大阪市立桜宮高校（同市都島区）２年の男子生徒（17）が自殺した問題で、市教育委員会は13日、バスケットボール部元顧問の小村基（はじめ）教諭（47）を懲戒免職処分にしたと発表した。体罰を理由に教職員が懲戒免職となるのは極めて異例。市教委は「（体罰が）生徒が自ら命を絶った大きな要因と考えられ、自殺との間に関連性がある。斟酌（しんしゃく）する余地はない」と説明した。

　小村教諭は市教委に提出した文書で「指導が一方的だったと気付いた。たたくことで部員が成長し、チームが強くなったことからおごり、慢心があった。心から反省している」と謝罪。13日の処分通知時にも「ご遺族に大変申し訳ないことをした」と述べたという。

　市外部監察チームの報告書によると、小村教諭は昨年12月18日と22日の練習試合で生徒がボールを奪われるなどしたことを「しっかりせえ」と叱責。生徒の顔や頭を複数回にわたり平手でたたく暴力行為を行い、部活指導以外でも他の生徒をたたくなどの暴力を加えた。

　報告書は、小村教諭が生徒やバスケ部員に対し「恒常的に平手打ちや足蹴りなどの暴力」を行ったとし「時には相当程度に強度かつ執拗」だったと認定。小村教諭による体罰を「暴力行為であり、指導として正当化される余地はない。暴力に対する規範意識は乏しいと言わざるを得ない」と批判した。

　市教委は13日、遺族宅を訪問し処分を説明。遺族は「分かりました」と話したという。

　橋下徹市長は同日、「一線を越えた完全な暴力行為。処分内容は妥当と思う」と強調した。