(cache) 特撮コラム　仮面ライダークウガ　その① - エクシードチャージの亜空間からのメッセージ

2006-08-08 さて、書こうか！

■特撮コラム　仮面ライダークウガ　その①

ＴＶシリーズの仮面ライダーは実際、仮面ライダーＢＬＡＣＫＲＸから12年ぶり。それまでは映画やビデオ等のオリジナルのライダー達は登場していますが、TVでの登場は本当に久しぶりでした。因みにクウガ以降のライダーは平成ライダーシリーズと呼ばれます。ＲＸは放送中に平成元年になりましたが、放送が始まった時期を基準にしているので昭和ライダーに属します。丁度放映が終わる頃に平成なったからある意味平成ライダーと思えるんですけどね。

クウガは2000年のミレニアム期間を記念して作られた作品であるとも言えるでしょう。

世界各地を巡る冒険家、五代雄介は久しぶりに日本に帰ってきた。挨拶を兼ねて同じ大学出身の沢渡桜子の元へ訪れた時に事件は起こる。長野県の九郎ヶ岳遺跡発掘現場で発掘チームが何者かに虐殺されたのだ。発掘チームの関係者である桜子は長野県警の警部補一条刑事に分析を依頼される。チームに配属されたばかりの桜子だったが、彼女は古代文字の解読を中心に研究しているのだ。

しかし、古代文字を研究して大量虐殺犯が捕らえられるのだろうか？と不思議に思う桜子と雄介。警察が現場検証した結果、回りっぱなしのビデオカメラが殺害現場の一部を撮影していた。そこに映っていたのは異形の生物の影。未知の生命体は発掘現場の石室奥から出現し、次々とその凶悪な腕で現場にいたチームを殺していった。現場では未知の装飾品が発見、ベルトの形をしたそれは、石室に埋葬されていたミイラの物だった。

取り急ぎ大学に戻って分析を行おうとした矢先、突如長野警察正面玄関からパトカーが突っ込む。それに同乗していた者はビデオに写っていた影とは異なるが、明らかに異形の生物だ。未知の生命体は次々と警官を打ち倒し、桜子達に迫る。その時、雄介にはベルト状の装飾品が呼んでいる様な感覚に捉われた。生命の危機であるにも関わらず、雄介にはそれを着ければこの状況を打開できると本能的に理解した。

雄介は未知の生物の攻撃をかいくぐり、ベルトを腹部に着けるとそれは雄介の体内に吸い込まれたかのように無くなってしまう。再び襲い来る生物。絶対絶命と思われたが、必死の反撃を試みたその時、雄介の身体は変化していった。金色の角、白いボディ、そしてオレンジ色の双眸。未知の生物ほど醜悪な形をしてはいないものの、それは正に人間では無かった。雄介にとって全体的に力が強くなっている感覚があったが、それでも異形の生物には歯が立たない。口から蜘蛛の糸の様な物を吐いて雄介を絡め獲る。割り込むように、ヘリに搭乗した一条が蜘蛛に銃撃。銃弾は全て当たっているにも関わらず、蜘蛛には効果が無かった。空中のヘリにも易々と侵入し、一条を殺そうとする。そこに白い生物となった雄介が加勢。何とかヘリから叩き落し、高空から蜘蛛の生物は落下していった。

その後、未確認生命体と呼称される彼らには、雄介が正体である白い戦士も登録されていた。未確認生命体第2号、白のクウガがそれだ。今後、雄介はどのように事件に関係していくのだろうか？

ってまぁとりあえず一話の粗筋でしたよ。思い出しながら書くって大変だね。クウガの放送形式は基本的に二話構成で、前編で事件発覚し後編で撃退、というとても分かりやすい方式をとっています。だからかなり毎週が楽しみでした。

さて、後編に移る前に今回の作品の概要について考えてみます。当時のプロデューサーは既存の子供番組である特撮ヒーローの概念を全てぶち壊すという考えに基づいてこの「仮面ライダークウガ」は生まれました。その概念とは、ヒーローである仮面ライダーに登場ポーズと名乗りを挙げさせない、物語の進行上の時間軸をしっかりする、主人公は自他共に仮面ライダーとは呼ばれない、技発動時に必殺技の名前を言わない、等です。また、全く新しい技法によって作風が成されている為、従来の仮面ライダーは存在しない事になっています。つまり、それまで悪の組織出現も侵略も行われはおらず、限りなく現代に沿った物語上で、突如異形の生物が出現したと言う事になっています。ドラマ重視の回には主人公が全く変身しない話などもあり、演出面でも各キャラクターの感情の機微がよく顕され、それまでの特撮番組とは一線を画す物語構成になっていったのです。

しかし、ここまでになるともはや子供番組と呼べるようなカテゴリーに属さなくなってしまったという欠点もありました。大体、戦隊レンジャー物が放送された後に仮面ライダーが放映という構成は今現在でも続けられておりますが、子供達はレンジャーを見た後自分の部屋で遊ぶか外に出かけてしまうと言う感じで、ヒーロー番組でありながら子供達に見て貰えなくなるという短所が浮き彫りになったのです。が、実は視聴率に余り影響はありませんでした。何故か。

一条刑事役の葛山信吾の甘いマスク、どこまでも奔放で快活な好青年、五代雄介役のオダギリジョー。魅力ある俳優達によって、それまで一緒に見ていた親御さん、主に母親がこれにどっぷりはまっていったのです。どこの家でもまず、母親が子供達を起こしてご飯を作りますね。ご飯を食べ終わった後にまず七時半からレンジャー、そしてそれが終わった後にライダーが来る。子供はライダーは見ませんから出かけますが、親は家に残ってライダーを見るという構図が出来上がっていったのです。これはプロデューサーも予想していたのかどうかは不明です。しかし、子供番組だった仮面ライダーは大人の見る物になっていったのです。勿論、女性だけでなく成人男性だって見たでしょう。そして、ある程度の大人はお金が自由に出来ます。関連グッズ等も実際結構売れていたようですから、この既存の特撮をぶち壊すという作戦はある意味成功したと言っていいでしょう。

でもね…自分的にはポーズつけて名乗って「ライダーキーック！」って言って欲しかったりするんですが。

さて今日はここまで。次回に持ち越し～というか何回やろう？各フォーム写真で四回か？

ではまた～。

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