以下は九十郎さんの作品です。転載は不可です。改名や改題をした上で転載することを固く禁じます。
タイトル : 続・弟慕日記
作者 : 九十郎

1.
やあ、みんな元気だったかい?
俺が誰だか分かるかい?そう・・姉貴にいいように振り回された健二です。
前回は、俺の話を聞いてくれてありがとう。
けっこう共感してくれた人がいてくれて嬉しかったよ。

え?あれからどうなったって? 姉さんとうまくいったのかって?
まあまあ・・そう慌てなさんなって。
物事には順序ってモンがあるんだから、ゆっくり喋らせてくれよな。

え〜とまずは・・・
今、俺はどこにいると思う?
実は、ここは病院なんだよね。
入院患者は俺自身・・・入ったのは3週間前。
ちょうど姉貴が帰ってくる、その当日にやっちゃったんだよな。
その日、姉貴の帰りをじっと待てずに、空港まで迎えに行こうとしたんだ。
俺は焦ってたんだろうなぁ・・バイクのスピードを上げすぎちゃって、カーブを曲がり損ねて、吹っ飛んじゃった訳。
左大腿骨骨折及び、左上腕骨剥離骨折で、全治2ヶ月・・・
そして友人から借りたバイク、またまた全損・・・併せて、またまた借金が増えちゃった・・トホホ。
笑ってもいいぜ・・間抜けなのは充分分かっているから。

あともうちょっとだったのに・・・1つの部屋の中で、姉貴と一緒に過ごせていたのに・・
でも俺が入院したのを聞いて、真っ先に来てくれたのは、姉貴だったんだ。
出張から帰ってきたばかりなのに、直ぐにすっ飛んできてくれたそうだ。
麻酔から醒めた時、一番最初に見たものは、涙でぐしゃぐしゃになった姉貴の顔だったんだ。

「ごめんね・・ごめんね健二・・私が悪いのよ・・私があなたをこんな目に合わせてしまったんだわ・・」
俺の為だけに泣いてくれている姉貴・・・胸に熱い気持ちがたぎった。
「泣くなよう姉ちゃん・・・これは俺が全部悪いんだよ・・・待ちきれなかった俺がドジなんだから。」
「ウン・・ウン」
ハンカチを握り締めて、顔を覆う姉貴・・・こんな時になんだけど、凄く可愛らしい仕草に不覚にも立っちゃったんだ。
でも正直良かったぁ〜と思ったね・・もしアレがダメになっちゃったら、俺は速攻で自殺をしちゃうだろうな。


2.
それからというもの昼間は母さんが、そして夜は姉貴が交代で見舞ってくれてるんだ。
俺が入っている部屋は、6人収容の大部屋(一番安い所ね)なんだけど、姉貴は、そこでも大人気になってしまったんだ。
まあ・・いつものコトだけどね。

「おいおい、何だよ君の姉さんは・・すっげえ可愛いなあ。」
「なあ、あんな美人が君の姉さんだって?・・羨ましい限りだなぁ・・毎日見舞ってもらってさぁ・・優しいんだな。」
「この前は、お見舞いの品を頂いちゃってさあ・・嬉しかったねぇ・・ホントよく気が付く人だね。ありがとうって言って
おいてよね。」
等々・・一緒に部屋にいる患者さんから、こんな言葉ばかり頂いてしまっているんだ。
この前なんか、姉貴見たさに、遠くにある別館からも患者さんが来たぐらいだ。

「竹内結子に似ているかなぁ?」
「それは安く見すぎだ・・俺は、小雪だな。」
「いや、それよりも、本上まなみだよ、絶対・・」
「そうそう、それがピッタリだな。」
「いやいや待て・・俺はだなモー娘の・・」

しばらくすると、バカバカしい野郎たちの会話が、俺の周りで繰り広げられた。
聞いてみれば、姉貴が芸能人の誰に似ているか・・その似たタイプの当て合いをやっているとか。
ヒマな病人さんたちだ、しっかり病気を治せよ・・まったく。
しかも、全て的外れだ・・一体姉貴のドコを見ているんだ?

ここまで姉貴の体形について何1つとして言ってなかったけど、とにかく背が高いんだ・・俺と、どっこいだから、
177〜8かな?・・当然、脚はすらりと長く、腕もそうだな・・一目でみんなの注目を浴びるほどの特大スレンダー体形。
だから、ズバリ「石川亜沙美」が正解なんだ。
本上まなみも捨てがたいけど、まだほんの少し幼さが残る分こっちかなと思うんだ。
まあ、早い話、俺がファンなんだ・・この際どうでもいい話だな・・ははは。

しかし・こうなると、またまた以前のようなヘソ曲がり的な根性が頭を持ち上げてきそうになった。
綺麗な姉を持つ弟、しっかり者で優しい姉を持つ弟ってな定冠詞がついて回ったからだ。
いや?でもこの場合は、凄い独占欲に駆られただけなのかもしれないな。
姉貴は俺のものなんだ・・誰も邪魔するな、俺たちはお互いちゃんと気持ちも確かめ合ったんだ・・・
うん?あれ?どうだったっけ?

よく考えてみると・・はっきりと姉貴の口から、告白されてはいないんだっけ?
入院当初に泣いて詫びていたけど、好きだとか、愛してるとか、一緒に居たいってな言葉なんか聞いたこと無いなぁ・・
って何してるんだ?俺は・・ホントバカかぁ?
でも、どうやって聞こう?俺はまだ動けない・・周りは人だらけ(うじゃうじゃと5人も姉貴の周りにいるわ。)だし、
さてどうやって聞こうかなぁ??



3.
そうこう考えている内に入院4週間目を迎えた。
折れた脚のリハビリが始まった・・・昼間は母親が付きっ切りで面倒を見てくれた。
それから4日経って、俺は、ほんの数mだが、自力で歩けるようになってきた。
そりゃあね鍛え方が違うってことだよ・・それに早く歩けれるようになんないと、姉貴との時間が作れないからだ。
行動範囲ってのを広げれないと、この病院では、満足に姉貴と2人きりにはなれないからな。
左腕の方は、遅々として動かせない・・・まあいいか、まずは歩く事の方が先決なのだ。

それから数日後の日曜日、俺はいつものリハビリを終えて、自室のベットに戻った時、俺の枕の下に1冊のノートが
挟まれていた。
「日記」と記された青い表紙が目に入ったのを見て、思わず叫んでしまった。
「待ってたよ姉ちゃん。やりぃ〜!」
周りの人たちが一斉にこっちを向いた。
「なあ健ちゃん・・お姉さんなら、さっきお母さんと一緒に帰られたよ・・なんだい逢わなかったのかい?」
「あ?ああ、2人ならさっき逢いましたから、すみません大きな声を出してしまって。」
おお、イカンイカン・・俺が焦るとロクなことにならないからな、ここは心を鎮めなくては・・・

しかし流石は姉貴だな、頃合を見て、ちゃんと連絡手段を作ってくれるなんてさ・・。
さあ・・心して読みましょうか。

『健二へ・・・だいぶリハビリも進んできて、徐々にではあるけども、歩けるようになってきましたね。
私も嬉しくなってきます。このまま順調だと、来週にも退院かもって先生が仰っていました。
そうなると以前貴方と約束していたコトを果たす時がやってくるのですね。
普段はいつも周りに人がいて、ちゃんと話せないのだけれど、私はいつも、健二が大好きって言いたいの。
このノートになら、その思いを全部あからさまに書けます。
貴方も、おそらくそうなんだろうなと思ってますけど・・どう、当たってる?(笑)
そろそろ、何か云いたそうな顔をしてたものね。
だから、退院のその日まで、このノートで交換日記を行ってみようかと思います。
貴方も、何か私に伝えたい事とか、して欲しい事があったら、ドンドン書いていってね。
私も、ちゃんと返事を書きますから・・・それではまた。』

やっぱり俺と姉貴は血が繋がっているんだな。
俺の気持ちを全部理解してくれている・・俺も、そろそろ姉貴が何かしてくるって思ってたし・・以心伝心か。
その日から、長い夜は、このノートに字を埋める作業と、それに対しての姉貴の返事を読んだりして、そして
一番の楽しみは、その内容から想像逞しく脳裏に描く事だったんだ。

『貴方が好き』と書いてあれば、俺の胸の中で、頭を寄せる姉貴を想像し、
『嬉しい!』と書いてあれば、俺と舌を奪い合うディープなキスを想像した。
おいおい、えらく大人しいんだな・・って言うなよ。
あまりにも過激な想像すると、困るんだ・・男なら分かるだろ?
身の回りの世話をしてもらっているナースたちに感づかれると・・恥ずかしいから。
まだトイレで、ぶっ放すまでには足は回復していないんだ・・あ〜あ。

『姉ちゃんへ・・・
今日は、かなりの距離を歩く事ができたよ。
回復の度合いが、かなり速いようなんだ・・先生もびっくりしてた。
左腕の方も、脚ほどではないけれども、着実に動くようになってきているよ。
先生の話だと、来週の月曜日には退院できるってさ。
やったね・・喜んでくれるかい?
だからって訳じゃないけども、こうなると、もう何ら支障も無くて、ほとんど普段の生活と何ら変わりないんだよね。
当然退屈になってくるんだ・・・分かるでしょ?
いつもマンガを持ってきてくれてたけど、あれだけじゃ・・・ちょっと足りなくなってさぁ・・
でね、1つお願いがあるんだけど・・・どうしてもって訳でもないけどね。
ちょっと目の保養ってのを、したいなぁ〜って思ってさ。
姉ちゃんにさ、色んなファッションを、日替わりで着飾って欲しいなって思ってさ・・どうかな?
だって、もう1ヶ月半近くいるから、周りは白い制服ばかりで、もう俺、飽きちゃってるの。
ナース姿最高!って、ヤツは結構いるらしいけど、俺はちょっとダメだな。
退院まで、あと5日だから、だいたい2回か3回ぐらいかな?・・どうお願いできるかな?
姉ちゃんなら、何着たって最高だから・・俺はそう思ってるよ。
見せてくれたら、きっと夢にまで出てくると思うんだ・・そうすれば退屈もしなくて済むから・・
それじゃあ、今日はここまで・・。』

さらっと書こうと思うんだが、結局は、呆れるほどの執着心から、ねちっこい文章になっちまった。
「どうしてもって訳でもない」って書いておきながら、その後で、しっかりお願いって書いてりゃ世話ねえや。
その夜に姉貴が来た時に、ノートを渡したんだけど、ホント、姉貴の周りには、沢山の野郎たちが、くっついてやがる。
おいおい・・何で、関係ない医者まで来てるんだぁ?・・アホか。
こんなんだからロクロク、喋る事もできやしない・・・姉貴を独占できないのが悔しいぜ。

「それじゃ健二・・また明日ね。皆さんも失礼しま〜す。」
極上の笑顔で去っていった・・・俺と同室のやつらと一緒にしやがって・・健二だけでいいじゃんかよ、たく。
やつらのニヤついた顔に、ムカついた。
でも明日は、どうなるのかなぁ〜
きっと綺麗なんだろうな・・・でも他の野郎たちに見られるってのは、やっぱり嫌だな。
でも、俺の初めてのお願い事に、姉貴は応えてくれるのだろうか?
不安と興奮とで、夜、暗闇の中、まんじりとして寝れなかった。


4.
明けて次の日。
俺は、いつものメニューをこなして、母さんが用意してくれた靴を履いて、病院の周りを歩いてみた。
順調に回復してきたのを実感した。
そして、その午後・・21時をちょっと回った頃、待望の姉貴がやって来た。

「皆さん、こんばんわ〜どうもで〜す。健二、遅くなってゴメンね。」
かなり急いでいたのか、顔を紅潮させながら部屋に入ってきた。
「遅かったね。仕事?」
「う・・ん、まあちょっとね。一旦家に帰ってからだから、ちょっと遅くなっちゃった。」
走ってきたらしく、ちょっと息が荒かった。
「それに、ちょっと買い物もあったから、お見舞いの時間制限って22時まででしょう?
だから、焦っちゃったわ・・ホント、ゴメンね。」

「いやあ・・いいよ、そこまで謝らなくても、ちゃんと来てくれたんだから・・嬉しいよ俺は。」
心にも無い、優しい一言を言ってしまった。
内心は、イライラ、メラメラ・・遅い遅い・・って腹を立てていたんだ。
それに、服装も地味な黒のコートを羽織っていただけだったのも、ちょっと・・
やっぱり仕事柄、無理があったのか・・・かなり期待していただけに、ガックリだ。
でも、それでも来てくれた事で帳消しだ・・・でも一言、ガツンって言ってやりたい気分・・まあムリだけど。

「まあ、座りなよ姉ちゃん。その買い物って、俺にでしょ?」
「そうよ、マンガ雑誌と、お饅頭と、果物のバナナね。」
いつもと一緒だ・・まあいいか。
姉貴の後ろには、いつも人だかりができるのだけど、時間が遅いせいもあって今日は、誰も居なかった。
まあ、俺の前にいる患者さんがベットから半分起き上がって、こっちを見ているに過ぎなかった。
「それと、これね・・」
そう言って、椅子から立ち上がってベットに座っている俺の正面側に立って、こっちを向いた。
何か企んでいるような笑みを俺に見せて、ゆっくりとコートのボタンを外していった。
4つのボタンが外れて、襟を持っていた両手をゆっくりと広げていった。

「じゃ〜ん」
小さな声で、自己演出をして俺の前に、その中身を見せた(くぅ〜可愛いなぁ・・)。
やっぱり姉貴だぁ〜用意してくれていたんだ・・・嬉しくて俺は泣きそうになった。

そして、それはゴージャスでセクシーなドレス風なのを期待していた俺の予想を遥かに上回っていた。
真っ白な肌だけが、俺の眼に入ってきたんだ。
げっ?・・・は、裸?
い、いや、胸には水色模様のブラが・・・あっ水着か・・び、ビックリさせやがるぜぇ。
しかし、すっごい光景だぜ・・・
コートを広げている、その後ろで、間の抜けたツラをしてこっちを見ている患者がいるんだ。
何しているんだ?って思っているに違いないけど、何か面白くもあり、悲しく思ってしまったな。
だけど、この光景は俺だけのものだ・・おっさん、アンタには勿体無いぜ。

「今日のテーマは、常夏ハワイで〜す。どう熱くなってきた?」
小首を傾げて、にっこり笑う姉貴・・熱くならいでか!!
「お、おう・・熱いな〜、あ、あは、あはは・・」
ドギマギしたのが一発で分かってしまう喋り方・・・しまらないなぁ。

「寒さを吹き飛ばす意味で、やってみました。如何でしょうか?」
まるで安っぽい企画モノのビデオを観ている気分だ。
「姉ちゃん、ありがとう・・もういいからさ、その、なんだ、早く仕舞いなよ。誰かに見られたらコトだからさ。」
もっと見ていたい気持ちだったけど、後ろのおっさんが気になって仕方が無かったんだ。
だから俺は小さな声で、止めるよう促がした。

「何よう・・もういいの?やっぱり引いちゃった? 寒さを忘れるにはこれかなって思ったんだけど・・。」
「あのね・・ここは病院、全館暖房完備してる所だよ・・暖かすぎて、むしろ冬が恋しいぐらいなの・・分かる?」
姉貴の大ボケには呆れてしまった。
でも、目の保養にとっては最高だった。

「そういえば、そのようだわねぇ・・まあいいわ。健二、目の保養には最高だったでしょ? うふふ・・
さすがに、この時間帯だと、人がいないから露出しやすいわね。」
そう言って、俺の顔をマジマジと見つめた。
遅くにやって来たのも計算の上だったのか・・・あら、こりゃ参ったな。

そして、ゆっくりとボタンを掛けていく・・ああ〜お宝が消えていく〜
「それじゃあ、明日はもっと過激なファッションで来ようかな・・うふふ。」
口をすぼめて、目をくりくりさせて俺を見た。優しい光が瞳に宿っていた・・・
さすがに、それが姉貴の冗談だってことは、俺にも判った。

「今日は俺の頼みを聞いてくれてありがとう。本当に嬉しかったよ。その水着姿を見て、今日は幸せな夢が夢が見れそうだ。」
「そう・・それは良かったわ。じゃあ私はこれで帰るわね。ああ、そうそう忘れてた・・ノート渡しとかなくっちゃ」
一番大事なお土産は、それなんだよ・・なんてったって姉貴の返信が楽しみなんだからな。

「俺も1つ言っておくことがあったんだ。今日ね、靴を履いて病院の周りを歩いてきたんだ。」
そう言った途端、姉貴の顔が突然パァ〜と弾けるように笑顔が広がったんだ。
「そう!!やったぁ〜やったじゃないの健二・・・おめでとう。もう普通に歩けるようになったのね。」
そう言って俺の両肩をバンバン叩いた。
彼女の両目から薄っすらと涙が流れているのを俺は見てしまった。

その時、俺は胸の中に何か重いしこりの様なモノを感じた。
それは何なのだろう?
知っているはずなのに、なぜか判らなかった・・・いや思い出したくなかっただけなのかも・・・な。   

「それじゃあ、明日デートしよっか?健二。私も一緒に、この病院の探検をしたいわ。ねえ、いいでしょ?」
「あ、ああ、そりゃ構わないさ・・でも明日、早く来れるの?今日みたいな時間だと、OUTだよ。」
「大丈夫よ、心配しないで、明日は有給を取るから・・うふふ。」

そう言った瞬間、姉貴はベットの周りに備えているカーテンを手に取って、一気に引いた。
周りの景色が一瞬にして、紺色一色の闇に早変わりした。
そして・・・

俺の前に顔が近づいた、と思った瞬間・・唇が重なった感触を覚えた。
一瞬の出来事だったから、俺は不覚にも、目を開けたままだった。
「それじゃあ・・また明日ね。」
軽やかな声と共に、カーテンを開けて出て行く姉貴・・・
「あ、ああ・・・」
クチだけ動いたが、声は出なかった。
出口のドア前で、もう1度こっちを振り返った・・・いつものクセで、人差し指と親指を立てて、
ピストルの型を作って、俺の前で撃つ格好をした。
「思い出して、ぶっ放したらダメよ、いい?」
片目を瞑って、狙いを定めて・・パーンってクチが動いた。
そして・・いたずらっぽい笑顔を残して姉貴は病室から出て行った。

いつもの俺だったら、絶対に、感激、感動、衝撃等々の感想が出るところだ・・・だけど、今はなぜか気が重かった。
興奮して、ぶっ放すという余裕など、まったく無かった。
しこりが、俺の胸を押し潰す・・・不安と猜疑心が俺の心の中でシミになって広がっていく。

暗い気持ちで、姉貴との繋がりを持つ、そのノートを開いた。

『貴方が、このページを読んでいる時、おそらく、ちょっとした驚きを持って見ている事と思います。
お約束の衣装なんですが、気に入ってくれましたか?
健二がお気に入りのエロエロ路線(?)も考えたのですが、派手なだけのケバケバしい格好は、頭が悪いと思ったので、
できるだけシンプルに、そして可愛らしさをと考えていく内に、水着の衣装になっちゃいました(笑)。
でも、たまには頭の悪い女になってみるのも、刺激的かもしれないな・・じゃあ明日はどうしよっかな?
それから、貴方が全損させたバイクなんだけど、私が、ちゃんと処理しました。
ちょっと時間が掛かっちゃったけど、先方との話がやっと着いたので報告しておきます。
そこで、今度は私のお願いを聞いて欲しいの。
もう2度とバイクには乗らないって事を私に誓って欲しいのです。
あの時はもう生きた心地がしなかった。
もうこんな気持ちになるのは嫌だから、どうか止めて下さい。
それでは、また明日会いましょうね。』

はあ〜・・・・俺は大きく息を吐いた。
何となくではあるが、姉貴の心情が表れた文章だと思った。
優しくて、思いやりがあって・・そして責任感があって・・
だから、ちょっと憂鬱になった。
俺は短い文章で返事を書いた。
『分かった、もう2度バイクには乗らない。余計な仕事をさせてゴメンね。』
一気に書き終えて、天井の白い壁を見つめた。
また、ため息が出た。
『また明日会いましょうね』・・・か。


5.
翌日は、これ以上無いぐらいの快晴だった。
気温も昨日に比べて上昇して、良い具合のポカポカ陽気だった。
これなら外出しても心配はないな。

午後の1時を少し回った頃、姉貴が昨日と同じ地味な黒のコートを身に纏ってやって来た。
早速とばかりに、野郎たちが7,8人纏わり付いてきた。
お前らはハエか?うっとうしい奴らだ。
あっ!そうなると姉貴はウンコになるのかな?・・・ちょっとそれはマズイな。
しかし、ホント邪魔だ。

「あのぅ〜みなさん、私今日は弟のリハビリに付き合うために来たんです。ですから、ほんのちょっとだけ
ご遠慮願えませんか?後でみなさんの所にお邪魔させてもらいますから・・・」
深々とお辞儀する姉貴。
患者の野郎たち(1人医者がいたな)も、申し訳無さそうに苦笑いを作って退散した。
やっと2人きりになった。
こうなると、あいつらも残念だなぁ・・この地味なコートの下に隠された、お宝が見えなくてさ・・ふふ。

「さぁ〜そうしたら、私と一緒に歩こうか?ね、健二。」
「ああ、そうだね、今日は暖かくて良い天気だから、病院の周辺を回っていこうか。」
俺たちは直ぐに病室を出て、病院の近くの公園に向かった。
「今日は暖かくて助かったわ。うふふ・・」
「足の方も、痛みを感じないし、お天気様さまだね。」

俺たちは公園で、しばらく時間を潰した。
「なあ、姉ちゃん、俺聞きたい事があるんだけど、いいかなあ?」
「うん?なあ〜に?」
ブランコに腰掛けて、ゆっくりと漕ぎ出す姉貴。
「ひょっとしてさ、姉ちゃんは俺に対して何か責任感だけで行動してない?」
「え?何?・・変なこと聞くわねぇ〜」
きょとんとした表情で聞き返した。
「別に変じゃないさ・・だってさ、あの事故以来、姉ちゃんの俺に接する態度が変わってきているぜ?」
「私が、どう変わってきているって?」

俺は、胸の中に抱えていた不安を直接ぶつけた。
姉貴の俺に見せる愛情は、自分の仕掛けたイタズラから、真に受けた俺が引っ掛かって、その揚げ句に事故ってしまった
ことに対しての罪の意識から来る責任感なのではないか・・・と。
正直辛かった。
でも言わなくては・・2人が、ちゃんと向き合うためには、これは仕方の無い事なんだ。

一笑に付されたら、俺は終りだと思った。
たとえ少しでも怒ってくれたら・・・

「ちょっと病院へ戻ろっか・・うふふ。」
ちょっと笑って、座っていたブランコから立ち上がって、スタスタと病院の方向へ歩き出した。
さっき出てきたばかりなのに、もう帰るのか・・・あっちゃあ〜怒らせちゃったかな?

俺は、取り返しのつかない事をしちゃったのか・・足取りは病院に近づくたびに重くなる一方だった。
でも、怒ってるって事は、多少なりとも脈はあるのかも、と思ってはみたけど・・厳しいなぁ。
「ちょっと病室に戻る前に、外の景色でも眺めようか?健二。」
姉貴は、ふいに後ろを振り返って、俺に打診した。
「いいよ。このまま帰ってもしょうがないからな。」
俺に断る術など無い・・・

俺の病室がある5階に着いた。
姉貴は非常階段のある扉を開けて外に出た。
陽は高くにあり、風は無かった。
「良い陽気だわ・・今日はホント、ラッキーだわ。」
そこから見る景色は素晴らしかった。
向うに立ち並ぶビルの群れが良く見えた・・まるで外国映画の1シーンのようだ。

「ねえ・・健二、わたしね・・・」
向うにあるビルの群たちを見ながら喋り始める姉貴。
「あなたに対して、正直済まないっていう気持ちで一杯だったわ。
私のイタズラに振り回されて、揚げ句の果てには事故で入院でしょ・・もう、どうしようって思ったの。」

「でも、あれは俺が1人勝手に盛り上がって、焦ってしまったもんだから姉ちゃんは気にすることないんだぜ。
そもそもは俺が姉ちゃんの所から、勝手にお金をくすね取っていたのを窘める為にやった事なんだから・・」
「でも、やっぱりやり過ぎよね・・・」

『そうだよ・・』
とは決して言えない・・確かに、もっと別のやり方はあっただろうと思う。
自分の身体を使ってのイタズラはやり過ぎだと思うし、俺自身ももう限界ギリギリまで来てしまった。
でも、これ言っちゃあ、もう姉貴とのこれ以上の進展は無くなってしまう・・・今の俺には、そっちの方が辛いのだ。

「正直に言うとさ・・俺は、もうブレーキが利かなくなっているんだ・・判るでしょ?
姉ちゃんがやった事を、アレコレ考察するのは、もう関係無い事なんだ・・それよりも、これからの事をやる上で、
どうしてもクリアにしておきたい事があるんだ。」
俺は前々から思っていた事を姉貴に喋った。
姉貴は俺の事を正直どう思っているのか?
単に申し訳ない気持ちが出発点として、それ以降の行動の発露となっているのか?
もしそうだとしたら、ここらで終わらすのが、姉弟としての良好な関係が続けられるからベストではないか?
本心からではない関係終了宣言は、結構勇気がいった。

「あなたにしては、結構真面目な意見ね。」
俺を茶化すような一言・・・まだ俺を見ようともしない。
一陣の風が吹いた・・・姉貴の髪が大きく棚引いた。
「ちょっと考えてみてよ、あのノートの内容ってさ、結構リアルだったでしょ・・あなた何処まで信じたの?」
「そりゃ・・その、全部さ。」
「今は?」
「半分ぐらいかな。」
俺は姉貴の考えている事の意図を図りかねた・・・何が言いたいのだろう?

「Hな描写は、全て作り話だと思ってるのね?」
「最後にあんな告白があったんじゃあ、そう思うのは当然だろ?」
「うふふ・・・・そうね。」
意味ありげな笑い・・・・・まさか、本当?

「ざ〜んねん、全部作り話よ・・・ちょっと期待しちゃった?」
ちぇっ・・やっぱりな、そうそう上手い展開なんか無いわな、はん!
「私の創作力もまんざらではないわね・・・でもね、全部が全部そうじゃないんだけど・・・。」
「さっきから何が言いたいの?」
俺自身、さっきからよく判らなかったんだ・・。

「私ね、なぜあんな事をしちゃったんだろうって考えたの・・ひょっとして無意識に、そんな願望があったのかもしれない。
コトの最後で、ケラケラ笑ってやろうって思ってたその一方で、このままなるようになっても・・ってな気持ちもあったわ。
あのお風呂場での光景ね・・あれが決め手として、私の気持ちがはっきりしたの。」
鉄の扉の向うから、患者さんや、看護婦さん達の声が賑やかに聞こえてくる。
俺の耳は正常だ。

「姉ちゃん、それって冗談じゃあ無いよね?・・・俺にケガさせた責任感からの気持ちでは無いんだね?」
「ええ・・そうよ。」
少しはにかみながら、やっと俺の方を向いた。
我が思い通ずーーーーーー!!
でも、不思議と興奮せずに、凄く冷静な俺・・・どして?

「まだ、不信に思っているみたいね・・・も〜うしょうがないわね〜。」
そう言ってコートのボタンを上から順番に外していく。
次第に露わになってくる中身・・・・「あっ!」思わず後ずさりした俺。
白い柔肌が全面に広がっていた。
身に付けていたのは黒のガーターストッキングだけ・・・
ピンク色の乳首が堂々と上を向いていた・・立派な釣鐘型のおっぱいが目に入った。
どう見ても「痴女」にしか見えない。

「ね、姉ちゃん・・・何て格好してんだよ。」
暖かくてラッキーって、こうゆう事だったわけね。
「頭の悪い女を演じてみました。どう?興奮した?」
腰をくねらせて、両腕で胸を寄せる格好をする姉貴・・・た、たまんねえ〜!!

「うふふ・・私も信じれないわ、こんな大胆な事ができる自分がいるって・・」
「ね、姉ちゃん・・俺信じるよ・・うん。」
後で聞いたんだけど、この時の俺って、瞬きもせずに、大きく開いた目で、ずっ〜と姉貴を見ていたってさ。
姉貴の長〜い脚が、俺の頭から離れない・・これは今もなんだけどな。

「それじゃあ・・ノートと一緒の事をしよっか?」
え?・・・なになに?
戸惑う俺は、ただ突っ立っているだけだった。
姉貴は、俺に近づいて軽くキスをした。
そしてその時、両手でバントのバックルを外しにかかった。
チャックを下ろし、素早くズボンを下に落とした。

「私を見て、こんな山を造っちゃったの?うふふ・・・可愛い。」
トランクスの上から、手を押し付けられた・・揉んだり、下から擦ったり。
もう何週間かは、そのままの俺だったから・・・直ぐに硬くなった。
そして硬くなった茎を人差し指と親指で抓んだ。
「硬くなっちゃったようね・・・」
俺は息苦しくなった・・・興奮も次第に大きくなってきた。
これは夢じゃあ無いぞ!!

「ね、姉ちゃん・・・俺、俺・・」
俺は甘えるように姉ちゃんの胸に顔を埋めた。
そして、直ぐに姉貴の唇を重ねに行った・・するとあっと言う間に姉貴の舌が俺の舌を吸った。
姉貴の興奮もMAXだったに違いなかった。
「うふふ・・そろそろね。」
姉貴の両手がトランクスの両端をつまんで下に降ろした。
心地よい風を感じた・・・下半身が丸出しになっていた。

「やっぱりおっきいわねぇ〜」
これ以上は大きくならないまで誇張した俺のチンポ・・・ピクピクと小刻みに震えていた。
姉貴の目がキラキラと輝いていた。
袋を暫くの間揉んでいて、そのまま上の棒に移行していった。
指を下に向けたまま・・逆手のままゆっくりと扱き出していった。
「ふう〜ん・・んんんん〜」
俺の呻き声は、ちゃんとした声にならなかった。
扉の向うの賑わいが余計そうさせた。

「可愛い声よ、健二。うふふ・・」
猫なで声で、俺の首筋を舐める姉貴・・・いたぶられている俺。
でも幸せだぁ〜判るだろう?みんな。

もう一度キスをしようと顔を近づけた・・が、そこに姉貴の顔は無かった。
素早くしゃがんでいたのだ・・・俺のいきり立ったチンポの前に、トロ〜ンとした妖しげな目つきの姉貴がいた。
「ちょ・・ちょっと待って姉ちゃん。それは今は止めてくれよ。」
俺は慌てて、前を両手で隠した。
「な〜に恥ずかしがっているのよ・・今更。あなたもうギンギンじゃないの。」
ニヤニヤしながら俺の手を払おうとする。
ちょっと判ってくれよ〜俺はケガ人なんだぜ。
姉貴はすっかり人格が変わっちっまった・・これじゃあ唯の淫乱じゃないか。

「俺、ずっと病院生活だろ・・だから、その、判るだろ?」
「私は大丈夫よ・・健二気にしないで・・ね。」
にっこりと極上の笑顔で俺を見た。
涼しげな目元が、俺を説得させた・・・慈愛に満ちた表情ってのはこうゆう顔なんだな。

ツンとした臭いが俺の鼻を突いた。
ああ・・恥ずかしい。
「やっぱり臭いわねぇ〜うふふふ。でも悪くはないわよ。」
そう言って一気に呑込んだ。
ヌルっとした感触が背中に伝わった。
「ふぬ〜ん・・うんうんん・・」
実際さ、男って情けないもんだな・・・あまりの興奮に身体が動かないのさ。
姉貴の舌が茎に巻きついた。
そして頭が前後に振られた・・・凄い締め具合だ。
美形は得だ・・・だらしなく大きく開けた口に、俺のデカチンがすっぽり収まっているが、何といやらしくて可愛い表情
なんだろうって思った。
彼女に出会った全ての男性たちが、想像し果たそうと思った願望を今俺が体験しているのだ。
俺の前に跪く姉貴・・・・男の本能が全開になった。
跪く彼女の髪の毛を鷲掴みにして、ガンガンと俺の腰に押し付けた。
「うう〜ん、ふんふん・・」
苦しそうな声を漏らしながらも、しっかりしゃぶり続ける姉貴。

今、扉を開けられたら、俺達は一巻の終りだな・・・この興奮は最高だった。
だが、その行為も時間切れ寸前だった。
「姉ちゃん・・俺もうダメだぁ〜出そうだよう。」
「そのまま出しなさい健二・・お姉ちゃん飲んであげるから。」

「ああ〜もうダメだぁ〜・・で、で、で、出る出る出る・・ああ出ちゃう!!」
何度も姉貴の顔に腰を打ち付けた。
「ムゥ〜ンンン・・」
口に中で受け止める姉貴のうめき声。
暫く痙攣が止まらなかった。

「はあはあはあ・・こ、こんな気持ちのイイのは初めてだ・・」
「私もよ・・・健二」
行為が終わっても、暫く余韻が2人を包んでいた。

姉貴は、口の中から一本の陰毛を取り出した。
「うふふふ・・け〜んちゃん。激しかったわね・・もう鼻が痛いわ。」
「ごめんよ・・でも姉ちゃん、ちょっと人が変わったみたいで怖かったぜ。」
「何よ〜、あんただって怖かったわよ〜何も髪を鷲掴みする事もないでしょ?もう荒っぽいんだから。」
お互いに目を見合った。
プゥ〜!
思わず笑ってしまった・・・・それは、何のわだかまりも無く完全に打ち解けた瞬間だった。
俺達は、再び唇を重ねた。
「これからどうする?」
「そうね・・退院して家に帰ってからね。」
「ホント?」
「ええ、そうよ。」

短い会話でも、全てが理解できた。
もう他人には入らせないぞ、姉貴は俺だけのモノにしよう。

すっきりとした気持ちで、もう1度外を見渡した。
風が気持ち良かった。
「あっ、お母さんが来たわ・・お〜い、お母さ〜ん。」
その時入り口前まで来ていた母を発見して、手を振る俺達2人だった。


6.
姉貴は、いつもの感じで入院患者達を見舞った。
優しい笑顔は、その人たちの気持ちを和ませ癒した。
いつまでも尽きない会話・・姉貴の心遣いは完璧だった。
全身コートに包まれた立ち姿には、みんなボ〜と見つめていた。
確かに品のある風情だもんな・・・でも、その下はスッポンポンなんだけど・・・。

3日後、待望の退院許可が降りた。
期日は明後日だった。
俺は嬉しくて姉貴との交換日記にも、直ぐに書き綴った。
『明後日退院となったよ。
いよいよ俺の夢が成就する時が来たようだ。
まだ松葉杖を使わなければいけないけど、まあ普通に生活が出来るようだから、ちっとも不自由には感じない。
風呂もトイレも1人で何とかこなせそうだしね。
左腕ももう違和感も無くなったし・・
だから俺は、退院当日に思いを果たしたいと思ってるんだ・・いいだろ?』

翌日、姉貴は夕方過ぎにやって来た。
俺は退院の報告をした。
既に家に連絡が行っていて今更とは思ったが、俺は直接姉貴に報告したかったのだ。
「良かったぁ〜本当に良かったわ。おめでとう健二。」
満面の笑みで祝福してくれる姉貴・・・愛しい人よ。

「そうかぁ〜健ちゃんも、とうとう退院か・・・寂しくなるな。」
「何言ってんだい、健二くんの事よりも、お姉さんとの別れが辛いんだろ?」
「え?やっぱり判る?」
あははは・・・
部屋中に笑いが起こった。
俺は最後に世話になったみんなにお礼の意味を込めて、全員にジューズを奢る為に、階下の談話室にみんなを集めた。
みんなは名残惜しそうに寂しい顔、顔、顔・・・でも俺に向けてじゃない。
姉貴に集中するお礼の言葉の数々・・中にはプロポーズする先生もいた。
主役は俺だっちゅーの。

そして解散・・・姉貴も早々に帰宅の途についた。
ベットに戻ってみると、日記が枕元に挟まっていた。
パラパラっと捲ってみた。
今日書いた分の下に大きく「OK」の2文字だけが書き連ねていた。
俺は大きく息を吸い込んだ。

7.
翌日、退院した俺は直で家に向かわずに、バイト先に寄って挨拶をした。
当然クビだろうと思って、謝罪の言葉を考えていたのだが、どうもクビでは無かったようだった。
姉貴が一生懸命お願いしたという事を聞いた。
その上会社が休みの日には、俺の代わりに店に出て手伝っていたとも聞いた。
俺は不覚にも泣いてしまった。
姉貴の愛情は本物だった。
「なあ〜健ちゃんさ・・お前の姉ちゃん最高だな。俺はもう感動してさ、それでお前を待つ事に決めたんだ。
それに、お客の方も凄い入りになっちゃってさ・・・姉ちゃん見たさに連日大満員さ。
すっげえ、美人だもんな。それに気立ても良いしさ・・」
店長の姉貴への賛辞は尽きなかった。
最後には、姉貴に店で働かないかと誘ってみてくれと言ってきたが、俺は一言、無理だよって言ってやった。

俺は、その後家に戻って、夜まで寝た。
そして暫くして、凄く良い匂いが鼻をくすぐってきた。
俺は、その匂いで目が醒めた。
時刻は、8時を少し回っていた。

その日の夕食は盛大だった。
姉貴と母の2人が腕によりを掛けて、食卓一杯の料理を作ってくれていた。
家族の愛情に感謝・・優しい姉貴に感謝。
当然、一気に平らげた・・うっぷ。

ちょっと時間を置いてから、一番風呂を頂いた。
1ヶ月半ぶりの我が家のお風呂だ。
ゆっくりと時間を掛けて堪能した。
やっぱり冬には風呂が一番の極楽場所だな。

「ああ〜気持ち良かった。今日のお風呂は最高だったよ。」
俺は、開口一番に風呂を絶賛した。
「それは良かったわね・・・じゃあ次はあんたが入んなさい。」
母親が安堵した顔で、姉貴に次を勧めた。
「そう・・ね。そうするわ。じゃあ、お母さん後始末はお願いするわね。」
姉貴は、そう言って俺の顔を見た。
そして、ゆっくりと目で頷いた。

「それじゃあ、母さん、姉ちゃん、俺もう寝るわ。おやすみ〜。」
「そう・・今日はゆっくりと休むのよ健二。あんたは、まだまだケガ人なんだから、無理はダメだからね。」
母親の気遣いにちょっとばかり気が咎めた。
これから無理するんだけど・・ね。

それから1時間ばかり経過した。
姉貴の長風呂がそろそろ終わる頃だな・・・時刻は11時を過ぎた。
俺は、ゆっくりと静かに部屋を出て、姉貴の部屋に入った。
きちんと佇んだ机、ベットの上も整然と布団が惹かれていた。
何度も足を運んだ部屋だが、今日ばかりは違った雰囲気を感じる。
どうにも落ち着かない俺だった。
暫くして階下から姉貴の声が聞こえてきた。
「今上がったわ・・お母さんも早く入りなよ。」
「ええ、そうするわ・・今日はちょっと冷えたから、お風呂が恋しいわ・・あはは。」

他愛も無い会話が数分続いた。
俺は我慢しきれず、着ていたパジャマを脱いでしまった。
部屋の暖房を強にした。
そして数分・・・まだ上がってこない。
俺はトランクスを脱ぎ捨てた。
俺の相棒は元気に上を向いて反っていた。
暫く扱いた・・・・ちょっとイラついた。

その時・・・・
トントントン・・・階段から上へ上がってくる足音がした。
俺は勇躍立ち上がった。
そしてドアの前に立った・・・こんな光景以前にもあったけな?

足音は部屋の前で消えた。
そしてゆっくりとドアのノブに手がかかる音がした。
ガチャ・・
ゆっくりと静かにドアが開いた。
すると、姉貴をびっくりさせるはずの俺が、まず驚かされた。

そこには姉貴が俺と同様、全裸で立っていたのだ。
「あらぁ〜やっぱり姉弟ねぇ〜考えてる事が一緒だわ・・アハハ。」
「ホントだね。ああびっくりした。」
姉貴は会話もそこそこに直ぐに部屋に入った。
「今、母さんがお風呂に入った所だから、ゆっくりと楽しめるわよ。」
涼しげな目に赤みが増したような興奮気味の顔だった。
俺は姉貴の可愛い顔に堪らなくなってしまった。

「ああ〜姉ちゃん・・俺もうダメだ。」
姉貴の唇を直ぐに塞ぎに入った。
「私もよ・・健二。」
一直線にベッドになだれ込んだ。
そして何度も何度も唇を重ねた・・・自由の利く右手はふくよかで大きなおっぱいを揉み続けた。
「好きにしてもいいのよ・・健二。」
震える声で俺を誘う・・・
俺は、姉貴の花園を目指した。
舌は花びらを捉えて離さなかった。
指でクリトリスを刺激する・・そして舌を出して洞窟の中に突刺した。
「ああ〜ん・・あんあんあん・・き、気持ちイイわ・・健二上手ね・・お姉ちゃん気持ちイイわ。」
舌がふやけるほど舐めまくった。
クリトリスへの刺激も断続的にやった。

「はああ〜ん・・サイコーよ、あなたこれで何人の女の人を泣かしてきたの?」
俺は一切答えずに、ただひたすら奉仕し続けた。
「ああああ〜ん、もうダメ、イキそうよ、もうイキそう・・はあはあ・・はあああ〜ん。」
白目を剥いて悶える姉貴・・・こんな感度の良い女性は初めてだ。
「ああ〜イク、イクイクイク・・イッちゃ〜う。」
あっと言う間に絶頂に達した。
「はあはあはあ・・・ご、ごめんね、勝手にイッちゃって・・今度は健二の番ね。」
姉貴は、俺を下にして、即座にフェラを始めた。
吸ったり、弾いたり、裏スジを丹念に舐めたり・・・あらゆるテクニックを駆使した。

「姉ちゃん・・俺もう・・」
「お姉ちゃんの所に入れたいの?」
「うん。」
姉貴は俺の上で腰を沈めた。
ズン・・そんな圧力を感じた。
「ああ〜健二・・おっきいわ・・硬いわ。」
「姉ちゃん、とうとう俺達、やっちゃったんだな。」
禁断の扉は全開になった・・・しかし何なんだろう、この甘美な快感は。
今まで何人もの女性とSEXをしたが、今だこれほどの快感を感じた事は無かった。
これほどまでに肌が合う女性とは会った事が無かった。
姉弟だから当然か・・濃い血がそうさせるのかもしれない。
神が禁じたのも無理は無いのかもしれない・・・こんな気持ち、他では得られないからな。

身体の自由がまだそれほど利かない為、姉貴は騎上位で応対してくれた。
艶かしい肢体が、くねくねと踊りだす様を下から鑑賞した。
「ああ〜ん・・イイわ・・イイわよ健二・・ああ〜ん最高よ!」
姉貴の甘えるような声に俺も我慢が出来なくなってきた。

「ね、姉ちゃん・・俺、動きたい。」
「ええ?健二、大丈夫なの?」
「ああ・・」

俺は左足を伸ばしたまま、姉貴を後ろ向きに抱っこする形になった。
そして腰を突き出して姉貴を向かい入れた。
「ああ〜当たるわ・・もっと深くちょ〜だい。」
そのまま俺は起き上がって、バックから姉貴を突きまくった。
「ああん・・あんあんあん・・」
俺が突く度に、甘く切ない声を上げる姉貴・・もう止まれない。

「ああん・・イキそうよ。け、健二の顔を見ながらイキたいわ。ねえ・・いいでしょ?」
俺は、直ぐに向き合った。
「姉ちゃん・・俺もイキそうだ・・ああ気持ちイイ・・」
俺の腰もオーバーヒートしていた。
「ああ・・も、もうダメだぁ・・イク、出る・・出る出る・・ああ〜・・・」

「ああ〜健二、そのまま来て・・私の中に思いっきり出してぇ〜」
「ああ・・ね、姉ちゃ〜ん・・出る出る・・おお〜ん!!」

俺は姉貴の中に思いっきり吐き出した。
何という快感なんだ!

暫くは、あまりの快感に身動きできなかった。
「姉ちゃん・・ありがとう。良かったよ。」
「私も、もうトロけそうよ・・あっ!トロけちゃったみたい・・うふふふ。」
そう言っては、何度もキスを重ねる俺達だった。

「今、俺達って抱き合ってるだろ?・・以前俺が言ってた事覚えてる?」
「SEXが終わっても、離れずに抱き合っているのは、女に対して男が愛情を持っている証拠だ・・でしょ?」
「うん・・そうだね。肌が合う2人だからこそ、うっとうしくも無く抱き合えるんだよね。」
「私達って相性が良いのかしらね。」
「勿論、そうだよ・・でも、これからどうしよう・・このままではダメだしな。」

俺の不安は、まさにその1点だった。
姉貴との生活がこのまま上手く行く保障など何処にも無かったからだ。
「大丈夫よ・・健二。あなたが立派に大学を卒業して独り立ちしたら、部屋を借りて、2人で一緒に暮らしましょ。
最初の内は、私が面倒みるから心配しなくてもいいわよ。」
姉貴は明るい口調で、いきなり突拍子の無い事を口走った。

「そんなの無理だよ・・第一両親が認める訳無いし、何時までも誤魔化しきれるものじゃないしさ。」
「大丈夫よ、どこか遠くで暮らせばいいんだから・・ね。」
「そ・・そんなぁ。親を捨てろってか?・・バカな。姉ちゃん気は確かか?」

頭脳明晰で心優しい姉貴からは想像もできないような発言が続いた。
禁断の実を食べた姉貴は、そのまま悪魔に心を奪われたのだろうか?

「バカねぇ〜何も親を捨てるなんて言ってないわよ・・親は認めてくれるわよ。ちゃ〜んとね。」
「そ・・そうか?」
「私ね、この近いうちに東京への転勤があるはずなのよね・・今度新しい支社を設立する事になって、そのスタッフの一員
としてね軌道に乗るまでの数年間、出向する事になりそうなの。」
「へぇ〜出世の第一歩だね。」
「まあね・・社長も認めてくださっているし、ここらが勝負かな・・ってね。」
「それで・・遠くで部屋を借りてか・・あはは、なるほどね。」

そうすると俺は、就職するなら東京へってか?
しかし、そうなると、あと2年は先の話だな・・その間はどうするの?
「休みを利用して、何回か泊まりに来れば良いだけよ・・ちょっと不便だけどね。」

「夢の2人暮らしかぁ・・・良いなあ。」
「私ね将来は健二とずっと暮らしていきたいと思ってるの・・ちゃんとした家庭を作ってね。」
「え?」
「健二の子供を産みたいの・・・判るでしょ?」
「判るよ・・俺も一緒の気持ちだよ。」
でも言葉とは裏腹に、背中に冷たい感覚を覚えた・・・ど、どうするんだ?

さっきの姉貴への中出しがそうだったように、姉貴の気持ちは固まっているようだ。
こんな事をやり続ければ、いずれ子供は出来るはずだ。

「心配しないで、今はそんな気は無いから・・まだ仕事も始まったばかりだから、あと2年は我慢しなきゃ。」
「なんだぁ・・今回は安全日だったんだね。」
ちょっとばかりホッとした俺だった。

俺はもう1回催促した。
姉貴は快く応じてくれた。
フェラからパイズリへ・・最後は、俺の腕の中で悶えた。
そしてフィニッシュは顔に決めた。
心地よい笑顔が白く汚れて、とても印象的だった。



8.
俺は自分の部屋に帰って、直ぐにベットに潜り込んだ。
心地よい疲労感が全身を覆った。
それから何時間経ったのだろうか・・俺はこそばゆい感覚が下半身に覚えた。
昨日からの続きか・・・・なんという心地よさだろう。

ゆっくりと夢見心地から醒めてきた。
ゴソゴソと掛けている毛布がうごめいているようだ。
こそばゆい感覚は、どうやらフェラをしてもらっている感覚だと判ってきた。

一度決壊したら、後はもう駄々漏れなんだな・・・昨日2発決めたのに、朝から、もう催促かよ・・
しかし、絶妙な舌使いだな・・
いかんいかん・・もう充血してきた。
「なあ、姉ちゃん、俺堪んなくなっちゃった・・ああ〜気持ち良いよ。」
俺は毛布を勢い良くひっぺがえした。

俺は間違いなく3秒は心停止したと思う。
その時、俺の股間に顔を埋めて、一心不乱にフェラをしていたのは・・な、何と・・

「か・・母さん。な、な、何やってんだよ!!」
しかし、俺の問いかけにも耳を貸さず、ひたすらにペロペロと、しゃぶり続ける母親。
左足が痺れて動かない、左腕も同様だった。・・・俺はされるがままの状態だった。
「や、止めてくれよ母さん・・ああ〜くっ・・止めろ!!」
俺は必死に抵抗した。
実の母親に朝から犯されるなんて・・オゾマシイ限りだ。
ジュル、ジュル・・ジュポジュポ・・ングング・・
美味しそうに俺のチンポをしゃぶり続ける母・・気でも狂ったとしか思えなかった。
俺は腰を左右に振って、何とか母親の口を弾いた。

「健二、あんた昨日お姉ちゃんとやっちゃったでしょ?」
いきなり核心を突く言葉が俺の身体を貫いた。
「え?な、何言ってんのさ・・そんなバカな事あるわけ無いだろ。」
動揺ありありの嘘の一言・・・さっき姉ちゃんって言っちまってるから、もうバレバレなのにな。

「あの子の声が響いたんだよ・・まったく無防備にも程があるよ。もし父さんがいたらどうすんだい?
出張でいなかったのが幸いだったわね。
まあ・・私がこそっとお風呂から抜け出て、声の出ている部屋に行ってみたら・・まったく。」
母のお怒りごもっとも・・
でもそれとこれとは話が別だ。
本来、禁断の罪を犯した姉と弟を叱りつけるのが母親の役目のはずだ(まあ俺が胸張って言える事ではないが・・)。
なのに何で、あんたまで罪を重ねるかなあ?

怒りながらも俺のチンポを扱き続ける母・・・ちょっと感じてきてしまった。

「あの子に見られた時には、ちゃんと内緒にしておくからって言ってたのに・・まさか私を出し抜くとは思わなかったわ。」
え?・・俺は一瞬耳を疑った。
その時、俺の脳裏に姉貴の言葉が甦った。
『私の創作力もまんざらではないわね・・・でもね、全部が全部そうじゃないんだけど・・・。』

「か、母さん・・も、もしかして、酔っ払って寝込んだ俺にイタズラしたのって・・母さんだったの?」
「な・・何で、あんたが知ってるのよ・・」
驚きに満ちた顔が、俺の目の前で露わになった。

今こそ全てが判った。
姉貴が、俺に対して仕掛けたイタズラの事実を。
俺のチンポをしゃぶってる母親を見た時に、自身全ての感情を理解したんだ。
そして母親よりも前に俺をモノにしたかったのだ。

「こうなったら、もう我慢する必要も無いわね・・私も仲間に入れてもらうわ。いいでしょ健二?」
「何言ってるんだい・・母親となんかできるわけ無いだろ!」
「でもね、私を味方にしておくと良い事があるわよ・・」
「何だよ、意味が分かんねえよ。」
腹が立った俺は、ぶっきらぼうに吐き捨てた。

「あんた達、将来一緒に住むんでしょ?家庭も持ちたいって言ってたわねぇ・・うふふふ。
そんな事、実際に出来るとでも思ってたの?」
俺達の会話までも盗み聞いていたようだ。

「母さんには関係無えだろ・・これは俺達の問題だ。」
「私が協力すれば、父さんへの説得もしてあげれるわよ。当然2人の家庭生活も認めてあげるわ・・・
勿論父さんには内緒にしてね。2人の子供も認めてあげてもいいわよ。どう悪い話ではないでしょ・・ね?」

た・・確かにこれは良い条件だ。
俺達2人の生活を、両親が、いや、片方の親だけでも、全てを承知の上で認めてくれたのなら、凄く快適な暮らしが
出来るはずだ。
全身から力を抜いた・・・抵抗を止めた。
姉ちゃんゴメン!!俺の中で打算が働いたんだ。

「俺はどうすればいいんだい?」
「まあ・・聞き分けの良い子ね。」
母はすっと立ち上がった。
キチンと手入れが行き届いた陰部が見えた。
小ぶりの形の良いおっぱいが揺れた。
腰を寝ている俺の顔の前に突き出した。
「私のオマンコを舐めて・・そして気持ち良くさせてね。」
ニッコリと笑った・・・・そこには既に母親の表情なんて何処にも無かった。

「これからは2人の女が相手だけど、大丈夫よね・・あなた若いから。うふふふ・・」
そう言って母は2本の指で花びらを押し広げて俺の顔に押し付けた。
俺は、ただ黙って舌を中に押し込んでいった。

「ああ〜ん・・・やっと健二のチンポを食べられるわ・・・・ああ、もっと舐めてぇ〜」
腰をくねらせてヨガる・・・だらしなく口元が開いていた。

俺は言われるがままに母親のオマンコを舐めた。
姉貴との生活を夢見ながら。
ひたすら母に忠誠を誓った。
ただひたすらに・・・

                             (完)
      
[2004/04/09]