【細川卓】中国の大気汚染が深刻化する中、愛知県豊橋市のメッシュ製造業「くればぁ」には、原因物質とされる微小粒子状物質に対応した「PM2・5フィルターマスク」の注文が殺到している。
PM2・5とは粒子の直径が2・5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下の汚染物質で、吸い込むと肺がんやぜんそくなどを引き起こすと言われる。同社ではエアコンの吹き出し口などに取り付けるメッシュ生地をマスクに縫い付け、2009年に商品化。メッシュの網目は0・1マイクロメートルほどで、PM2・5をほとんど通さないという。
例年数百枚の生産だったが、今年1月ごろから中国の大気汚染が報じられ始めると、注文が急増。中国の日系企業や、汚染物質の飛来が懸念される九州の企業を中心にこれまで約20万枚を受注した。5社ある下請け工場とともに稼働時間を延長して対応しているが生産が追い付かず、現在40人の従業員を100人ほどに増やす予定という。
マスクは密着性を高めるため、鼻の高さなどに合わせて作るオーダーメードで、1枚4998円。洗濯して再利用も可能という。インターネットのほか、電話(0532・51・4151)でも注文を受け付けている。