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景気の本格回復へ中身の濃い成長戦略を

2013/2/15付
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 2012年10~12月期の日本経済は3四半期連続のマイナス成長となった。足元の景気には持ち直しの兆しもみられるが、本格的な回復にはまだ時間がかかる。

 金融緩和の強化や緊急経済対策の効果はこれから出てくるだろう。同時に企業や個人の活力を引き出す成長戦略を具体化し、真の経済再生につなげる必要がある。

 12年10~12月期の実質成長率は前期比年率でマイナス0.4%だった。輸出や設備投資の減少が大きく、個人消費や住宅投資、公共投資の増加で補えなかった。

 だが海外経済の改善などを追い風に、輸出や生産に下げ止まり感が出てきた。12年春からの景気後退局面はすでに終わったとの見方が大勢で、政府・日銀も景気判断を相次ぎ上方修正している。

 日銀は前年比2%の消費者物価上昇率を目標に掲げ、金融緩和の強化に乗り出した。その効果もあって円安・株高が続き、当面の景気を下支えする公算が大きい。

 事業規模20兆円を超える政府の緊急経済対策の中身には問題もあるが、一定の押し上げ効果を期待できるのは確かだ。14年度からの消費増税を控えた住宅や自動車などの駆け込み需要も表面化するため、13年度の実質成長率は2%程度に高まるとの予測が多い。

 しかし緊急経済対策の効果や消費増税の駆け込み需要は、一時的なかさ上げ要因にすぎない。14年度の実質成長率はその反動で、大幅に低下するとみられる。

 日本経済の本格回復を後押しし、デフレの克服につなげるには、持続的な効果のある成長戦略が要る。目先の景気対策に終始するだけでなく、成長力の強化に資する施策に本腰を入れるべきだ。

 安倍政権は6月にも成長戦略をまとめる。製造業の復活を目指す「日本産業再興プラン」や、企業の海外展開を支える「国際展開戦略」などを柱に据えるという。

 海外への輸出や投資で稼ぐ力と、海外の資金や人材を呼び込む力を高めるには、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加や法人税減税が欠かせない。医療や介護などの規制を緩和し、国内の需要を掘り起こす必要もある。

 今夏の参院選に勝つために、TPPや規制改革に反対する勢力の利益を守り、不要不急の公共事業だけを積み上げるのでは困る。安倍政権が本気で経済再生を目指すのなら、中身の濃い成長戦略をまとめなければならない。

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