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政治
【主張】「敵基地攻撃」発言 報復能力の保持を論じよ
安倍晋三首相が敵の弾道ミサイルの発射基地への攻撃や、それに必要な装備を持つことについて「憲法上は許される。国民の生命、財産を守るために何をすべきか、常にさまざまな検討を行うべきだ」と述べた。
日本の防衛力が敵基地攻撃などの報復能力を欠いており、抑止機能がほとんど働いていない現状を問題視し、対抗策を検討することを歓迎したい。
政府が直視すべきは、北朝鮮がミサイル発射や核実験を重ねて技術力を向上させ、核を搭載した中距離弾道ミサイル「ノドン」を日本に撃ち込む可能性があることだ。こうした重大な脅威を抑止する対抗策がないことこそ、深刻に受け止めねばならない。
敵基地攻撃は、敵が攻撃に着手した段階で自衛措置をとろうというもので、報復も辞さない独立国としての意思を明確にし、それが一定の抑止効果を生む。
昭和31年の鳩山一郎内閣当時、敵基地攻撃について、「誘導弾などの攻撃を防御するのに他に手段がないと認められる場合に限り、誘導弾の基地をたたくことは法理的には自衛の範囲に含まれ可能」「座して自滅を待つのが憲法の趣旨だというふうには考えられない」との統一見解が示された。当たり前の判断といえる。
平成15年には、当時の石破茂防衛庁長官が「北朝鮮が東京を灰燼(かいじん)に帰すと宣言し、ミサイルを屹立(きつりつ)させたなら(攻撃に)着手したとするのは国際法上も理解できる」と、攻撃時期の判断などについても語った。
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