなんかうさん臭ーい!!」
「は!?修行僧お前何笑ってんねん!ち○こ小さいくせに!!!」
そんな感じでバンゲ担当の修行僧は、しまださんの絶妙なち○こパスのおかげで、またしてもブサイクからバンゲ。
現時点で計3バンゲという、順調なブサイク補完計画であった。
…
居酒屋から再び出て、ブサイクナンパ開始。
ピロさんはアゴナンパ、修行僧はスケッチブック、しまださんは変幻自在のナンパをしまくった。
気づくとしまださんはナンパ並行トークしながら、いずこへと消える。
しばらく待っていても戻ってこない。
しまださんのことだから、おそらく連れ出したのだろうと判断し、ピロさんとコンビを結成し、大阪の眠らない街を徘徊。
そして何組目か…
●夜の民イノシシ
●夜の民ネズミ
「なあなあ!俺めっちゃアゴ割れてるんやで!!」
「ほらーこんなアゴ割れの人と話す機会なかなかないよ!さ、飲み行こう!」
「行かへ~ん」
「じゃダーツしよう!!」
「あ、ダーツなら投げたい!」
という流れでダーツバー連れ出し。
ダーツは一投もせずに、必死にネズミを口説く修行僧。
ピロさんもイノシシをせっせと口説く。
携帯をこっそり取り出すと、しまださんから不在着信とメール。
「今どこにおるん?女子2人連れ出したから合流しよう!」
電話を折り返す状態ではなく、メールで「○○にいます」と返信。
そして再び口説く。
ネズミのクチビルを奪う。
ネズミの歯は真っ黒くヤニで汚れていて、歯並びはガタガタ。
息を止め、死ぬ思いで舌を入れる。
ネズミの防壁が崩れて行く。
つけまつげをベッタリとつけた目はトロンとし、潰れた鼻がヒクヒクと動いている。
ピロさんも肌がキレイなイノシシと熱い接吻を交わす。
しまださんから再びメール。
「○○行ったけどいないやん!」
「いや、○○の奥の席に座ってますよ!」
と返信。
…
数十分後。
しまださんからの返事が来なくなった。
もう、しまださんは女の子を別のところに連れ出し、この店に来ないかもしれない…
そう判断した修行僧は、ピロさんに合図を送り、店を出ることにした。
…
ピロさんはタクシーでイノシシと街へ消えて行く。
修行僧は、歯黒ネズミと恋人繋ぎでホテル街へ。
ネズミは少し戸惑う。
「わたしえ○ち恐いねん」
「え…昔なんかあった?」
「昔元カレがめっちゃDVで、え○ち中にぶん殴ったり、首しめられたりしてん…オトコの人ってみんなそうなんやろ?」
修行僧は世の中を嘆いた。
草食系男子が女子に踏み込めない時代。
かと言って一方で、女子に暴力を振るうDV男子…
世の中、両極端だ。
さらに、女子は顔で選ばれるのが風潮。
「可愛い顔で生まれた女子は、人生の80%成功したようなものなのよ」
(修行僧のオカン談)
まさしくその通りだと思った。
目の前の歯黒ネズミは、愛を与えられていない。
可哀想だと、心底思った。
しまださんが、ばかなべさんが言う、
「ブサイクの日」
それを選定する意味が、ハッキリと理解できた。
ブサイクの日…それは、ブサイク女子への溢れんばかりの愛を注入する日なのである。
…
その夜、修行僧はネズミへたっぷりの愛情を注いだ。
全身を愛で撫で、歯黒のヤニを落とさんばかりに舌を這いずり回し、やさしくほじった…
フ○ラクレスは、なんか嫌だったので拒否した。
たとえブサイクの日でなくても、今目の前にいる歯黒ネズミに安堵感を与えるべく、計2発の愛をお見舞いした。
…
朝、目が覚める。
昨日の辛いブサイク補完計画が、まるでウソのような爽やかな朝。
チェックアウトの時間が近づき、ネズミを起こす。
ネズミは、
「あかん!メイクしたまんま寝てしまった!今から落とすからちょっと待ってて!」
しまださんの声が聞こえてくる…
酔いが冷めた今だからこそ、はっきりブサイクだと分かった今だからこそ、この場から逃げてはいけない。
洗面所の水の音だけが、室内に響き渡る。
水の流れる音が止まる。
タオルで顔を拭きながらネズミは、修行僧に振り向く。
「あぁ、サッパリした!」
修行僧はネズミの顔を見る。
この間1秒も経っていなかっただろう。
「…あー!!!俺今から仕事だったんだ!やべぇ遅刻しちゃう!ごめん、先行くね、お金は払っといたから!」
「え…うん、気をつけてな」
修行僧はホテルを駆け足で抜け出した。
走った。
息が切れるまで走った。
日中の賑わっている、商店街の群衆に紛れた。
激しく呼吸をする。
もうここまで来れば大丈夫だろう。
ネズミは、ハイパーゴリラに変化していた。
洗顔後、つけまつげを取った目は腫れぼったく小さくなり、肌は粉吹き、そして相変わらずの歯黒…
修行僧は酸素とブドウ糖が不足した脳内で結論づけたものを自分に言い聞かせた。
愛は…時として残酷なのだ、と(;゚Д゚i|!)
終
●2013年マタギ猟
→10頭目
※他のお二方のサイドストーリー
(しまだの真面目な仕事日記
)
(ピロのアゴナンパ
)