戸田帯刀神父:戦争と信仰問い直す 戦後暗殺、札幌で神父の足跡考える集会

毎日新聞 2013年01月27日 北海道朝刊

 戦時下にカトリック札幌教区長を務め、特高警察に逮捕され、終戦直後に軍部関係者とみられる男に暗殺された戸田帯刀(たてわき)神父(1898〜1945年)の足跡を考える集会が26日、札幌市内で開かれた。戸田神父の出身地、山梨県で勤務したことをきっかけに取材を続ける元毎日新聞記者の佐々木宏人さん(71)=東京都杉並区=が講演。「事件に再び光を当て、戦争と信仰の関係を見つめ直す必要がある」と訴えた。

 札幌地区カトリック教会で平和問題に取り組む神父らが主催。約110人が参加した。

 戸田神父は札幌教区長だった42年3月、「米英を相手に戦争したらどうなるか分からない」などと同僚神父に漏らしたとして、旧軍刑法違反で逮捕された。終戦3日後、転任先の横浜市で軍服姿の男に射殺された。

 佐々木さんは「戸田神父は外国人や知識人と交流する機会が多く、リベラルな思想の持ち主だった」と紹介。札幌では軍部に協力的な教会関係者とのあつれきがあり、密告されたとの見方を示した。

 戦時下に教会で軍歌を歌わせるなど軍による戦争協力の強要があった背景にも触れ、戸田神父の逮捕や暗殺がほとんど知られていない点について「宗教界には戦争協力した指導者が戦後も残り、自己保身のためにうやむやになった」と指摘した。【伊藤直孝】

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