同じバカでも金メダルの柔道家は逮捕され、議員は逮捕されない。


週刊新潮 2013/02/14日号

「徳田毅」代議士が慰謝料1000万円の「未成年女性」泥酔姦淫

驕り高ぶった、ごく僅かなバカがこういうことをしでかす。そのバカの中に代議士がいた。それも政務官になった男である。国土交通大臣政務官、復興大臣政務官である。

突然の辞任であった。辞任はこの週刊新潮が出る前だったから国民は何がなんだか、キツネにつままれたような気分であった。かえって週刊新潮2.14号の前宣伝になった。

僕が買い求めた店の雑誌コーナーではこれが週刊新潮最後の一冊であった。まだ7日木曜日の夕方、今週の週刊新潮を発刊して間もないというのに。不思議に思った国民が多く新潮の購入につながったのかもしれぬ。

この間、民主党の岡崎トミ子元国歌公安委員長、社民党の福島瑞穂党首ら野党の女性国会議員有志が8日午前、事実関係の説明を求める申し入れを行った。菅長官はこの後の記者会見で「徳田氏は政務官を辞任しており、政府としてさらなる対応を行う立場ではない」と述べた。

果たしてそうだろうか。事件を起こした当時でさえ国会議員公設秘書である。そんじょそこらのチンピラが起こした事件ではない。いや、確かに事件にもなっていない。徳田氏が起訴されて立件された訳ではないからだ。

ただし、本誌にも述べられているが、同じような事件を起こした金メダルの柔道家は逮捕され5年の実刑判決を受け控訴中なのだから、徳田氏の件も実質事件といってもいいのではないか。

本人はどう言っているのか。
『私が政務官に就任して喜んでくださった皆様の期待を裏切ることとなりました。経済再生と被災地の復興に取り組んでいかなければならない矢先に、国民の皆様にこのような形でご迷惑をおかけすることに、心からお詫び申し上げます。誠に申し訳ありません。』
と結ばれている。

1000万円で和解したとはいえ、全面敗訴のようなものだ。こんな人間が父親(医療法人徳洲会創設者にして元衆議院議員)の威光をかりて徳洲会の理事の座に座り、衆議院議員を3期務めただけで自由民主党の要にいる。いわゆる身体検査も何もあったものではない。こんな過去などちょっと調べればわかるはずだ。

今回露見された事実は自民党にとって一刻も早く忘れたい忌わしい出来事であろう。ならば、刑事事件にもなってない現状で国会議員の座も奪われないのだから、せめて自民党としての籍は剥奪すべきではないか。

過去の出来事だから目を瞑るのか、それとも徳田氏のところにはうなるほど金があるからさわらないのか。結局、金権体質の自民党は変わっていない、と言われても仕方がないということになる。愕然とするばかりである。

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佐々木正洋

■略歴
1977年慶應義塾大学法学部政治学科卒業と同時にテレビ朝日入社。
「ワールドプロレスリング」「アフタヌーンショー」「モーニングショー」「気分はシャッフル」「おもしろ食通信」「ナイトライン」「CNNニュース」「テレビいま時あの時」「邦子がタッチ!」「スーパーJチャンネル」などで司会・実況・リポーターを歴任。アナウンサー歴35年の中でも、昼のワイドショー「ワイド!スクランブル」月~金コーナー「夕刊キャッチアップ!」は番組開始以来16年間担当。
2012年3月、テレビ朝日退社。同年4月浅井企画に所属。

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