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2013年2月13日(水) 東奥日報 ニュース



■ ホタテ養殖の功績、道徳教材に

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副読本を手にする工藤さん。「助け合うことの大切さを子どもたちに感じてほしい」と話す
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 日本で初めてホタテ養殖を成功させた平内町の工藤喜代作さん(87)。密植や大量へい死など壁にぶつかりながらも、良質なホタテをつくることに尽力したその功績が、新年度から県内中学校2年生用の道徳の副読本で紹介されることになった。工藤さんは「自分の力が、友達など誰かのために役に立つんだということが(子どもたちに)伝われば」と話している。

 工藤さんが漁業者仲間とともにホタテ養殖に成功したのは1961(昭和36)年。それまで同町の漁業者はノリ養殖で生計を立てていた。しかし、狭い範囲に大量に養殖する密植が原因で、ノリが育たなくなる赤ぐされ病が発生。工藤さんは、このままではノリ養殖の先は長くないと感じ、ホタテ養殖に挑戦することを決意した。

 養殖が軌道に乗り始めた75年、ホタテの大量へい死が発生。多くの漁業者が原因として高水温を挙げた。しかし工藤さんは、漁業者たちが高値で売れるホタテの収穫量を増やそうと密植したことも一因だった−と振り返る。

 「漁場は一つしかないので、漁業者は運命共同体」と、言葉に力を込める工藤さん。「個人的な欲望でルールを守らない人がいると、みんながダメになってしまう。そこが、道徳教育とつながるのではないか」と考える。

 副読本を編集した県郷土資料編集委員会によると、中学生に漁業や農業に目を向けてもらいたいとの思いから採用が決まった。郷土の偉人として取り上げられるのは亡くなった人物が多く、存命の人は珍しいという。「副読本に載ると知ったときは、冗談だと思った」と笑う工藤さん。「助け合うことの大切さを感じてほしい」と、中学生にメッセージを贈った。

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