特殊詐欺:金融商品、急増 振り込め、減少 被害金額43万円増、高齢者が3/4占める−−県内 /秋田
毎日新聞 2013年02月14日 地方版
12年中に県内で認知された特殊詐欺は23件(暫定値)あり、こののうち振り込め詐欺が前年比19件減の5件と大きく減少したのに対し、振り込め詐欺以外の手口が13件増の18件と急増したことが、県警のまとめで分かった。振り込め詐欺以外の18件の手口では、社債や未公開株の購入を持ちかけて金をだまし取る金融商品等取引が15件と大部分を占め、被害金額は5351万4500円と全体の約92%に上った。
県警捜査2課振り込め詐欺対策室によると、全体の認知件数は前年比6件減、被害金額は同約43万円増の約5795万円だった。被害者は女性15人、男性8人の23人。65歳以上の高齢者は17人と全体の約4分の3を占めた。
入金・送金の手段は、直接容疑者に手渡す方法が10件と最多で、これまで主流だった現金自動受払機(ATM)送金の9件を上回った。同課は「ATMや金融機関窓口からの送金は銀行員などに止められるケースが多くなったため、直接手渡しで受け取るようになったのでは」とみている。
手口別では、振り込め詐欺のうち、還付金等詐欺が2件で被害金額145万6195円▽融資保証金詐欺2件68万5600円▽架空請求詐欺1件18万6000円。「オレオレ詐欺」はなかった。振り込め詐欺以外では、金融商品等取引のほか、ギャンブル必勝情報提供が2件210万円、異性との交際あっせん名目が1件1万2000円だった。
警察庁のまとめによると、全国でも振り込め詐欺は前年比168件増の6401件、被害金額は同約34億円増の約161億円なのに対し、振り込め詐欺以外の特殊詐欺は同1355件増の2338件、被害金額は同約124億円増の約201億円と、金額では振り込め詐欺以外の手口が上回り、件数も急増している。
同課は「不審な電話などがあれば1人で判断せず家族や身近な人、警察に相談してほしい」と呼びかける。【田原翔一】