東日本大震災:福島第1原発事故 一律に山菜セシウム検査 県が全市町村で、来月下旬ごろから /岩手
毎日新聞 2013年02月14日 地方版
東京電力福島第1原発事故の放射線影響対策について、県と市町村の連絡会議が13日、盛岡市内で開かれ、県は全市町村一律に野生山菜の放射性セシウム検査を実施する方針を示した。山菜シーズン初期の3月下旬ごろから順次検査を始め、食の不安払拭(ふっしょく)を図る。【金寿英】
検体は一般的で収穫時期の早い「コゴミ」と流通量の多い「ワラビ」の2品目で、各市町村の担当者が採取し、1品目あたり200グラム以上を県がゲルマニウム半導体検出器で精密測定。結果は県のホームページで公表し、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を上回った場合は出荷自粛要請などの措置を講じる。
昨春の野生山菜を巡っては、市町村や産直などの流通業者が簡易測定器で自主検査し、高い値が出た場合に県が再検査していた。しかし、山菜が店頭に流通してから出荷自粛要請が相次ぐなど対応が後手に回った。また、検査機器の不足などから検査を実施できない市町村もあり、全県的に状況を把握すべきだとの意見も多く上がっていた。
県総務室の渡辺英浩・放射線影響対策課長は「野生山菜は販売のみならず収穫も県民にとっては春の楽しみとなっているので、早い時期に情報提供し、安全安心の確保に努めたい」と話した。