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3歳の子かばった母、犠牲に…結婚式で滞在中

読売新聞 2月14日(木)9時26分配信

 「結婚式をあんなに楽しみにしていたのに」。米領グアム島の繁華街で12日夜に起きた無差別殺傷事件で、死亡が確認された日本人2人は、親族の結婚式のために現地を訪れていた。

 日本で待っていた親族らは、突然襲った惨劇に声を震わせた。事件を目撃し、13日に成田空港に戻った日本人観光客は「無我夢中で逃げた」などと、こわばった表情で語った。

 被害者が運び込まれた病院で通訳として支援にあたったグアム在住の峰岸睦子さん(72)が、亡くなった栃木県栃木市の杉山利恵さん(28)の親族から聞いた話によると、杉山さんは弟の結婚式のため、親族ら約20人とグアムを訪れていた。

 事件が起きた12日は皆で夕食を終えた後、親族が現場のコンビニ店「ABCストア」で買い物をする間、杉山さんと夫が子ども2人を抱いて店の外で待っていた時に、いきなり車が突っ込んできたという。

 米国籍のチャド・デソト容疑者(21)は車を出ると、近くにいた杉山さん一家に刃物で襲いかかった。

 8か月の乳児を抱いた夫と、3歳の子どもを抱いた杉山さんが、子どもたちをかばうようにしていたが、犯人が刺し続けた。子ども2人も頬などに傷を受け、3歳の子どもは手術を受けたという。

 杉山さんの夫は憔悴(しょうすい)した様子で、結婚式を予定していた弟らは「絶対に許せない」と憤っていたという。峰岸さんは「お母さんは子どもをかばったのだろう。日本人観光客で成り立っているこの島で、こんなことが起きるなんて許せない」と話した。

 杉山さんの祖母で、亡くなった栃木市の上原和子さん(81)の弟禎三郎さん(72)によると、12日夜、グアムに同行した和子さんの三男から電話で、和子さんと杉山さんが刺されて重体だと伝えられた。禎三郎さんは「信じられなかった。結婚式をあんなに楽しみにしていたのに」と言葉を失った。(グアム=井上陽子)

最終更新:2月14日(木)9時26分

読売新聞

 

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