HighすくーるJam　−ザ・スクール・プレジデント−　JAM／ストーンヘッズ

　高校における生徒会というと、いろいろと妙な役を押しつけられるだけであり、だいたい「自治活動」といっても人があまりやりたがらない役割を背負っている方がいる場だと思っている私ですが、その考えを転換させてくれるゲームに出会いました。

　もとは伝統ある女子校だったが、男子共学となったばかりの高校に入学した主人公・秋本洋介（姓名とも変更可能）。圧倒的多数が女子生徒という、傍目にはうらやましいかぎりの学園生活に見えるが、実際の男子生徒への待遇はひどいものがあった。この事態を改善すべく、初代男子生徒会長への立候補を目論む主人公。そのついでに、女の子との関係も改善しようと考えるのであった。

　シナリオで評価することはできません。というか、あってないようなものですから(^^;)

　基本的に、シミュレーション的な要素で評価すべきであって、女の子に関しては、誰とでもええから勝手にやってなさい、という印象。なにせ、Hシーンまでの展開が急である上、どうも「発情した娘さんのお相手をしている」ようにしか見えないんですよ。ラブラブになってくっつくという展開は皆無、ひたすらえっちなことを重ねていけばいいだけ。しかも、相手が身体を非常に安易に開いてくれるので、どうにも物足りないものです。もう少しじらすとか、行動の理由づけぐらいはほしかったところで、これはちょっと淋しかったですね。

　ヒロインごとの差異化も、ビジュアル面を除けば成功しているとはいえないと感じます。誰も彼も似たような感じで、さっぱり印象に残りません。

　ゲーム進行は1週間単位となっており、毎週のスケジュール決定後、スケジュール実行（キャラと会話をすることでイベント発生アリ）、生徒会となっています。

　このスケジュール組み立ての時に、支持を拡大するための活動や要望収集を行いながら、女の子に接近します。そして生徒会では、提案された議案の可否によって、自分の支持が変動するわけです。

　この生徒会での動きは割と楽しめましたが、イベント発生に伴う部分、つまりアドベンチャーパートの方のイベントが質量ともに不足以外の何ものでもありません。仲良くしようとする女の子を1人に絞ると非常に間延びしてしまいます。ちなみに、イベントをこなしていき、なおかつ会長に当選すれば、イベントを終えた女の子とのエンディングになるわけですが、ラストのイベント1つ前の段階でストップして同時攻略すれば、6人ぐらいまで可能です。

　私がプレイした環境では、特に不具合などは発生していません。

　ウィンドウ画面のバックグラウンドに強制的なフルスクリーン壁紙となり、中に640×480のゲーム画面が現れます。また、基本的にマウス操作が中心となっているのも、どうも使い勝手がいいとはいえません。特にエンディングでは、ただテキストが自動的に流れていくのをぼーっと見ているしかなく、速く進めたいと思ってもひたすら待つこととなるのは感心できません。

　セーブ＆ロードは、スケジュールを決めた直後でのみ可能です。また、セーブ＆ロードに限りませんが、操作する際にいちいちコモンダイアログを呼び出すという仕様はどうにかならないものでしょうか。

　BGMはMIDIで演奏されます。オープニングの演奏が妙に耳に残っていますが、特筆すべきほどのものではないと感じます。

　音声はありません。こういうゲームだから、あるものとばかり思っていたのですが(^^;)

　斎藤なつきさんの原画。この人が原画を担当されているゲームはほかにもよく見ますけれど、やっぱり女の子はそれぞれかわいいですね。しかし、女の子「だけ」であって、背景も含め、それ以外の部分は、やっつけ仕事的な感じさえ受けました。

　ルックス的に葉澄かな。しかし、こうも話の筋がないと、萌えようもないです(^^;)

　ＵＳＧさんのページ（閉鎖）にレビューがアップされていました。

　会長当選へ向けたシミュレーションゲームとしては、お手軽にプレイできるという点をきちんと活かしている点では、それなりにきちんとまとまっていると思います。

　しかし、イベントが非常に少なく、特にHシーンなど、淡白の一言に尽きます。夏休みも体育祭も文化祭も、さら〜っと流れていきます。「学園ドラマ」の舞台を用意しながら、それを生かし切れていないのが悲しいところです。

　女の子はけっこう可愛いので、CG回収のために最後までプレイできましたが、特にすすめるようなポイントのあるゲームではありません。