NHK北海道のニュース 札幌放送局
幌延の深地層施設で地下水漏れ
道北の幌延町にある、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物を、地下深くに埋める技術を研究する施設で、掘削中のトンネル内に大量の地下水が漏れ、1週間以上たった今も作業が中断していることがわかりました。
日本原子力研究開発機構によりますと、今月6日、機構が運営する幌延深地層研究センターが、地下350メートルで、水平方向に掘削工事をしているトンネル内で、大量の地下水が漏れ出し、地下水に含まれるメタンガスの濃度が、基準の1%を超えたため、現場にいた24人の作業員全員が避難しました。
作業員にケガなどはなくその後、ガスの濃度は下がりましたが、今も大量の地下水が漏れているため1週間以上たった今も掘削工事が中断されたままになっています。機構によりますと、平成17年の地下施設の工事開始から、水漏れで作業が1週間にわたって中断されるのは初めてで、作業員が避難する事態になったのも2回目です。幌延深地層研究センターは、原発から出る高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋めて処分するための技術を研究する施設で、このトンネルは放射性廃棄物を入れる容器の安全性などの本格的な研究を行うため、平成31年度の完成を目指して掘削が進められています。日本原子力研究開発機構は「深刻なトラブルとまでは考えていないが、安全を確認し近く工事を再開したい」と話しています。
02月14日 20時25分