事件【産経抄】2月13日2013.2.13 03:17

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【産経抄】
2月13日

2013.2.13 03:17 産経抄

 日本社会に与える脅威や影響力は全く異なるとはいえ、2つのできごとが妙に重なって見えた。遠隔操作ウイルス事件で30歳の会社員が逮捕されたことと北朝鮮による核実験である。自己顕示欲の強さで共通しているように思えるからだ。

 ▼遠隔操作事件では、バーチャル(仮想的)なネット世界に潜む犯人を割り出すのは容易ではないとみられていた。それがノコノコというように、現実空間に出てきた。しかも防犯カメラには動かぬ証拠を残す。捜査当局からすれば、こんなラッキーな話はなかった。

 ▼捜査を攪乱(かくらん)しようとか、からかおうという意図もあったのかもしれない。だがそれより、もっと事件に世間の注目を集めたい願望が強かったせいという見方が当たっているようだ。こんな犯罪をやってのけた自らを早く見つけてほしかったのでは、という気さえする。

 ▼一方、12日に核実験に踏み切った北朝鮮の「目立ちたがり」も、度を越してきた。1月に「重大措置」を表明したと思えば、今月になるとウェブサイトで「核実験は米国の早合点」と見送りもほのめかす。「小出し」に自国に対する注目を集めようとしているかのようだった。

 ▼ミサイル発射や核実験を予告するたびに各国が右往左往しているかに見える。そのことを「夜郎自大」に勘違いしては自らを強大な国と思い込む。その上で超大国の米国と渡り合い、金正恩体制の維持を保障させたいというのがその狙いだろう。

 ▼いまだにバーチャルな世界で悪ふざけしているといっていい。だが国際社会は、これまで大目にみてきた中国を含めて、しびれを切らし始めている。一刻も早く現実空間に出てこなければ、待っているのは身の滅びだけだ。

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