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「PG」関節リウマチ緩和に効果
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機能性素材として美容・健康分野で注目されるサケ鼻軟骨由来の糖タンパク質「プロテオグリカン(PG)」の効能を研究している弘前大学大学院医学研究科感染生体防御学講座は、PGが関節リウマチの症状緩和に効果があることをマウスの実験で突き止めた。
同大のこれまでのマウスを使った研究で、多発性硬化症や炎症性腸疾患にも症状緩和効果が認められており、同講座の中根明夫教授(副学長)は「PGを飲むことで、全身の炎症を和らげる効果があると考えられる。生体に由来し副作用がないので、広く一般の人に使ってもらえるように研究を進めていきたい」と話している。
関節リウマチは、病原体から体を守るリンパ球などの免疫細胞が異常に活性化し、自分の体を攻撃する自己免疫疾患。関節の滑膜が攻撃されることで炎症が起こり、手指や膝など全身の関節に腫れや痛みが生じる。
実験では、マウスに関節リウマチを発症させる物質を注射。注射をした日(発症前)から48日間、毎日2ミリグラムのPGを飲ませたところ、飲ませなかったマウスに比べて手足の関節の赤みや腫れが抑えられた。関節の骨や筋肉などの組織の状態も、炎症のないマウスに近い状態に保たれた。
細胞を調べると、PGが炎症を起こす要因となるタンパク質サイトカインの産出を抑え、症状を緩和していた。メカニズムは解析中だが、PGが腸管を刺激することで腸内細菌の生態系が変わり、全身の免疫に作用すると考えられるという。
中根教授は「PGの作用は緩やかで、病気を完全に治療できるものではない」とした上で、「日ごろからPGを取り入れることで、疾患の予防や症状軽減に役立てられるのでは」と話している。
研究は、文部科学省の地域イノベーション戦略支援プログラムに選定された事業の一環。1月に同大で開かれた弘前医学会で、同講座の吉村小百合機関研究員が研究成果を発表した。
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