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2006-11-05 Sun 23:37
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『先、ありがとね』
姉さんの声を、背中で聞いた。 とても、姉さんの顔を見ることが出来ない。 『ああ、うん』 一瞬だけ姉さんの方をチラリと見ると、そのまま立ち上がり、姉さんの横を通り過ぎて代脱衣場へ向かった。 一瞬見ただけなのに、姉さんの姿は、鮮烈に網膜に焼きついた。 まだ、多少水分の残っている髪が、しっとりと艶やかで、温まった身体はうっすらと赤みを帯びていた。 バスローブの丈は、ワザとそう作られているのだろうか…、膝から15センチくらいのところで、女性の美しさを強調させている。 女性の身体くらい、それなりに見慣れてるはずなのに…、姉さんが妙に艶っぽく見えた。 通り過ぎた時に、ふんわりと石鹸の匂いが鼻をくすぐり、また心臓の心拍数を上げる。 一秒以上直視していたら、間違いを起しそうだ。 (相手は姉さん、相手は姉さん、相手は姉さん…) 俺は、呪文の様に頭で繰り返すと、バスローブを脱ぎ捨て、すぐに熱いシャワーを頭から被った。 俺は、シャワーを浴びながら、両手を壁に着けるとしばらく身体を温めた。 とにかく、何も考えないようにして、目をつぶってシャワーを浴びた。 変に緊張して、途中から寒さをあまり感じていなかったけど、やはり冷えていたんだろう…、じんわりと身体に熱が戻ってきて、心地良い。 俺は、ゆっくり目を開いた。 目の前には、俺自身を映し出す鏡がある。 無意識に目を逸らしてしまう。 (この壁の裏から俺は、見ていたんだ) 自己嫌悪と姉さんへの謝罪の気持ちで、鏡を直視出来ない。 もしかすると、姉さんも気づいて、今あのブラインドを開いてこちらを見てるかもしれない? だからといって、俺に何が出来る? とにかく、平静を装うしかない。 俺は、一歩だけ前に進むと、鏡に近づいた。 さすがに身内といえど、姉さんに今の『アレ』を見られるのは俺も恥ずかしい。 だからといって、誰も居ない浴室で隠すなんて、おかしいだろう? とにかく、手早く身体をあらって、浴室から出ることを考えよう。 後は、何も考えないように…、ひたすら無心で…。 そう思いながらも、姉さんと同じボディソープの匂いを嗅ぐと、さっきの姉さんの姿が脳裏から離れないでいた。 【まだ、続きます】 スポンサーサイト
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2006-11-05 Sun 22:58
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ちょうど…、この壁の向こうは浴室なんだ。
ラブホによくあるシチュエーション、…浴室が覗けてしまうアレだ。 俺だって、それくらい経験ある。 通常ならそれはもっと、お互い分かり易い場所にあるものだ。 しかしこのラブホは、見た目の下品さを隠す為なのか、構造上なのか、こんな場所にある。 スタイリッシュにしたつもりなのかもしれないけど、相手が気付いてなければ、それは激しく…淫猥だ。 俺は…、不覚にも、姉さんの裸から、目が話せなかった。 シミひとつない白い肌、美しいラインの肩甲骨、小さいけど整った形の胸、淡い桜色の蕾、そして…、くびれた腰。 浴室の鏡と同じ大きさなので、ここまでしか見れない…。 そして、向こうからは、こちらから見えてる事が分からないのだろう。 そうでなければ、姉さんが平静でいられる訳が無い。 姉さんは、シャワーをホルダーにかけると、鏡の前からいなくなった。 (もう上がるんだ) 案の定、ガチャリと浴室の扉の開いた音がした。 俺は慌ててブラインドを元の通りにすると、ベッドに腰掛けた。 『智也?』 『なに、姉さん…』 声が裏返りそうになって、焦った。 『そっちに、バスローブある?』 俺は辺りを見渡した。 よく見ると、大きなベッドの枕元に、昔入院した時に着たような衣服が二着、薄いブルーとピンクがあった。 ピンクが、女性モノだろう。 映画に出てくるようなローブを短くしたような…まるで空手着の上だけのよう感じ。 俺はそれを手に取ると、脱衣場の扉を僅かに開けると、手だけ突っ込んで、姉さんに手渡した。 『ありがと』 俺はローブを手渡すと、扉を閉めた。 再びベッドに腰掛けると程無くして、脱衣場からドライヤーの使う音がしてきた。 (あー、ヤバイ!) さっき見た姉さんのしなやかな肢体が頭から離れない! 心臓の鼓動が、やけに耳につく。 俺が心臓の鼓動と格闘してると、5分もしないうちに、脱衣場の扉が開いた…。 【まだ…、続きます】 |
2006-11-05 Sun 21:34
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705号室…。
最上階のスイート仕様の部屋だった。 びっくりするくらい、広い部屋だった。 パーティでも出来そうなくらい…。 それに、備え付けの大画面液晶テレビ、ゲーム、カラオケ、ビリヤード、スロット、ダーツ、そして全自動洗濯乾燥機。 豪華な、コインランドリーだとほんやり思った。 『智也、先入ったら?』 『あー、良いよ、お先どうぞ』 『…じゃあ、お先に入らせてもらうね?』 『ん、その間に洗濯しとく』 『う、うん、お願い…、あ、下着ネットあるみたいだから、入れてね』 『あ、あぁ』 何か、緊張してる。 俺は姉さんが浴室に入る音を確認して、たっぷり30秒は数えて脱衣場に入った。 どうせ洗濯するのに、几帳面に衣服をたたんで置いてあった。 たぶん、俺に見られるのを意識したんだろう。 いやに、ノドが乾く…。 俺は雑念を振り払うと、姉さんの衣服と、バスタオル一枚持って脱衣場を急いで出た。 取り敢えず、洗濯機に突っ込まなきゃいけない…。 俺は洗濯機の置いてある別室に向かった。 洗濯機と乾燥は別になっていて、取り敢えず姉さんのジーンズとTシャツ、Yシャツを放り込む。 そして、衣服の合間に隠されていた下着…。 (うわ?) 可愛いレースだったけど、色は『黒』! (俺、黒の下着、一番好きなんだよなー) …って、姉さんのだろ、何考えてるんだ、俺は!? 備え付けのネットに黒の下着を乱暴に突っ込むと、手早く自分も衣服を脱いだ。 まとめて脱いだ衣服を無造作に洗濯機に放り込み、洗剤を目分量加える。 最短のコースでスイッチオン! 小さなディスプレーに、赤く『35』分と表示された。俺はやっと落ち着くとバスタオルを腰に巻いた。 恥ずかしい事に、少し硬くなってた。 取り敢えず、俺は寝室に戻ると、落ち着かず、部屋をウロウロと歩き回った。 一旦は、ベッドに腰を降ろしていたが、何か落ち着かないんだ。 まるで、初めてセックスした時、女性のシャワーが終わるのを待っていた時みたいに…。 取り敢えず、冷蔵庫開けたり、机の引き出しを開けてみたりしていた。 (…あれ?) 何だろ、あのブラインド…。 壁の一箇所に、不自然と思える布製のブラインドがある。 お洒落な布を使っているが、サイドに紐が付いているので、そうだと分かった。 俺は何気無しに、その紐を引いてみた。 ほら、ボタンがあると、何故か押したくなるよね? それと一緒だ。 シャっと左右に別れた布の奥は、薄く曇ったガラスがはめ込んであった。 『うわっ!』 そこには、シャワーを浴びる姉さんの姿が…。 勿論、何も身につけていない、姉さんの裸がそこにあった。 【まだ、執筆中】 |
2006-11-05 Sun 18:53
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『で、どうするのコレ…』
姉さんは、Yシャツの裾を摘んで言った。 人の目も憚らず、はしゃいだ結果、二人で「濡れ鼠」になってしまった。 『殆ど、最初にコケだぶんだと思うけど…』 『なにか?』 『いえ、ごめんなさい…』 俺は、びしょ濡れになる前に、姉さんを止める事も出来たんだけど、濡れた姉さんの表情が、何故か泣いてるような気がして、止める事が出来なかった。 やっぱり、彼氏さんと別れたのが、無茶の原因? 俺は何も聞けないかった。 さすがに4時を過ぎる頃には、肌寒くなってきた。 全身濡れてるんだから、無理もない。 俺達は海岸の駐車に止めてある車に戻ると、トランクに常時置いてあるタオルを取り出し、姉さんに渡した。 さすがにタオル一枚じゃ、姉さんの髪の水分を簡単に拭う程度しか効果はない。 こうしていても、仕方ないので、衣服の砂だけ丹念にはたいて、車に乗り込んだ。 『はっくしょい!』 盛大なくしゃみ…。 『智也、大丈夫?風邪引かないでよ?』 『あー、うん大丈夫』 グスっと鼻を啜ると、暖房入れて、衣服乾かすか…。 『ねえ、智也…、海水って、すっごくネバネバ気持ち悪いね』 そう、そうなんだ。 衣服に染み込んだ海水と、暖房で滲む汗が混じり合って、体を動かすたびに、ネットリと不快な気持ちになる。 ちょうど帰りの渋滞にハマりつつあり、精神衛生上この上なく、よろしくない。 『ね、智也…、あそこなら、洗濯乾燥出来ないかな?』 『え?』 どっきーん 『ナニ言ってるの!ラブホじゃん!』 まだ、かなり先だけど、あれはどうみてもラブホだ! 『最近じゃ、カップルズ・ホテルって言うんだって』 どっちでも、一緒だってー。 『何言ってるの、大体洗濯機置いてないかもしれないだろ?』 『とりあえず、お風呂入れるよ?このままだと、風邪引いちゃうよ?』 『それは、そうだけど…』 『じゃ、洗濯出来れば休憩しよう、駄目ならスルーで…』 『ん?』 『お金は出してあげるから…』 そういう問題じゃないんだけど、確かにこの状態は気持ち悪い。 寒気もするし、さすがに、折れるしかないか…。 『分かった、洗濯出来るならね…』 俺はラブホの一本手前で中の道に入ると、裏口からラブホの駐車場に車を停めた。 『あんた、馴れてるわねー』 じと目で姉さんは俺を睨んだ。 一本前から裏口って、ラブホの常識だろ?…って、言いたかったけど、薮蛇になるので、無視して自動ドアを潜った。 大抵のラブホと同じように、ロビーの壁一面に全室の写真と金額が提示してある。 『コレじゃ、分かんな…』 俺が、どうしたものかと考えていると…。 『すいませーん、洗濯機のある部屋ってあります?』 無人のロビーで誰と話してるのかと思ったら、備え付けの内線電話だった。 姉さんの方が、よっぽど慣れてると思う…。 『あ、はい、ありがとうございまーす』 カチャリと受話器を置くと『五階以上なら付いてるって』と姉さんは、ニッコリ笑った。 【まだ、続きます】 |
2006-11-05 Sun 17:12
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こんにちは、にゃもです。
昨日、ふらっとドライブしながら海へ行ってきました。 本当は、彼女と行くはずでしたが、急に彼女の都合が悪くなり中止…と思ってたら『なら、私が一緒してあげるよ』と、お姉さま。 『いえ、中止にしますから』 『…私と一緒じゃ不満ですか』 『…い、いえ、そんなことは』 『いーのいーの、先日彼と別れて、ちょっと暇だったから…言ってみただけ』 げっ…マジですか。 『あ?、良かったら、気分転換に一緒行く?』 『でも、悪いし…、忙しいんでしょ?』 『いやいや、暇だから』 『どうしようかな…』 『ね、一緒行こうよ』 『う?ん、智也(にゃも)がそこまで言うなら…』 こうして、ドライブの相手は、いつの間にか、姉さんにすり変わっていた…。 なんか、俺が誘った風になってるしー。 こうして俺は簡単な荷物だけリュックに詰めて、車を出発させた。 三連休の中日とあって、道はそこそこ混んでいたけど、道すがら今まであまり姉さんと話せなかった話題(恋愛関係や、男女のちょっと深い話)で盛り上がり、時間が過ぎるのは早かった。 目的地には昼過ぎに着いて、近くの食事処で昼食。 秋(?)の海なんて閑散としてるかと思ったら、そうでもないんですね。家族連れ、カップル、友達同士、観光客…と結構いました。 それに、天気も良くって、久し振りに嗅いだ、潮の匂いが心地良かった。 姉さんも、スニーカーを脱いで、海水に素足をつけはしゃいでいる。 (ま、たまには、こういうのも、ありだよね) 『智也も、足つけてみなよー、気持ち良いよー』 波打ち際で、姉さんが手を振っている。 周りから見たら、カップルに見えるのかな? 身内の贔屓を差し引いても、姉さんは結構可愛いかったりする。 年甲斐もなく(?)頭の上で、無造作に束ねた髪がふるふる揺れて、結構似合ってたり、スタイルも何気に悪くない…って、俺ナニ言ってるのー。 こりゃ、小説の書きすぎだな。 でも、年上の女性とは付き合ったことないけど、どうなんだろ…。 そういった意味では、『にゃも』の小説って、リアリティないよね。 ☆ 『姉さん、あんまりはしゃいでると転ぶ…』 『きゃあ!』 少し大きめな波を避けようとした瞬間、足を取られた。 ばっしゃ?ん 『うえ?、びしょびしょ?』 尻もち着いて、下半身がびっしょり海に浸かってる。 『ちょ、ちょっと大丈夫?!』 駆け寄って、俺は手を差し延べる。 『大丈夫のように、見える??』 『いや、あんまり…って、ぷはははは、もー、何か「濡れ鼠」だね。 『もー、ひどいっ!』 『ごめんごめ…っぷあ』 差し延べた手ををおもいっきり引っ張られて、海水に膝と片手を着く。 『ちょっ、俺まで濡れたら…うわっ』 楽しそうに、海水をバシャバシャとぶっかける姉さん。 『やったなー』 あーもう、どうにでもなれ! 俺と姉さんは、後先考えずに、もーバッシャバッシャと海水を掛け合った。 【続きます】 |
| ノウナイビヤク |
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