Updated: Tokyo  2013/02/14 03:34  |  New York  2013/02/13 13:34  |  London  2013/02/13 18:34
 

G7は円の行き過ぎた動きを懸念-当局者が声明について説明

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  2月12日(ブルームバーグ):主要7カ国(G7)は円相場の行き過ぎた動きを懸念しており、投資家は12日の声明について誤った解釈をしたと、G7構成国の当局者1人が述べた。

同当局者の説明を受けて円相場は急伸した。数時間前に発表された声明について、日本の安倍政権が積極的に円の押し下げを図らない限りにおいて円安を容認したものと市場は受け止めていた。

「為替レートを目標にはしない」とした声明は、日本が円相場を誘導しているとの懸念を浮き彫りにする文言であり、日本はモスクワで15日から開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で議論の焦点となるだろうと、同当局者は匿名を条件に述べた。

ナショナル・オーストラリア銀行の外為ストラテジスト、ギャビン・フレンド氏は「明らかな180度転換は、午前の声明を日本が直接的に円相場を目標としない限りリフレ政策を取っても構わない青信号だと考えた全員にとって驚きだ」として、「G7が為替相場のボラティリティを高め円を急伸させたことを別にしても、これは日本のためにならない」と話した。

声明は当初、円安は日本のデフレ不況対策の副産物である限りG7に容認されると解釈され、円相場はそれまでの上昇を解消。しかし、当局者の発言が伝わると、急伸した。

麻生財務相の説明

当初の解釈を完全に否定する当局者のコメントは、声明直後の麻生太郎財務相の発言と対照的だった。同財務相は、日本のデフレ不況対策が為替操作に使われていないと「各国から正式に、正しく認識された」とし、「G7として統一的考え方を示した」ものだとの見方を示していた。

G7が為替に関する声明を出したのは2011年以来。この日の声明で財務相・中央銀行総裁は「財政・金融政策が、国内の手段を用いてそれぞれの国内目的を達成することに向けられるべきだ」と確認。その上で「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対して悪影響を与え得る」との認識を示した。

声明については当初、各国が自国通貨安によって輸出促進を図った1930年代のような通貨切り下げ競争の再来を防ぐことが目的で、為替政策について日本を名指しし、15年に及ぶデフレからの脱却を目指す同国の取り組みに歯止めをかけるためのものではないと理解された。しかし、G7の姿勢をめぐって起きたこの日の混乱で、日本が真っただ中に立たされている為替の問題は再び、モスクワで今週開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の主要議題に戻された。

トロント・ドミニオン銀行のTDセキュリティーズのストラテジスト、リチャード・ギルフーリー氏は「こうなったらG20での結果を待つしかない」とし、「切り下げ競争はゼロサムゲームであり、そこで日本が得る追加成長は強い通貨を持つ国の犠牲を意味する。日本が名指しされるのはそのためだ」と話した。

カナダ銀行(中銀)のカーニー総裁はこの日オタワで、「G7が一丸となって」市場が決定する為替相場へのコミットメントをG20の中で広げていくことが重要だと語った。

原題:G-7 Said to Be Concerned About Excess Yen Moves inStatement (1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net;ワシントン Meera Louis mlouis1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net

更新日時: 2013/02/13 03:12 JST

 
 
 
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