イカナゴ:全面禁漁へ 春の味覚、乱獲で激減 陸奥湾6漁協、特定魚では初 /青森
毎日新聞 2013年02月14日 地方版
陸奥湾でとれる春の味覚「イカナゴ(コウナゴ)」が乱獲などで激減していることを受け、県と湾内6漁協は今春から、全面禁漁することで合意した。当面、禁漁期間は定めないまま資源量の回復を待つ。資源保護のための全面禁漁は、秋田県で1990年代に3年間、ハタハタ漁で行われたが、県内で特定の魚種を対象に禁漁するのは初めて。
県によると、7日に青森市内で開いた検討会で資源量が激減していることを確認し、漁が始まる3月を前に、禁漁に踏み切ることで合意した。集魚灯を使った漁や小型の定置網での水揚げを全面禁止する。
昨年の湾内の資源量は1000万匹以下とみられ、県は3億匹まで回復させることを目指す。回復には約10年間かかる見通しで、資源量の調査を毎年実施しながら、操業再開の時期を判断する方針。
湾内でのイカナゴの漁獲量は73年の約1万1745トンをピークに減少が続き、昨年は約1トンまで落ち込んだ。漁獲金額も77年の約11億円から昨年は約40万円に減っている。海水温の低下でイカナゴが育ちにくくなったことや乱獲が原因とみられる。
県は2007年から漁期の短縮などで資源量の回復を図ってきたが、これまで効果は上がっていない。県水産振興課は「海水温が上がれば、禁漁6年間で3億尾に戻る見込み。早期に回復してほしい」と話した。【高橋真志】