『臭作』に続き、突如登場したリニューアル作品、『遺作』。しかし、ここにあげたのはその1つ前、256色の『遺作』です。256色でも充分に質感も出ていたし、どうしてリニューアルする必要があるのかよくわからないのですが……。
『臭作』に続き、突如登場したリニューアル作品、『遺作』。しかし、ここにあげたのはその1つ前、256色の『遺作』です。256色でも充分に質感も出ていたし、どうしてリニューアルする必要があるのかよくわからないのですが……。
主人公・小暮健太(変更不可)は、同級生の琴未に密かに想いを寄せていた。そして、夏休みのある日、「旧校舎で待ってます」という、差出人不明の手紙が舞い込む。いそいそと出かける主人公。しかしそこには、ほかの同級生や先生なども呼び出されていたのだ。戸惑う健太たち。その数分後、彼等は自分たちが、旧校舎に閉じこめられたのを気付くことになる。
そして、旧校舎に見え隠れする、不審な用務員、「伊頭遺作」の影。
主人公たちは、遺作の毒牙にかかることなく、無事、空の下に出ることができるのだろうか。
シナリオとして語るべきことは、さほどありません。というよりも、未プレイの段階で読んでも大丈夫、という話は、ほとんどないのが実情です。ま、シナリオの内容で評価するべきゲームではありませんからね(^^;)
ただ、キャラクターの配置に関しては、若干問題がなきにしもあらず、という印象。頭が悪くて性格はもっと悪いボンボンというのは定番として、こういう奴に多少なりとも振り回されたりする設定を見るにつけ、「味方の中で足を引っ張るキャラ」の存在が、どうにも鬱陶しく感じられました。
基本的に一本道、推理もののアドベンチャーゲームといってよいでしょう。旧校舎に閉じこめられたという設定のなか、限られた空間の中を歩き回ってアイテムをさがしたり、仲間と話をして情報を集めたりしながら、脱出への糸口をつかんでいくことになります。
そして、必要なときに必要な行動をとっていないと、悲惨な目にあうキャラクターが出てしまいます。さらに、最終段階で判断ミスをすると、取り返しのつかない結果となります。
緊張感をうまく保ちながら、「先へ進もう」という気を最後までキープさせるゲームデザインは、実にすっきりしたものです。ただ、Hシーンを見られるようになるまでに踏まなくてはいけない段階が多いのが、難点といえば難点でしょうか。
マウス・キーボードの双方で操作可能。セーブも比較的行いやすく、またメッセージスキップも可能など、繰り返しプレイも苦にならないユーザーインタフェースが用意されています。
BGMは全然印象に残っていないのですが(^^;)、音声はなかなかよく、特に遺作の声が印象的です。
横田守さんの原画。256色とは思えない色使いはすばらしく、Hシーンでの肌の質感はみごとの一言に尽きます。
榊美由紀。
私が始めてプレイした陵辱ゲームですが、この種のゲームで高い評価に値すると確信している数少ないゲームでもあります。とにかく、追いつめられていくという「雰囲気」をうまく出せていること、脱出するだけなら決して難しくないことがありますが、なによりも、主人公は悪役ではないため、鬼畜なシーンへの抵抗が少なくて済むことなどが挙げられましょう。まぁ、遺作の毒牙にかけるため、敢えてビデオテープ回収に奔走しているのが、私の真の姿ではありますが(^^;)
「考えて、解く」。このキャッチコピーは、伊達ではありません。ぜひ、トライしてください。きっと、ウッヒッヒなビデオが……あーいや、手に汗握る展開が、あなたを待っていますよ。