零れ桜

− part1 花冷え −






ここしばらくの陽気には珍しく肌寒い1日だった。

桜の花びらが、風の誘いにのってちらほらと舞っていた。

今日はK美の結婚式である。

純白のウェディングドレスを身にまとい、多くの友人の祝福を受けてヴァージンロードを歩く。

新郎の優しい笑顔に包まれながら永遠の愛を誓う儀式。

女なら誰でも1度は憧れる瞬間だった。

だが、誰も気づいていない。

その美しいドレスの下で、秘部に麻縄が食い込んでいることを・・・。


「大きくなったらパパのお嫁さんになるの♪」

幼い頃そう言っていたK美は、父親であるだいすけが大好きだった。

建設会社を経営しているだいすけは、妻を早くに亡くし、男手1つでK美を育て上げた。

何度か後妻の話も持ち上がったが、だいすけは全て断ってきた。

経営のトップという座で多忙を極める中、1人娘であるK美を心から可愛がり、守ってきた。

そんな父をK美は尊敬し、心から信頼していた。

父親に対する憧れの念が強すぎたせいか、K美はなかなか恋人ができなかった。

告白されても、つい父親と比べてしまい前に進む気になれなかった。

「K美は『パパ』が恋人なのよね〜」

親友のT美にいつもからかわれていた。

そんなK美にも遅い春が来た。

父親の会社で秘書をしていたK美は、取引先の社長に気に入られ、「ぜひ息子の嫁に」と切望されたのだ。

会ってみると、気さくで笑顔が優しい男性だった。

その笑顔がどことなくだいすけに似ており、K美は乞われるままにデートの誘いに応じた。

3回めの食事の後、海の見える公園でK美を壊れ物を扱うように抱きしめた彼は、そっとK美にキスをした。

「初めて会った時に『この人だ』と思いました。結婚してくれませんか」

彼の人となりもよくわからず、また優しすぎるキスに戸惑いながらも、どことなく父に似た笑顔を見ていたくてK美は頷いていた。

その夜、珍しく遅く帰ったK美をだいすけが玄関で待ち構えていた。

「遅いな、K美」

「パパ、ただいま。ごめんなさい」

いつになく厳しい表情を見せる父親に、K美は少し怯んだ。

「パパ、お話があるの」

リビングのソファに座った父に、K美はおずおずと切り出した。

「私、結婚しようと思うの。」

「例の息子さんか?」

「そうよ」

だいすけはK美の顔をじっと見つめると再び口を開いた。

「そうか。構わんよ」

てっきり反対されると思ったK美は、ほっとした半面、どこか寂しい気持ちになった。

「式の日取りを考えなくてはいかんな」

「パパ、気が早いわよ」

「着替えてくるね」

そう言って微笑みながら席を立ったK美に、だいすけは声をかけた。

「K美、おまえに見せたいものがある。」

「おまえが結婚する時に見せようと思っていたものだ。着いてきなさい」

「・・・?」

だいすけは鞄に入れていた鍵を取り出すと、廊下に出た。

だいすけは、廊下をつきあたって左側にある部屋の前に立ち止まると、その部屋の鍵を開けた。

そこは、だいすけの書斎・・・の筈だった。

『何があるんだろう?』

ドアが開き、だいすけが電気をつけると、そこには地下に続く階段があった。

訝りながらも黙って父の後を着いていくK美。

10段ほど階段を降りると、もう1つドアがあった。

だいすけは、おもむろにそのドアの鍵を開けた。

K美は中を覗くと声を失った。

重厚なレンガ造りのその部屋には、様々な得体の知れない道具が置いてあった。

大きなベッド、股の部分が開いている椅子、不完全な台形を横にしたオブジェ(K美にはそう見えた)、便器・・・。

そして壁には、夥しい数の縄、鎖、鞭などがかけられており、傍らに置いてある机の上には、赤い色をした蝋燭や数々のバイブ、注射器、クスコ、カテーテルな どが置かれていた。

みな、綺麗に磨かれている。

K美は状況を理解できず、だいすけの顔を見た。

だいすけは、K美の手首を掴んで部屋の真ん中に連れて行くとベッドの上にK美を放り出し、その頬を張り倒した。

「パパ、痛い!!」

生まれて初めて殴られる感覚にK美は呆然とし、自然と涙が出てきた。

「結婚するだと?私がどれだけ苦労しておまえを育ててきたかわかっているのか!」

そう言うとだいすけは、K美の上にのしかかっていった。

「何するの?!パパ!!」

K美は必死で抵抗したが、だいすけに簡単に押さえつけられ、ブラウスのボタンが乱暴に引きちぎられた。

「イヤァ!!パパやめて!!」

実の父親に乳首を吸われ、両脚の間に入った膝で、秘部がこすり上げられた。

「私はおまえだけを愛してきたんだ」

恐怖とショックで動けなくなったK美のヴァギナに、だいすけのペニスが捻じ込まれた。

「アグッ!!痛いっ!!」

破瓜の痛みがK美を襲う。

よもやヴァージンを実の父親に奪われるとは・・・K美はその現実を受け入れることができなかった。

が、しかし、心のどこかで、小さい頃から憧れてきた父親に大事なものを捧げられたという不可思議な歓びが首をもたげてくるのも感じていた。


その夜から、だいすけの倒錯した愛情表現が毎晩のように行われた。

K美はなぜか逆らえなかった。

回を重ねるごとに身体の痛みは徐々に薄れ、代わりに肉親への愛情とは違う感覚が心の奥底から湧きあがってくるのを否定できなかった。

K美は、実の父親であるだいすけを愛し始めていた。

否、ずっと抑えていた気持ちが、一気にあふれてきたと言った方がいいだろう。

堰を切ったようにあふれ出るその思いに、K美はもう逆らうことができなかった。

そして、父親の愛情を真正面から受け止めようとした。

そうした心の変化を、K美は思わず口走っていた。

「パパ、愛してる」

その言葉を待っていたかのように、だいすけのペニスは痛いほどに脈打ち、娘のヴァギナにドクドクと真っ白な愛情を注ぎこんだ。

「いい娘だ」

K美はだいすけの口づけを素直に受けた。

「パパの宝物を使って、K美を可愛がって」

だいすけは、壁にかけてあった縄を手に取るとK美の手足にくくりつけ、ベッドの四隅に取りつけられたホックに縄の端を結びつけて娘の身体を大の字に広げ た。

「恥ずかしい・・・」

全てを露わにされたK美は、羞恥に頬を赤く染めた。

「綺麗だよ、K美」

だいすけは、身動きの取れなくなった娘の身体を愛撫した。

父親の舌が首筋をつたい、乳首を転がし、その手がゆっくりと乳房を揉んだ。

「アァ・・フ」

思わず喘ぎ声が出る。

『恥ずかしい格好でパパに愛されてる』

K美はそんな自分に興奮し、だいすけが下腹部にたどりついた時には、K美の秘部はじっとりと濡れそぼっていた。

「濡れてるじゃないか」

父親の言葉にK美は更に興奮し、秘部から更に淫汁を溢れださせた。

だいすけの舌がクリトリスを転がす。

女の身体を知り尽くした父親の愛撫に、K美は痺れるような快感を覚えた。

「ダメ・・パパ、たまらない」

だいすけは、ヴァギナにバイブを押し込み、スイッチを入れた。

「アアン!」

K美の身体は、だいすけの丹念な愛撫で花開いていた。

だいすけはおもむろに鞭を取り出すと、喘ぐ娘の身体に思いきり振り下ろした。

そして、バイブを激しく動かした。

「ウグッ」

身体中に走る鋭い痛み。

合間に送り込まれる秘部の快感。

何度も繰り返される痛みと快感が掛け算となって、K美の脳の奥を刺激した。

「ア、アァァァ・・・!!」

K美は、「イク」という感覚を父親から授けられた。


この日からK美は『書斎』で暮らし、下着の代わりに縄化粧を施されるのが日課となった。

会社は『結婚退職』という名目でだいすけが辞めさせた。

朝、だいすけが部屋にくると速やかに寝着を脱ぐ。

眠る時に下着をつけることは許されなかった。

一糸まとわぬ姿を父親が観察する。

均整のとれた美しい裸体。

「よし、いいだろう」

だいすけは、その陶器のような肌に縄を走らせた。

乳房が上を向き、縄の筋目が秘部に食い込む。

秘部には更にローターが固定され、K美は1日中ローターの責めに耐えなければならなかった。

「朝飯だ」

K美の前に皿に入ったパンと牛乳が置かれる。

K美はひざまずき、それらを口だけで食べ、舐め取った。

「今日は特別にデザートをやるよ」

だいすけはそう言うとK美の前に仁王立ちになった。

「パパ、ありがとう」

K美は美味しそうに父親のペニスをしゃぶった。

「ヴッ」

K美の髪を鷲掴みにすると、だいすけはペニスをK美の喉深くに差し込んだ。

むせびながら、K美はペニスに舌を這わせ続ける。

涙が流れ、さっき食べた物が逆流してくる。

窒息しそうになりながら、K美は父親のペニスをきれいに舐めつくした。

だいすけは、K美の髪を鷲掴みにしたまま勢いよく放尿した。

「飲め」

K美はためらわずに父親の聖水をゴクゴクと飲み干した。

「パパ、美味しいです」

K美は口の端から滴を垂らしながらだいすけに向かって微笑んだ。

「下の口にも飯をやろう」

だいすけはベッドに仰向けになると、K美の秘部からローターを抜き、跨がせた。

ヴァギナの奥深くにペニスが突き刺さる。

K美は小さく声を上げた。

「動け」

だいすけの言葉どおりにK美は腰を振った。

時折激しく突き上げられ、K美はそのたびに獣になった。

「あぁん、パパぁ、イク、イッちゃうゥゥ!!」

K美は知らず知らずのうちに脚を大きく開き、上下前後に激しく腰を動かしていた。


初夏を思わせるような汗ばむある日、男がK美の家を訪れた。

自分に黙って会社を辞め、連絡の取れないK美を心配してのことだった。

玄関のベルを鳴らすと、だいすけが応対した。

「よく来たね。入りなさい」

男が応接室に入ると、久々に見るK美の姿がそこにあった。

「K美はしばらく具合が悪くてね。マリッジブルーとでも言うんだろう。もう大丈夫だよ」
だいすけの言葉に男は安堵した。

「少しK美さんをお連れしていいですか?」

K美は父親の顔を見た。

「ああ、いいよ」

だいすけは男に向かってにこやかにそう言った。

K美は太陽に光る木々を久しぶりに仰いだ。

「K美、行こう」

男はK美に車に乗るよう促し、発進させた。

しばらくして車は高層ホテルの前に着いた。

ボーイが慌てて飛んでくる。

「おかえりなさいませ、お坊ちゃま」

「お坊ちゃまはやめろ!」

不機嫌にそう言い放つとK美の手首を引っ張り、慣れた足取りでエレベーターに向かった。

「どこへ行くんですか?」

「ゆっくり話がしたい」

エレベーターがエグゼクティブフロアに着いた。

ドアが開くとそこは一面スィートルームになっていた。

K美はひきずられるように奥の部屋に引っ張られていった。

「手が痛い!離してください!」

男は、K美が知っていた優しい男とは別人のようだった。

ドアを開けるとそこは寝室だった。

男は、脚を絡ませるようにK美をベッドに押し倒した。

「イヤッ!何するのっ!」

「俺たちは結婚するんだ。なぜ拒む?」

『結婚』

そう言われてK美は言葉を失った。

身体の力が抜ける。

K美は男にされるままに身体を開いた。

男は無我夢中でK美を抱き、そして果てた。

K美の頬に、ひと筋の涙がつたっていった。


男はK美を送ると、だいすけに遅くなったことを丁重に詫び、だいすけはそれに笑顔で応じた。

男が玄関のドアを閉めると、だいすけの表情が一変した。

「服がしわになっているぞ」

K美はうろたえた。

「来るんだ」

K美は黙ってだいすけのあとを着いていった。

いつもの『書斎』へ戻る。

「服を脱げ」

K美はそっと服を脱いだ。

K美の左乳房の上に、小さな赤い花びらが染め上げられているのをだいすけは見逃さなかった。

だいすけはその乳房を張り飛ばした。

「うっ!」

張り飛ばされた勢いでK美は床に倒れ込んだ。

ひんやりした床が、汗ばむ身体に吸いついてくる。

だいすけは、K美の髪を掴んで股の開いた椅子まで引きずっていくと十字架の形をした背もたれに鎖で繋ぎ、椅子を思いきり倒した。

K美は秘部を天に向けて召される形になった。

だいすけは傍らの机から蝋燭を取ると火をつけた。

K美は恐怖におののいた。

「パパ、ごめんなさい!!」

娘の言葉を遮るように、だいすけは赤い液体を白い裸体に垂らした。

「アヅゥ!!」

乳房につけられた赤い花びらはあっという間に隠され、瞬く間に乳房全体が赤く染め上げられた。

椅子の脚に固定されて露わになった秘部にも赤い液体は襲いかかった。

「ギャァ!!」

蝋燭が徐々に近づき、熱さのあまりK美は涙を流した。

「パパ、許して・・・」

娘の身体に今度は鞭が走り、赤いかさぶたを次々とはぎ取っていった。

全てのかさぶたがはぎ取られても、鞭の嵐は止まなかった。

かさぶたの跡が、ピンク色に染まる。

K美は、全身の痛みで気を失いそうになった。

ようやく鞭の嵐から解放されたかと思うと、K美の口の中にバイブが押し込まれた。

反射的に舌を這わせる。

だいすけは、娘の脚の間に入ると、ヴァギナにペニスを差し込み、激しく突き上げた。

K美の脳は本能の部分を除いて機能が停止し、全ての感覚を快楽に変える回路だけが動いていた。

娘の胎内で、父親は果てた。

「K美を、もっと愛して・・・」

バイブが抜かれ、K美は口から唾液を垂らしながらつぶやいた。

だいすけは、娘を抱きしめ、唾液を舐め取ると口づけをした。

「愛している」

地獄に堕ちた瞬間だった。

*** Part1 花冷えの章 終 ***