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<悪質自転車>ルール違反に講習義務付け 道交法改正試案

毎日新聞 2月14日(木)10時57分配信

 警察庁は14日、自転車の路側帯通行を道路左側に限り、悪質なルール違反を繰り返す自転車利用者に講習を義務付ける道路交通法の改正試案を公表した。実現すれば、全国の道路約120万キロのうち約100万キロで自転車の右側通行は禁止される。また、車やバイクの無免許運転の罰則強化や免許取得・更新時にてんかんなどの病気申告を促す制度改革も盛り込んだ。

 警察庁は今後、国民からの意見(パブリックコメント)を募った上で改正法案をまとめ今国会での成立を目指す。成立すれば飲酒運転を厳罰化した07年以来の大幅改正となる。

 路側帯は、歩道のない道路の端を線で区切った部分。現在は法律上の規定がなく自転車の双方向通行が可能なため、正面衝突やすれ違い時の接触の危険がある。試案は、路側帯を自転車が通行する場合、「道路の左側部分に限る」と新たに規定した。右側通行の罰則は3月以下の懲役か5万円以下の罰金。

 国土交通省によると、歩道のない道路は全国に約100万キロ。残る約20万キロには歩道や自転車歩行者道があり、今回の規制は対象外とされる。

 講習の義務付けは、信号無視や酒酔い運転などで繰り返し取り締まりを受けた人が対象で、各都道府県の公安委員会が受講を命じ、従わなければ罰金刑を科す。免許制度のない自転車に講習制度を導入するのは初めて。警察庁はルールの無理解や順法意識の欠如が違反の温床とみており、講習は▽事故原因についての討議▽被害者遺族の手記の朗読−−などを想定している。

 一方、車やバイクについては、無免許運転の罰則を「1年以下の懲役か30万円以下の罰金」から、「3年以下の懲役か50万円以下の罰金」に引き上げる。昨年4月に京都府亀岡市で通学途中の児童ら10人が死傷した事故のように、無免許運転は重大事故を招く傾向があり厳罰化を図った。

 無免許運転すると認識しながら車を提供した人にも罰則を導入。運転者と同等の悪質性があるとして「3年以下の懲役か50万円以下の罰金」を科す。無免許を知りながら運転を依頼した同乗者は「2年以下の懲役か30万円以下の罰金」とする。

 また、統合失調症やてんかんなど運転に影響する恐れのある病気を持つ人を免許の取得・更新時に把握する仕組みを拡充する。書面の質問に答える形で症状の自己申告を求め、虚偽申告には「1年以下の懲役か30万円以下の罰金」を科す。医師が「安全運転に支障を及ぼす恐れがある」と判断した患者については、診療情報を公安委員会に提供できる制度も設ける。

 試案に関する意見募集期間は15〜28日。「パブリックコメント」と明記の上、電子メール(koutsukikakuka@npa.go.jp)や郵送(〒100−8974警察庁交通局交通企画課法令係)、ファクス(03・3581・9337)などで受け付ける。【村上尊一】

 ◇道交法改正試案の骨子

・悪質な違反を繰り返す自転車運転者に講習を義務付け、従わない場合の罰則を検討

・路側帯は双方向から左側通行に

・無免許運転の罰則を「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に引き上げ

・無免許運転者に車を提供した者に「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」の罰則を導入

・運転免許取得・更新時に持病の症状を虚偽申告した場合の罰則を導入

・運転に影響を及ぼす症状のある患者の情報を医師が任意で届け出る制度の創設

最終更新:2月14日(木)13時7分

毎日新聞

 

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