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リンゴ園の豪雪被害拡大に危機感
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弘前市弥生地区の園地では、幹が真っ二つに裂けたリンゴ樹が無残な姿をさらしていた=6日午前11時半ごろ |
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2年続きの豪雪に見舞われている津軽地方。特に今冬は昨冬を上回るペースで雪が降り続き、各地でリンゴ樹の幹・枝折れ被害が発生、農家に危機感が広がっている。弘前市は6日、農家が早急に園地で雪害防止作業に取り組めるよう、例年より2週間、昨冬より4日それぞれ早く、幹線農道の除雪を始めた。今後の降雪によっては昨冬を上回る被害になる恐れもあり、農家は、雪に埋もれた枝の掘り起こしなど対策を急いでいる。
岩木山東麓の弘前市弥生地区。地元のリンゴ農家、葛西康憲さん(50)の約40アールの園地は6日、1.5メートルほど積もった雪にリンゴ樹の枝が埋まり、雪の重みに耐えきれずに幹や枝が折れていた。
「この園地で無事な木は一本もない。(被害の大きい)幹折れの木は3割以上あるのではないか」
葛西さんはそう言って表情を曇らせた。
3カ所、計1.5ヘクタールの園地でリンゴを栽培する葛西さん。ほかの2カ所は早めに樹上から雪を下ろしたため被害は少ないが、県道から岩木山の山頂側へ数百メートル入った高台にある園地へは雪が深く、なかなか歩いて行けなかったという。ようやく園地に入れたのは1月下旬。既に大半の木の幹や枝が裂けていた。
弘前市が1月29、30日に市内36園地で行った調査では、幹折れ5本、枝折れ12本が確認され、幹折れ3本だけだった昨年同期の被害を上回った。弥生地区の積雪は150センチと昨年同期を30センチ上回り、今冬の雪の多さが裏付けられた。
県が昨冬実施したリンゴ雪害調査で、同市は県内市町村で最悪の約34億4100万円の被害があった。葛西さんの園地では昨冬、目立った被害はなかったというが「今年の減収は間違いない」。
既に樹上の雪下ろしを終えた葛西さんだが、これからは雪の沈降とともに枝が引っ張られて折れる被害を防ぐため、雪の中から枝を掘り上げる作業を急がなければならない。
穏やかな天候に恵まれた6日。葛西さんは両親と共にスコップで枝を掘り上げながら「これ以上の被害は食い止めなければ」と力を込めた。
リンゴ農家の雪害対策を後押しするため、弘前市は豪雪だった昨冬より4日早め、6日から幹線農道の除雪に着手した。今月中旬までに総延長133キロの主な幹線農道で除雪を完了させる予定。市農村整備課の小山博文課長補佐は「枝が雪の中に埋まっている園地がまだある。今後の枝折れ被害を防ぐためにも、早めに園地に入って対策を進めてほしい」と話した。
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