【検証10】東北・関東の焼却灰が北九州市へ=被災地がれき受け入れを条件に最終処分場建設に国が補助金を出す方針
2012年3月27日、福岡県の地元インターネットメディア Net IB NEWS(運営:株式会社データ・マックス)に、驚くべき記事が掲載された。
「被災地がれき 受け入れを条件に最終処分場建設に国が補助」という内容で、福岡県周辺自治体の廃棄物担当者だけを集めた会議で、環境省廃棄物対策課の坂口芳輝課長補佐が一般非公開の形で説明したというものである。
この会議の中では、以下の点が、はっきりと明言されている。
「可燃ゴミの焼却のみならず、焼却灰の埋め立て処分を受け入れる自治体を募集する。」
「がれきの受け入れを決定すれば、2013年度末までに整備ができる施設に関しては、新たに予算を出す。」
「がれき処理費用だけでなく、施設の減価償却費を加えても良い。」
「がれき処理によって現在の最終処分場がいっぱいになってしまう場合は、次の処分場をつくるときに、国として特別な補助をする。」
詳しくは、Net IB NEWS の記事をご参照頂きたい。
また、私は、あるルートから、この会議の席で配られた環境省作成の資料を入手した。
この資料には、以下の内容がはっきりと明記されている。
・市町村等が一般廃棄物処理施設の整備を行う際、その施設において災害廃棄物を受け入れる場合は、循環型社会形成交付金による優先的な支援を行う。
(平成23年度第3次補正予算として126億円)
・交付率 1/3 または 1/2
そして、この会議には、北九州市の担当者も間違いなく最前列に座り出席していた。
北九州市では、現在、「響灘西地区処分場」の他に、新たな最終処分場として、門司区にて「新門司南地区 廃棄物処理施設整備事業」が計画されている。
全体事業費は、9年間で178億円となっており、広域処理に関する予算や循環型社会形成交付金に紛れ込ます形で、国(環境省・国土交通省など)から補助金を受けるには、ピタリとはまる金額である。
【響灘西地区処分場】
現在、関東・東北地方では、高濃度の放射性物質に濃縮された、焼却灰などの処分方法が大きな課題となっている。
参考:2011年12月12日放送 NHK『クローズアップ現代 知られざる放射能「都市濃縮」松戸市の人工河川、柏市の南部クリーンセンター、首都圏の焼却灰が次々に返却された 』
また、宮城県環境生活部震災廃棄物対策課に、北九州市の一般市民が電話で問い合わせをしたところ、「がれきの焼却は、仮設の焼却炉を使い宮城県で対応できるが、最終処分場に関しては、埋め立て容量が県内だけでは足りないので、県外にお願いしたい。」と、担当者が明確に認めた。
つまり、東北・関東地方の地方自治体が、本当に困っているものは、震災がれき自体よりも、それを焼却した後に出る、高濃度の放射性物質に汚染された焼却灰(溶融スラグなどを含む)の最終処分なのである。
すなわち、北橋北九州市長が、公共事業としては全く意味のない、たった約4万トンのがれきを受け入れるのは、「がれきを受け入れた」という単なるアリバイづくりの為にすぎず、本当の目的は、関東・東北の高濃度に放射性物質が濃縮された焼却灰の受け入れであり、それと引き換えに、最終処分場の建設費用など、多額の補助金を北九州市は国から受けようとしているのではないか?
そう考えざるを得ない。
もし、これが事実であるならば、北橋市長は、多額の補助金を得るために原発を受け入れた自治体の首長と同じく、「国からの補助金が目的だ」と、市民に向かってはっきりと説明すべきである。
それを踏まえ、北九州市が、放射性物質に汚染されない本当の「環境未来都市」となるのか、もしくは「放射性物質最終処分都市」「放射能汚染都市」となるのかは、市民が直接議論して決めるべき重大な問題である。
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コメント(6) ※投稿されたコメントはブログ開設者の承認後に公開されます。
全く示された通りだと思います。勿論震災廃棄物広域処理は、違法な物と考えています。実は広域廃棄物処理とTTPは、セットなのでは無いかと考えています。そちらの方の情報があれば御提供願います。
2012/6/2(土) 午後 2:57 [ 岡村知一 ]
転載させていただきますm(__)m
2012/6/3(日) 午前 8:55
恐ろしい話ですね。私もTPPのために日本くまなく汚染させるのが狙いだと思っています。
転載させていただきます。☆
2012/6/5(火) 午前 8:37
詳しい検証をありがとうございます。
記事中の、クローズアップ現代を観て愕然とし、文字起こしをしました。
この記事を、ブログ(http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr)に転載させていただきます。
貴重な事実を教えてくださってありがとうございます。
2012/6/6(水) 午前 6:58 [ bmt**ehr ]
昨晩、初めて知り、愕然としました。
瀬戸内海を汚染しようとしていたとは、北橋健治と言う人(?)は、、、市長の仕事は何だと思っているのか、、、。こういう人を市長に持つ北九州市だけでなく、近隣の自治体もヒジョーに迷惑しています。
転載させて頂きます。
2012/6/12(火) 午前 11:18 [ wings7 ]
瓦礫を遠距離運搬して処理することはない。環境省は誤った政策をしている。瓦礫発生の現場(近く)で必要なら処理プラントを設けて処理すべきだ。地元に仕事を増やす事になるし、焼却物を利用する事もできる。もし放射性物質があれば集めて処理すればよい。
2012/6/17(日) 午前 9:35 [ 花水木 ]