◇具体策なく混乱も

　東京都八王子市内に２店舗を展開する会員制美容サロン「リビラブ」が昨年１２月に突然閉店し年会費などの返還を求める声が相次いでいる問題で、運営する「ハートサービス」（山梨県大月市）の小俣洋市代表（４８）が毎日新聞の取材に応じ、会員が前払いしていた年会費や事業への出資額の総額が約６億１５００万円に上ることを明らかにした。小俣代表は「すべて返金する」などと説明したが、具体的な見通しはない模様で混乱は続きそうだ。【藤沢美由紀】

　小俣代表は今月８、９の両日に計４回、八王子市内のホテルで会員向けの説明会を開催し、終了後に取材に応じた。それによると、八王子市と長野市の計３店舗の会員約１０００人が年会費として前払いしていた計約３５００万円については、５月末までに返金するとしている。約１４０人からの出資計約５億８０００万円は、長期間かかっても元本は返金するとした。出資者の大半は美容師で、多い人では５０００万円に上るという。

　また、仕入れ業者への支払いも約６０００万円が滞り、従業員の未払い賃金が約１８００万円あるとした。

　小俣代表は、経営難に至った理由として、従業員の待遇確保や事業の拡大などを挙げた上で「会員には心痛をかけて申し訳ないがハートサービスは倒産させない。以前手掛けていた広告事業を再開させて費用を捻出し、返金を最優先する」と説明した。

　９日にあった説明会では、小俣代表が返金を約束する念書に押印し会員に手渡す場面も。しかし出席者からは「法的根拠のない念書をもらっても信用できない」「数カ月で返金は無理では？」と批判や質問が相次いだ。

　リビラブは女性専用でマッサージやエステなど多彩なメニューがあり、会員は年会費を前払いしてサービスを利用する。昨年１２月１７日に突然閉店して以降、電話もつながらない状態が続いていた。