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【スポーツ】

レスリング 冬でも 日本協会が緊急会見

2013年2月14日 紙面から

 レスリングを五輪からは消さない−。国際オリンピック委員会(IOC)がレスリング競技を2020年五輪から除外候補に決めたことに対し、日本レスリング協会の福田富昭会長(71)が13日、東京都内で緊急会見。各国のオリンピック委員会、レスリング連盟・協会との連携を強化するとともに、冬季五輪への編入を含めた生き残りを目指すと明言した。この日は、女子55キロ級で五輪3連覇中の吉田沙保里(30)=ALSOK=、ロンドン五輪男子フリースタイル66キロ級金メダルの米満達弘(26)=自衛隊=ら第一線の選手たちも存続を熱く訴えた。

 寝耳に水の一報から一夜明けても、レスリング関係者は動揺を隠せなかった。福田会長は「国際オリンピック委員会(IOC)から明確な説明もない。レスリングは伝統的なオリンピック種目。こっちも大変驚いている」と困惑の表情。1976年モントリオール五輪フリー52キロ級金メダリストの高田裕司専務理事(58)も「ぜひ入れてもらえるよう、日本オリンピック委員会(JOC)からもIOCにお願いしてほしい」と声を絞り出した。

 もちろんこのまま手をこまねいて“フォール負け”を喫することは、お家芸の看板に懸けても許されない。国際レスリング連盟(FILA)の副会長も務める福田会長は今週末にタイで行われる同連盟の理事会で「世界各国の協会がIOCに対して働き掛けないと取り戻せない。(レスリングを)劇的に変えないと巻き返しは相当厳しい。そこでいい取り決めをしないと」と、各国一致団結しての一発逆転にいちるの望みを託す。

 さらに福田会長は「室内競技はウインター(冬季五輪)で行ったって悪くない。そうすれば夏にもいろいろな競技が入れる」と仰天の持論も展開。五輪憲章が「冬季五輪は雪上、氷上の競技」と定めているため、現実性には欠けるが、それに匹敵するウルトラC級の秘策を打ち出せるかどうか。

 「外れることが決定したわけではない。どうなるかは今後の努力、私たちの動き次第」と希望は捨てていない福田会長。ただ、「(外れた)明確な理由を示していないために、どう手を打ったらいいか分かりにくい」と道の険しさを実感している。相手リードの最終ピリオド、ブザー直前の崖っぷち。数々の逆境をはね返してきた意地を、今はマットの外で見せるしかない。 (川村庸介)

 

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