年下の娘が「おにいちゃん」と呼んで慕ってくる。こういう設定のゲームはいろいろとあります。しかし、「キモチ」というフレーズを掲げたゲームというものは、そう見かけることはなく、あくまでも主人公の側が「おにいちゃん」と呼んでもらってデレデレ、という状況になっている場合が多いものです。こういう「裏返しの設定」に期待してプレイしたゲームが、『さつきのキモチ』でした。
年下の娘が「おにいちゃん」と呼んで慕ってくる。こういう設定のゲームはいろいろとあります。しかし、「キモチ」というフレーズを掲げたゲームというものは、そう見かけることはなく、あくまでも主人公の側が「おにいちゃん」と呼んでもらってデレデレ、という状況になっている場合が多いものです。こういう「裏返しの設定」に期待してプレイしたゲームが、『さつきのキモチ』でした。
主人公の1つ年下の幼なじみ、さつきが、夏休みを機に、最近冷たい主人公(高3、そろそろ受験勉強を開始)にモーションをかけるお話。
このシナリオ紹介をご覧になって、素っ気ないな、と思われたでしょうが、これ以上話の書きようがありません。
タイトルには「キモチ」というフレーズがありますが、心象描写などほとんどありません。イベントごとのシナリオが並べられているだけで、その中に「コレ!」というものがまったく感じられないのです。
では、キャラクターに萌えられるかというと、これも無理というものでしょう。さつきというオンリーヒロインになっていながら、彼女の「魅力」を描き出そうという意欲が見られませんでした。
選択仕ごとにシナリオが分岐する、アドベンチャーゲームです。シナリオをクリアした後に最初からプレイすると、選択肢が増えます。これを繰り返せば、コンプリートは容易でしょう。
ファーストプレイに要した時間は、18分でした。バッドエンドorゲームオーバーを除けば、この所要時間は私的最短記録です。
推奨環境が「Pentium200MHz」だそうですが、そう重い処理をしているようには見えませんでした。
インストールの際、「標準」では音声が鳴らず、「最大」(HDに186MBを使用しました)だと音声を再生できます。
入力デバイスとしては、基本はマウスですが、ほとんどの場合キーボード操作も可能です。
セーブ&ロードは、任意の場所で10個所までセーブ可能ですが、ゲームのボリュームが極端に少ないので、こんなに使うことはまずありません。ロードする間もなく終わりますから(^^;)
メッセージ速度調整はありませんが、メニューバーの「次の選択肢までスキップ(S)」をクリックすることでスキップ可能です。
CGモードや回想モードは、シナリオを一度プレイした後に入れるようになり、サムネイル表示されます。
BGMは、CD-DAで演奏されます。どうも印象に残りにくいですね。曲のバリエーションも少なすぎますし。音声は、悪くはありませんが、特にどうこう言うほどのこともありません。
空鴉さんの原画。やたらと胸を強調しているのはともかく(^^;)、ものすごくメリハリのきいたキャラデザですね。いかにも「夏」という雰囲気を感じさせるものではありますが、さつきが年齢以上に幼く見えて仕方ありません(^^;)
あと、漆黒の髪がなかなかいいですね。髪が黒いメインヒロインというのは、意外と少ないものなんですが。
特にありません。シナリオ的にもシチュエーション的にも、キャラクターに思い入れが入る余地がありませんでしたから。
成瀬せりあさんのサイト(閉鎖)にレビューがアップされています。「次回作に期待」とありますが、そんなもん出る気配はまったくありませんな。
「さつきの成長物語」的なものを期待していたんですが、夏にちょっとしたイベントを2、3こなし、Hして終わり(^^;)
それも、選択肢で簡単に分岐する上、そのHのバリエーションも、選択肢ごとに分かれます。同じさつきとの初Hにしても、選択肢によって、口でやらせたり上にのっけたりするわけで(爆)
まぁ、時間がかからないんですが、みごとにシナリオがないので、「AVGというよりCG集なのではないか」と思えます。その気になれば、一時間程度でコンプリートしてしまうありさまですから、コストパフォーマンスは非常に悪いですね。なにせ、「つまらない」と思うヒマもなく終わってしまいますから。
私としては、あ〜んなことやこ〜んなことを夏休みの間続けたあげく、翌春の主人公にどういう運命が訪れたのか、そっちをオドロオドロしく書いてくれた方が楽しめたんですけど(ヒデェ(^^;)
「シナリオ」とか「キャラクター」とか、そういうものの重要性を認識してほしいものです。