オバマ米大統領が議会での一般教書演説で、財政再建に向け抜本的な税制改革に超党派で取り組むよう呼びかけた。与野党が溝を埋められなければ、歳出が強制的に削減される懸念がある。世界景気への影響を考え、包括的な財政改革へ歩み寄りに努めてほしい。
一般教書演説は向こう1年間の施政方針を網羅的に盛り込むことが多いが、今回最も時間を割いたのは経済再生と雇用回復だった。
「今こそ雇用創出を促し、財政赤字縮小を助ける超党派による包括的な税制改革を行う絶好の機会だ」。大統領は2008年の大統領選を戦った相手である共和党のマケイン上院議員の名前をわざわざ出して協力を求めた。
与野党は一昨年、財政再建策で合意できない場合、歳出を強制的に大幅削減するルールを定めた。協議促進のためだが、富裕層増税を訴える民主党と、歳出削減を重視する共和党は対立したままだ。
年初の「財政の崖」は回避したが、歳出の強制削減は2カ月先送りしただけだ。世界のマーケットが米議会を注視している。
大統領は与野党の妥協を促す一方、共和党が反対する移民規制緩和、銃規制強化などリベラル派としての持論も声高に唱えた。
共和党は猛反発している。反論演説を担当したルビオ上院議員は「大統領が増税への執着を捨て、米経済の真の成長を達成するため我々と協力することを期待する」と言い返した。
野党に話し合いを呼びかけつつ、対立もあおる大統領の戦略はややちぐはぐな感じが否めない。
演説は同時に、米外交の内向き姿勢を改めて鮮明にした。2期目の重点政策のはずのアジア重視への言及はなかった。イランなどと並んで北朝鮮の核開発は非難したものの、中国の海洋進出などの不安定要因には触れなかった。
北朝鮮への制裁措置などを巡り重要な役回りを担う中国を刺激したくない局面なのは事実だが、日米連携で中国の圧力に抗しようとする日本にはやや肩すかしな内容だった。
経済外交に関して大統領は、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉完了を急ぐ考えを示すとともに、欧州連合(EU)との包括的な貿易・投資協定の協議を始めることも明らかにした。
TPP参加すら決断できない日本を尻目に、米国は着々と視野を広げている。
オバマ、マケイン、ルビオ
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