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【格闘技】

亀海喜寛がラスベガス修行へ

2013年2月15日 紙面から

リング上でサプライズ発表!!米国武者修行に旅立つ亀海(左)=2日、後楽園ホールで(竹下陽二撮影)

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 日本中量級の期待の星・亀海喜寛(30)=帝拳=がさる2日、東京・後楽園ホールで行われたホセ・アルベルト・レアル(30)との10回戦で、狙い澄ました右ストレートで2回1分59秒にKO勝ちし、戦績を23戦22勝(19KO)1分けとした。3月に米国ラスベガスに渡り、武者修行に入る。中量級は世界的に層が厚く、世界挑戦のチャンスをつかむのは難しいが、現地で名を売って年内のビッグマッチ実現を目指す。

 突然のサプライズだった。鮮やかなKO勝利の後、亀海がリング上からファンにしばしの別れを告げた。

 「今日は感慨深い思いでここに来ました。後楽園ホールのリングに立つのはしばらくないかもしれない。今後はアメリカを練習拠点にして、世界挑戦のチャンスを待ちます。できれば年末か来年早々にも(世界戦を)実現させたい」

 軽量級と違って中量級は世界的に層が厚く、世界挑戦の機会をつかむのは、よほどのことがない限り無理だ。そこで、本場ラスベガスのジムを拠点にすることで、世界への足掛かりにしようというわけだ。現地では10人の世界王者を育てたキューバ人の名トレーナー、イスマエル・サラス氏が待っている。ビッグマネーと名声に飢えたハングリーな猛者がゴロゴロいるし、スパーリングパートナーにも事欠かない。

 昨年10月、米国サクラメント大会で、亀海は同門の元世界2階級制覇王者のホルヘ・リナレス(ベネズエラ)を差し置いて、日本人としては異例のメーンに抜てきされた。20歳のメキシコ人ホープ、ホルヘ・シルバとの激闘は引き分けに終わったが、元世界6階級制覇王者で、大物プロモーターでもあるオスカー・デラホーヤ氏はその戦いぶりを大絶賛したという。とは言っても、亀海の米国での知名度はまだまだ。それだけに、現地でノンタイトル戦を重ねて名前を売り、世界戦を実現させたい。

 帝拳の本田明彦会長は「これ以上意味のない試合をしてもだめ。階級をウエルターに上げて、10月ぐらいにアメリカでの世界ランカー戦を計画している。向こうで2〜3試合やって、注目させたい」と青写真を語る。WBCのウエルター級王座に君臨するのは、43戦43勝26KOのスーパースター、フロイド・メイウェザー(米国)。実現すれば、超ドリームマッチだ。

 亀海の実力は、国内の中量級では既に別格。ニックネームはマエストロ(名人)で、トランクスにもその文字を刻んでいる。ボクシングスタイルはテクニカルで知性も感じさせる。それでいて、一発必倒の破壊力も秘めているから、米国でブレークする可能性も大だ。日本のマエストロから世界のマエストロへ。海の向こうから、「KAMEGAI」の朗報に期待したい。 (竹下陽二)

 

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