ネット殺人予告:PC遠隔操作 片山容疑者、遠隔操作ウイルス削除 押収PC、ファイル復元し確認
毎日新聞 2013年02月14日 東京夕刊
パソコン(PC)が遠隔操作され犯罪予告が書き込まれた13件の事件のうち、片山祐輔容疑者(30)の逮捕容疑となった愛知県の会社のPCから、遠隔操作ウイルスが削除されていたことが捜査関係者への取材で分かった。警視庁などの合同捜査本部が押収したPCのファイルを復元して確認した。捜査本部は片山容疑者が証拠隠滅のためウイルスを削除したとみて追及する。
捜査本部の調べに対し、片山容疑者は否認を続けている。接見した弁護士によると、片山容疑者は「夜はちょっと眠れない」などと話すものの非常に落ち着いた様子だという。
一連の事件では、誤認逮捕された大阪や福岡の男性のPCはウイルスチェックによってウイルスが検出されず、誤認逮捕の要因となった。いずれも遠隔操作によってウイルスに感染した痕跡が削除されていた。三重の男性のPCには残っていたが、男性がウイルスをダウンロードした直後に異変に気づいて作動を止めたため削除できなかったとみられる。
捜査関係者によると、愛知県のPCは押収後のチェックでウイルスが検出されず、復元作業で削除されていたことが判明。復元されたウイルスはこれまで公開されておらず、警察しか知り得ないバージョンだった。ソースコード(設計図)が神奈川県・江の島の猫の首輪から見つかった記憶媒体にあったものと一致。捜査本部は、猫に首輪を取り付けたのは片山容疑者とみており、愛知県の事件に関与した有力な証拠の一つとみている。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】