ちば経済:県人口、2年連続減少 前年比0.21% 「自然減」拡大も影響 /千葉
毎日新聞 2013年02月14日 地方版
今年1月1日現在の県内人口が前年同日比0・21%(1万2982人)減の619万3352人となり、2年連続で減少したことが、県の調査で分かった。比較可能な統計がある1960年以降、初めて人口減に転じた昨年に続く減少。減少幅も死亡数から出生数を引いた「自然減」が増加した影響で、2289人拡大した。【田中裕之】
県統計課によると、転出数から転入数を引いた「社会減」は9318人と、前年より852人減少。しかし、自然減は3664人で前年より3141人増え、全体の減少幅を拡大させた。
人口が減少した市町村は、松戸市(減少人数2226人)▽市川市(同1757人)▽浦安市(同1340人)▽我孫子市(同1230人)▽銚子市(同1124人)−−など45市町村。一方、増加したのは、船橋市(増加人数2246人)▽印西市(同1574人)▽流山市(同1105人)▽千葉市(同694人)▽木更津市(同586人)−−など9市にとどまった。
県は昨年8月、12年元日の人口が前年同日比で減ったことについて、液状化や放射性物質汚染などによる風評被害で県外からの転入者が著しく減ったことが要因との分析結果を公表。今回は社会減がやや改善した一方、自然減の増加が際立った。
県統計課は「自然減は元々の少子化も影響しているが、子供を産む若い転入者が減れば、出生数も減っていくのは自然。引き続き転入者を増やす施策が重要になる」と話している。
◇松戸市、転出入者調査へ
最も人口減少が著しかった松戸市は、原因の把握に向け、転出入した市民約6000人を対象にアンケートを行うことを決めた。「転入者の傾向を含め、人口減少の原因を把握することで、今後の対策を講じていきたい」としている。
同市は東京都心に近いベッドタウンとして人口が増加。県内では千葉、船橋に次ぐ3番目の多さだ。2年連続で減少した県と同様、同市も11年の1年間で1546人が減少し、12年の1年間では減少数が680人増と拡大。今年1月1日現在の人口は、11年同日比で3773人減の48万294人だった。