予備知識なしで手に取ったゲームに、「めちゃめちゃラブコメ」などと書かれていたら、どう判断するべきなのでしょうか。私は迷うこともなく手に取っていたのでありました(^^)
前作『晴れのち胸さわぎ』の続編としてリリースされています。私は前作はプレイしていないのですが、それでもゲームを楽しむにはほとんど問題なかったと思います。
予備知識なしで手に取ったゲームに、「めちゃめちゃラブコメ」などと書かれていたら、どう判断するべきなのでしょうか。私は迷うこともなく手に取っていたのでありました(^^)
前作『晴れのち胸さわぎ』の続編としてリリースされています。私は前作はプレイしていないのですが、それでもゲームを楽しむにはほとんど問題なかったと思います。
主人公・早乙女かずひこ(姓名とも変更可能)は、世にもドスケベな高校生。本命の恋人・千尋の目の前であろうとなかろうと、性欲の赴くまま他の女にむしゃぶりついては、彼女の鉄拳を喰らう毎日。周囲には、彼を「ご主人様ぁ」と慕う巫女さんの月見ちゃんをはじめ、個性的なメンツが勢揃い、まことに賑やかな高校生活。そんなある日、刻美ちゃんなる少女が登場。彼女は、かずひこが幼少の時に一緒に遊んだコのハズなのだが…。さらに、校内で謎の緊縛事件が発生するなど、不可解な事態が起こる。そうこうするうちに、舞台は京都の修学旅行先へと移る。かずひこの浮気に疲れ果てた千尋は、彼への想いに自信を失い、悩み、落ち込む。さらに、かずひこは、時空を超えた不可解な謎にも直面することになる。想いが幾重にも交錯し、その向こうに見える世界がどんな相を表しているのか。
全編を貫くコテコテのギャグが売り物、さらに中盤以降に出てくるラブコメ的展開、時間因果律を扱った話などが散りばめられ、それぞれに対しかなりの量が割かれているうえ、パートごとに明確な分担がされているわけではないため、良くも悪くも「ごった煮」的な雰囲気のあるゲームです。
ギャグといえば、主人公が際限なくアホであるにもかかわらず、なぜか個人的には大いにウケました。確かに「寒い」といえばそれまでなのでしょうが、彼本人は必ずしもウケ狙いではなく半ばホンキで考えているように見えること、そして即座に相方のツッコミ(鉄拳というべきか)が入ることが高い効果を上げているのかも知れません。そこにあるギャグの展開は、単純なオーバーアクションの連続による「場」の維持に留まるものではなく、各キャラクターのタイプがどういうものなのか、を、これでもかこれでもかとしつこく描いている、と言えましょう。
主人公の設定としては、まさに「歩く性欲マシーン」といった感じで、スケールを思い切り小さくしたランスのようなものです。しかし、周りにいる女の子たちが、比較的あっけらかんとしているのが、比較的爽やかな印象を受ける原因でしょうか。本来、「彼を一途に思う娘」というのは一人で十分なのであって、何人もいたら「食いまくり」ではシャレになりません。その点、人間関係が無限に拡散したりせず、ある程度「閉じた枠」内で収束させる手法は、一定程度成功していると思います。
既定の「彼女」を不動に据えながらも、裏切りといった「暗い」ニュアンスを感じさせず、「こいつはこういう節操ナシなんだから」ということになりますが、主人公の「節操ナサ」が、取り留めもなく続いていくように見えるのは残念。女と見れば食いまくることを是とする主人公であれば、その「節操ナサ」を周囲がどう受け止めているか、ここの描き込みがほしかったところです。この点、『恋姫』(シルキーズ)は、実にうまく処理していました。
問題はといえば、シリアス部分でのシナリオ展開のややこしさと、芸のないエンディングとが挙げられましょう。時間概念を使ったシナリオがそう簡単に書けるものではないというのはよくわかりますが、伏線の出し方にはもう一工夫ほしかった。また、あまりにも御都合主義的なエンディングは、それまでの経過を素直に振り替えさせるのを阻害させているという印象さえ受けます。
ほぼ一本道のアドベンチャーゲームですが、途中の小分岐の際には、分岐を示すように選択肢が着色されて表示されますので、実にわかりやすくなっています。このため、イベントを発生させるのは大変簡単で、詰まるところもほとんどないでしょう。なお、途中での選択肢で、わざと違うものを選んでも、結局はもとのところに戻るので、シナリオのヴァリエーションを楽しみたい方は、全部の選択肢を試してみることをお勧めします。
F&CのWebサイトにADMの最新バージョンが用意されていますので、これを当てておくのがよいでしょう。具体的な不具合などはありませんが、ADMをバージョンアップさせることで、描画速度が格段に速くなりました。私の環境では、特に不具合というほどのものは発生しておりません。
先述の通り、ごくごく単純なゲームなので、エンターキーを押す、あるいはマウス左クリックだけで全て進みます。メッセージスキップがない(見当たらない)こと、セーブ可能なのがわずか4個所というのが気にかかりますが、スムーズにプレイ可能です。なお、冒頭でベンチマークテストがなされるように、かなりマシンパワーに依存するゲームのようですが、CPUがMMX Pentium200MHz、メインメモリ32MBという環境では、何のストレスも感じませんでした。
CGモード・BGMモードは、一回クリアしてから入ることが出来ます。BGMモードでは曲名も明記されます。
BGMは、CD-DAとMIDIから選択可能ですが、どちらでもあまり差はないようですね。シリアスパートでのアップテンポな曲よりも、日常のほのぼの的な曲、あるいはHシーンで流れる曲などがなかなかいい感じです。また、派手な画面効果とともに用いられる効果音が、なかなかよく効いています。
音声はありません。
キャラデザは、特に惹かれるような魅力を感じたわけではありませんが、まずまずでしょうか(主人公のもみあげは却下(^^;)。ただ、肌の塗りに、ちょっと難を感じます。
それよりも、各キャラクターとの会話では、基本的にフェイスウィンドウ内の表情変化と連動しているのですが、このフェイスウィンドウの拡大・縮小、あるいは移動によって、実に楽しい雰囲気を作ってくれます。アニメーション、フェードイン・フェードアウトなど、いろいろな画面演出効果という方法はありますが、このゲームの方法を他のゲームが使っていないのは、プログラム的に難しいからなのか、あるいはどう工夫しても二番煎じに見えるからか? いずれにせよ、プレイヤーを引き込む、卓越した効果を見せてくれます。個人的には、この演出だけで、このゲームのセールスポイントここにあり、と断定してよいかと思っています。もっとも、殴り&蹴りのパターンは、さすがに飽きましたが。
季桜センセ(爆笑) さぁ、一緒にスポオッツしよう!
…と書くと思い切り誤解されそうなので(^^;)、女性キャラとしては、やはり月美ちゃんかな。
SHEOさんのサイト、USGさんのサイト(閉鎖)などで扱われています。
ギャグとシリアスとのバランスが取れているとは言いがたいのが難点ですが、実際にはゲームプレイ中にもさしてダレを感じなかったのはさすが。四角いフェイスウィンドウがずずぅ〜んと迫ってくる迫力は、文章ではうまく説明できません。この画面効果を中心とした演出で話をもたせている、といった感じを受けます。
キャラクターの個性が強すぎ、気に入らないキャラが1人や2人は出てきそうなので、人に気楽に勧めることができるタイプのゲームではありません。しかし、現在のF&Cが、こういうごった煮的なボリューム満点ものを出してくれそうな気配があまり感じられないのは、やはり悲しいところ。こういうタイプのゲームを作れるソフトハウスって、それほど多くないと思われるだけに、もう一度、こういう笑いを体験させてほしいものです。