前日12日の夕方に沖縄入りしたばかりの田面が1軍のマウンドに上がった。変化球中心の投球で1回無失点。11球で打者3人を抑えた。
「緊張は多少ありました。バランスがあまり良くなかったですが、変化球でカウントが取れたのは良かった」
六回、先頭の俊介。最速151キロを誇るストレートは141キロどまり。スライダーでカウントを立て直し、一直に仕留めた。続く西岡を一ゴロに斬り、大和も二飛に抑えた。視察した巨人・森中スコアラーは「スライダーがキレていたね。社会人出身だけあって投球術を持っている」と評価した。
和田監督は「雰囲気は持っている投手。打たれたらアカンというのが先にきて、変化球が多くなったのかな。2回目からは持ち味を出してくれたらいいと思う」と次回の投球に期待を寄せた。
1月のコーチ会議では1軍キャンプスタートも検討されていた即戦力右腕。太もも回りはスケート選手並みの69センチでユニホームのお尻回りはパツパツ。重厚な下半身は発展途上で手薄なリリーフの一角として期待されている。今後の伸びしろは十分だ。
田面は「結果だけ見たら3人で抑えましたが、内容はあまり良くなかったので次を大事に投げたい」と意気込んだ。緊張がほぐれた次のマウンドでは自慢の直球でアピールしてくれるはずだ。(渡辺 洋次)
★下半身パワーUP
田面の下半身はJFE東日本時代に鍛え上げられた。足を前後に開き、10キロほどある長い棒を担いで、体を旋回させるトレーニングで、投球時の骨盤の動きを体に叩き込んだ。JFE東日本野球部の川崎コーチは「最初は女子ソフトボール選手かと思うほど緩んでいた」と当時を振り返るが、徹底した強化で、土台ができあがった。
(紙面から)