岡山元同僚殺害:住田紘一被告に死刑求刑
毎日新聞 2013年02月08日 12時26分
岡山市で11年9月、元同僚の女性を殺害し遺体を切断して捨てたなどとして強盗殺人、強盗強姦(ごうかん)などの罪に問われている大阪市住吉区の無職、住田紘一被告(30)に対する裁判員裁判の論告求刑公判が8日、岡山地裁(森岡孝介裁判長)であった。検察側は「計画的な犯行で残虐、極めて悪質。遺族の処罰感情はしゅん烈だ」などとして死刑を求刑した。
5日に始まった裁判員裁判で、住田被告は、元婚約者との交際に満足できずに「欲求不満を満たすために元同僚女性の強姦を計画した」と告白。被害者の加藤みささん(当時27歳)はその対象に選んだ好みの女性3人のうちの1人だったと説明した。住田被告は当初、「かわいそうと思う気持ちはない」などと話していたが7日の被告人質問で突然、「本当はずっと謝罪したかった。死刑になりたかった」と態度を一変。「ごめんなさい」と涙を流す場面もあった。
遺族は被害者参加制度を利用し「最低でも死刑を」と訴えた。加藤さんの父親はこの日、証人尋問で「私たち家族をどこまで愚弄(ぐろう)する気か。昨日、被告が見せた涙は、悔いた涙とは思えない」と話した。
起訴状などによると住田被告は11年9月30日、岡山市北区の元勤務先の会社敷地内で、派遣社員の加藤さんを倉庫に誘いこみ、現金2万4000円入りバッグなどを強奪して性的暴行を加え、刺殺。遺体を大阪市のガレージで切断し、遺棄したとされる。【五十嵐朋子】