2006年05月16日

冬の熟睡法

 冬になると、クマのように冬眠する動物がいますが、私たちの眠りも、季節や気温の変化によって変化するといわれています。複数の研究者が行った調査では、日本人の睡眠時間は春から夏には短くなり、秋から冬には長くなるという結果が出たそうです。これは、冬がぐっすり良く眠れる良い季節ということではなく、寝付きにくくなったり、熟睡しにくくなるため、自然に睡眠時間が長くなってしまうという結果を示しています。よく、夏は暑くて寝苦しいとよく言いますが、冬も夏以上に熟睡できなくなる季節なのです。

「熟睡できなくなる主な原因」
1.日照時間が短くなることにより体内時計の調整がうまくできなくなる。
体内時計は朝、太陽の光を十分に浴びることで調整され、体がきちんと働くようになります。冬は、日の出前に起きる可能性があったり、十分に朝の光を浴びることができなかったりして、体内時計の調整がうまくいかず、体が軽い時差ボケのような状態に。
 また、眠りを誘う物質メラトニンは、午後の太陽の光を浴びることによって、夜、その生産量が増えると言われていますが、寒くて日照時間も短い冬は、外出する機会が減り、午後の太陽を浴びない日も多くなるため、メラトニンの量が少なく、熟睡度が低下してしまいます。

2.寒さのために体温調整がうまくできなくなる。
冬は、寒さのために体温を調節するのもむずかしくなります。寒いと、交感神経系の活動が亢進し、皮膚の血管が収縮し、皮膚表面の血流量が低下してしまいます。そのため、熱の発散がうまくできず、入眠に必要な深部体温の低下が妨げられ、夜、なかなか寝付けないということが起こります。また、尿の量が増え、夜トイレに行く回数も多くなり、熟睡しにくいのです。

「冷え性の人が眠れない理由」
 気温が低いと、体は冷えを感じ、寒冷刺激によって皮膚表面の細動脈が収縮します。これは交感神経系の活動レベルが上昇するためです。一般には、同時に、血管拡張反応が起こり、5〜10分で再び皮膚表面の血流量は増え、温かい血液がたくさん流れ込んでくるため、冷えを感じなくなります。氷水の入ったコップに指を入れた時、はじめはジンジンしていたのが、しばらくするとポカポカしてきます。この変化がそうです。
 しかし、高齢者や冷え性の人(女性に多い)の場合は、この血管拡張反応がすぐに起こらないことが。そのため、体の表面はいつまでも冷えたままなのに、体の深部の熱はうまく放散できないため、寝付きが悪く、熟睡もできないということが起こることがあります。

「冬は、この方法でぐっすり眠ろう!」
1.寝室の室温は、18〜23℃に設定する。
 寒いと、筋肉が緊張したり、血流が悪くなったりするので、室温は、18〜23℃に設定しましょう。カーテンなども厚手のものに替え、隙間風が入るのを防ぐとGOOD。また、湿度は50〜60%に保つこと。乾燥すると風邪を引きやすくなるので、加湿器などを利用すると良いでしょう。風邪は睡眠中にひくことが多いので、空気清浄器も忘れずに。

2.寝具は温めておく。
 冷たい布団に入った途端、ヒヤッとすることがありますが、それだけで、交感神経系の活動レベルが上昇してしまうことがあり、入眠の妨げになることあります。とくに、冷え性の人などは、寒さがストレスになりやすいので、自分なりの工夫をしてみましょう。冬は、ネルやムートンなど、冷たさを感じにくい素材のシーツに替え、寝る前に、布団乾燥機や湯たんぽ、電気毛布などを利用して、あらかじめ布団を温めておきましょう。ただし、一晩中、電気毛布を利用するのは避けること。体温調整力を狂わせるだけでなく、肌の乾燥を招くので、布団の中に入ったらスイッチを切るようにして。冷え性の人は、寝具を温めるだけでなく、体を動かしたり、ぬるめのお風呂にゆったり入って、体を少し温めから寝ると良いでしょう。

3.パジャマ
 体を冷やさないよう、パジャマは長袖長ズボンに替え、布団も冬用に。軽くて保温性のある羽毛布団などがおすすめですが、それだけでは肩から隙間風が入りやすいので、肩口などには毛布やブランケットをかけるようにしてみましょう。また、寝相が悪い人は、腹巻などをするのも効果的です。

4.日中は太陽の光を極力浴びるように心がける。
 朝、日の出前に起きる人は、部屋の明かりをなるべく明るくして、覚醒を促しましょう。また、日中は、なるべく太陽の光を浴びるようにしましょう。寒くて、外に出るのが億劫な人は、窓際の光でも十分なので、朝食や昼食を窓際で摂るようにするのもおすすめです!
posted by 夢は熟睡 at 00:00| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 快眠テクニック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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