発声練習

2008-10-19

[][] 卒業研究修士研究時の悪循環を防ごう

はてな匿名ダイアリーで以下のようなエントリーを見ると、自分の研究室うつ病になった子を思い出して心配になる。

私は、卒業研究や修士研究で得た経験が今後の人生においていくばくかの役に立つと信じているので、卒業研究や修士研究を真剣にかつ楽しく行って欲しいと思っている。でも、一方で、卒業研究や修士研究は長い人生において、何回か登場するちょっとした進級試験でしかないことも理解している。だから、はっきりいって卒業研究や修士研究で自分の心や体を壊すなんていうのはあまりにももったいないと思う。

博士研究は別として、卒業研究と修士研究は成果ではなく努力を評価の対象としている。「でも、中間試問や最終試問とかでは成果について問いただすじゃないか?」という疑問もあろうかと思うけれども、それは、努力の度合いを成果を用いて判断しているだけで、実は成果自体を評価対象にしていない。その証拠に、博士の修了条件とは違って、貴方の成果を査読つきの学術論文の公表を求めていないでしょ?

しかしながら、この「努力を評価する」という仕組みは、時として学生を追い詰めてしまうこともある。なぜならば、一般的に努力とは他人の目にどう見えるかであって、自分がどれだけがんばっているかではないからだ。

私の研究室でうつ病(あるいは、うつ症状)になってしまった学生の全員以下の二つの自己認識で心の調子を崩してしまったみたいだ。

  • 自分が求める理想像に自分が追いついていない。「自分はもっとできるはずなのにできていない!」
  • 自分としてはがんばっているのに、周り(主に教員)からの評価が低い。「あんなにがんばったのに、全く評価してもらえなかった!」

私の視点から見ると

  • 現在の知識、技術力(私の研究室の分野で言えばもっぱら、数学能力、プログラミング能力、英語力)、研究に費やせる時間からすると、あまりにも高い研究目標を掲げている(場合によっては、博士研究レベル)
  • 時間を費やしている事柄が、研究本来の目標からすると重要ではない、あるいは、関係ない事柄。

ということがほとんどだった。そして、今思うとまことに申し訳ないことながら、うつ症状を示した学生はみんな、野心的で、プライドが高くて、まじめで、やる気があって、私のアドバイスを「はい、わかりました」と元気に返す、私が(教員が)大好きなタイプの学生ばかりだった

悪循環はこうやって深まっていった。

  1. 学生がテーマ選択時に比較的難しい(試行錯誤が必要となる)テーマを選ぶ
  2. 研究に取り組むうちに問題にぶつかるが、「これぐらいの問題は自分ひとりで解決しないといけない」と思い、一人で悩む
  3. ゼミや進捗報告のミーティングで、研究が進んでいないことが教員や先輩から指摘される。学生は、表面上は明るく傷ついていないように返すが、内心傷つく
  4. 教員や先輩は「わからないことがあったらすぐに質問しなさい」と学生に伝える
  5. でも、学生は「これぐらい乗り越えられないといけない」と思い、なかなか質問できない。
  6. また、ゼミや進捗報告のミーティングで、研究が進んでいないことが教員や先輩から指摘される。
  7. 再び、教員や先輩は「わからないことがあったらすぐに質問しなさい」と学生に伝える
  8. 学生は、質問したらこれまでの自分の努力が無駄になるような気がして(あるいは負けたような気がして)質問できない
  9. 学生は、今までよりもいっそう研究にいそしむ
  10. しかしながら、質問をしないので、教員や先輩から見ると意味のない部分に時間を費やしてしまう
  11. 当然、ゼミや進捗報告のミーティングで、研究が進んでいないことが教員や先輩から指摘される。
  12. 学生としては、自分にできる限界まで研究をしているのに評価されないので、自分に対していらだつ
  13. 学生は、今までよりもいっそう研究にいそしむ(場合によっては、通学時間が無駄だと思い自宅で研究するようになる)
  14. 10から繰り返す
  15. ある日、限界を超えてしまい学生は「自分はダメなやつだ」とつぶやき、大学から姿を消す

努力しているかどうかは他人からどのように見えるかということに左右されるので、研究室に来なくなったり、研究の進捗状況を披露しなくなったりすると、教員の目からみると「あいつは、何をやっているのかわからない」という感覚になり「卒業できなくなるとかわいそうだから、ちょっとはっぱをかけておくか」ということで、「どうだ、最近研究進んでいるか?」みたいな、お尻たたきトークをする展開になる。

自分では一生懸命やっているつもりなのに「お前、最近研究やってないんじゃないか?」なんて、疑いの目で見られると学生は「信じてもらっていない」と感じ、余計に研究室に来なくなったり、研究の進捗状況の報告をしなくなったりしてしまう。

そして、悪循環はとどまるところを知らず、教員も学生も不幸な展開にたどりついてしまう。

以上、一般的なように書いてはいるけど、あくまでも半径5mの話。あと、一部は、私が学生のときの経験も入っている。

このような悪循環を防ぐには、まず第一に「卒業研究・修士研究はあくまでも試験であり、これの出来、不出来で人生が左右されることはない」という事実を教員と学生の両方が認識する必要があると思う。「卒業研究ができなかったら、自分の人生がおしまいだ。」なんて思う必要はない。どうにでも、リカバリーはできる。そうではなくて、「一生に一度しか経験しない、卒業研究で何か学べたら良いな。」ぐらいの心持で取り組む方が前向きだ。教員も「一生に一度しか経験しない、卒業研究で何か学びとれたら良いね。」ぐらいで指導するのが適当だと思う。最初から全力をかけてしまうと、学生の方がついて来れないのではないかと思う。

第二に、学生がいくら野心的で、まじめで、優秀そうに見えても、最初は手ごろなテーマを与えるべき。どんなに運動神経が良いと思われる人でも、その人がスキーの初心者ならば、我々は彼/彼女をいきなり上級者コースにつれていくことはしない。上達の具合に応じて導かないと。そして、学生は教員の提案を尊重した方が良い。たとえ、将来は研究者になりたいのだとしても、卒業研究を一生研究している研究者はいない。「卒業研究で何か学べたら良いな。」という精神が重要だと思う。

第三にとにかくコミュニケーションが途絶えないように、学生や教員のスタイルにあったやり方で、質疑応答や相談、進捗報告ができるようにするべき。自分のスタイルに合わないことは、続けられないので無理ない方法を選んだほうが良い。基本は、教員の方がうまく環境を整えてあげるべき。たとえば、私が心がけているのは以下のこと。

  • 私にいつでも質問して良いことを繰り返し伝えている
    • 「どんな内容でも、私に質問してかまいません。『たとえばUNIXでファイル移動はどうやるんですか』でもかまいません。質問にすらなっていなくてもかまいません。」「もし、私が答えられないならば、『ごめん、わからない』と言うし、あなたが調べるべき内容ならば『自分で***を使って調べてみて』といいます。」
    • 「いつでも、私に質問してかまいません。もし、私が忙しくて質問に答えられない場合は『ごめん、今、忙しいから後で答える』と伝えるので、あなたが質問するタイミングを考える必要はまったくありません。」
    • 「私の発言を裏読みする必要はありません。私が忙しいといっているときは本当に忙しいだけで、あなたが嫌いなわけではありません。答えられない質問や答えたくない質問はそれぞれ『ごめん、答えられない』、『ごめん、答えたくないので自分で調べて』と直接言います」
  • 一日で最初に会ったときに「どう、研究で何か困ったことある?」と尋ねる
  • 自分が帰るときに「質問ある人いる?」と尋ねる
  • 私の所属している研究室では、必ずゼミ合宿をしている

他にも昼食会(単に何曜日のお昼は学生と一緒に食べると決めるだけ)やお茶会、飲み会、タバコ休憩、英語勉強会など試してみたら良いと思う。私の周りの先生がたは、節目ごとに研究室でミニパーティーをしているところが多い。研究室配属、前期最後のゼミ、中間発表、本発表、後期最後のゼミや大掃除の際に、研究室で鍋、ピザなどをつっつきながら、ちょっとお酒を楽しむなどをしている。仲間と一緒に料理をつくったり、パーティーの準備をしたりすることで、研究室内で親密感が醸成されているみたい。

第四に、もし最悪の状態になったとしたら教員と学生の二者間で解決しようとせずに、大学のカウンセラー精神科のお医者さんに助けを求めて三者間(多くの場合は保護者も含めて四者間)で問題を扱う。教員も学生も専門家ではないので、過剰に責任を負いすぎないようにする。

大学のカウンセラーの先生が言っていたのは(私も研究室でうつ病の学生がいるのにショックを受けてカウンセリングを受けに行った)、次のこと。

  • うつ病患者は7人に1人の割合
  • 数年連続でうつ病の学生がでたとしても研究室の運営がどうのこうのという話ではない
  • できる限り病院にかかるのが重要
  • 教員が責任を負いすぎるのを防ぐ。大学の教員は研究と教育の専門家だけどカウンセリングの専門家ではない

また、学生から「自殺したい」という言葉が出たときに教員はある程度対処できるように心構えをしておくべき。実際にそのような事態に直面すると、本当に心臓が殴られたような感じになって、頭が麻痺してしまうけれども、7人に1人がうつ病である時代には、基本的な対応を心得ておくべき。私が参考にしたのは以下のサイト。

特に以下は読んでおこう。

注意しなければならないのは、以下のことだと思う。

  • 青年期の自殺は、何度か自殺予告を繰り返してから自殺するという特徴がある。「『死ぬ死ぬ』といっているうちは死なないさ」とは考えてはいけない。予告しているうちに、どうにか専門家の手を借りて死にたいと思っている原因を取り除くようにするべき
  • 相談されたときはひたすらに聞く。研究者として、教員として説教・議論したくなってしまう性質なのはわかるけれども、自分を押し殺してひたすらに聞き、同意する。自分を殺すことと交換にしてしか自分の思いを述べる機会を作れないと思い込んでいる相手のせっぱつまった気持ちを尊重する
  • 自分だけで問題解決を図らない。保護者、専門家、同僚の教員、自殺予告をした学生の友達など総力戦で行く。
  • 生きていればこそいろいろと誤解も解く機会もできるので、相手の理由が理不尽でも死なせないことが重要。

思ったより長くなってしまった。どうも、自殺すると研究室にお金が入る仕組みってないのかなぁを読んで、何かスイッチが入ってしまったみたい。

追記

このエントリーをたくさん見ていただいているようなので、他のエントリーも宣伝させていただく。お役に立てば幸い。

  • 研究能力の発達段階:もし、自分が成長していないと思ったら、これを読んでみて。絶対、研究室配属直後よりも成長しているから

追記(2011年11月9日、その1)

はてなブックマークのコメントより。冗談だと思いますが一応。

  • 博士課程の学生は死ねということですね。。。

このエントリーで「博士研究は別として、卒業研究と修士研究は成果ではなく努力を評価の対象としている。」と書いたのは、ほとんどの大学院で博士号取得要件として、査読付き雑誌論文X本以上という条件が課せられているからです。博士号取得のためには結果が求められます。その部分が卒業研究や修士研究と違います。

追記(2011年11月9日、その2)(2012年9月3日追記)(2013年2月14日追記)

卒論関係のエントリーをまとめました。ご参考まで。

特に努力が評価対象ですから、アウトプットを見せる必要があります。うまくアピールしましょう。

研究室やゼミの意義は他人と議論できること、他人が出されているダメ出しを聞けることです。

質問すること自体が苦手な方へ

hoge1919hoge1919 2008/10/20 10:53 質問しずらい雰囲気をその研究室は醸し出してるかもしれない、って発想はないんですかね。

>私にいつでも質問して良いことを繰り返し伝えている
># 一日で最初に会ったときに「どう、研究で何か困ったことある?」と尋ねる
># 自分が帰るときに「質問ある人いる?」と尋ねる
># 私の所属している研究室では、必ずゼミ合宿をしている

むしろこれらが逆効果になっているってことはないですかね?

どうにも上を読んでいると、「俺はこんだけケアしているし、がんばっている、問題は学生の側にある」ってことしか読み取れないんですよね。正直、こういう発想だと、かなりやばいんじゃないかな、逆に質問しずらい雰囲気を作り出している可能性を思い浮かべます。

いつも「どう、質問ない?」って言われて「あ、質問あります」って素直にできるような人であれば、自殺もしないだろうし、恐らく修士なんていかないんじゃないですかね。

なんかもっと研究室の指導教官と、院生との間の信頼関係の醸成が上手くいっていないように見えるのは私だけでしょうか。

キャリアカウンセリングレベルの相談が必要なんじゃないかな、と思えてしょうがないです。

参考書「適材適所の法則」
http://www.amazon.co.jp/%E9%81%A9%E6%9D%90%E9%81%A9%E6%89%80%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%92%E8%B6%8A%E3%81%88%E3%81%A6-%E6%9C%AC%E9%96%93-%E6%AD%A3%E4%BA%BA/dp/4569640362

斜め読みしている程度での感想なので、なんか誤解、誤読、認識不足でしたらすみません。ただなんか、読んで、これは・・・鬱になるかもしれないな、こんだけ用意している準備している、がんばっているってのが醸し出されてばな、とは正直思いました。ものすごい空回りの可能性が(双方で)。

next49next49 2008/10/20 13:32 >hoge1919さん

コメントありがとうございます。

> どうにも上を読んでいると、「俺はこんだけケアしているし、がんばっている、問題は学生の側にある」
> ってことしか読み取れないんですよね。

だいたい、hoge1919さんの読み取りのとおりです。私の正直なところは、
「俺はこんだけケアしているし、がんばっている、でも、これが限界。」
です。「問題は学生の側にある」とは思っておらず、「問題は学生の側にもある」
と思っています(つまり、私自身にも問題があると思っています)。

私が難しいと思うのは学生は一人一人考え方や感じ方が違うので、万能な方法が
ないという点です。

ある学生は、私が「どう、質問ない?」と聞くことはとてもありがたい
と言っていましたし(質問してよいタイミングがわかるので質問しやすい)、別の
学生は、hoge1919さんのおっしゃるとおり、プレッシャーに感じてしまうようです。

そこで、プレッシャーとして感じてしまうと思われる学生に対して、こちらから学生に
話かけないようにしてみたところ、ミーティングの際に「毎日、一度は質問がないか
どうか先生から尋ねて欲しい」と要望されてしまいました。

このような経験から、学生に「どう、質問ない?」と尋ねることが学生にとって
良いのか悪いのかを私が判断するのは無理と考えました。そこで、今年は、自分の
性格にとって負担が少ない「どう、質問ない?」と学生に尋ねるスタイルをとること
にしています。

> 研究室の指導教官と、院生との間の信頼関係の醸成が上手くいっていないように見えるのは私だけでしょうか。

信頼関係の醸成のために以下のことを試みているんですけど…。難しいものです。

信頼関係は、長い時間をかければ自然に成り立つものですが、卒業研究のように
短い時間の場合は信頼関係を結びたい者同士の決断(「俺はあいつを**の点で信頼する」)が
必要不可欠です。信頼関係といっても、「あいつの言うことなら何でもしたがう」というもの
ではなく、「あいつの言っていることをそのまま受け取っても良い」「あいつは、
俺の言うことをそのまま受け取ってくれる」という程度の信頼で十分なのですが。

>私にいつでも質問して良いことを繰り返し伝えている
># 一日で最初に会ったときに「どう、研究で何か困ったことある?」と尋ねる
># 自分が帰るときに「質問ある人いる?」と尋ねる
># 私の所属している研究室では、必ずゼミ合宿をしている

これらのイベントや行動は、短い時間で、学生に決断してもらうための
判断材料を提供するという意図があります(特にゼミ合宿)。

hoge1919hoge1919 2008/10/20 17:39 こちらの極めて乱暴なコメントに返答していただきありがとうございます。

以下のような例事例などあり、非常に難しい問題かと思います。

上司と部下の関係が悪い場合は上司に褒められても部下の責任感が低下する by JR西日本安全研究所
http://www.st.ryukoku.ac.jp/~kjm/security/memo/2008/10.html#20081020__human

指導教官と学生の場合、上司と部下、という関係とは言えませんが、ある面において、その学生への影響力は、仕事上の上司以上ではないか、と個人的には考えられます。

個人的に思うのは、「短期間の信頼関係」の場合、最終的な目的地に関して両者がすり合わせをしない場合、そしてそれに合意をしていない場合においてどこまで果たして学生側の信頼が得られるのか、難しいのではないか、と思います。

つまり、学生に関してのキャリアパス、学生が卒業研究後どうしたいのか、修士をとってどうしたいのか、ということに対しての学生の望み(それが極めて難しいのであれなんであれ)をどこまで指導教官と共有しているのか、ということでもあります。恐らくこれはキャリアデベロップセミナーで言われることに近いのではないか、そう思われてしょうがありません。

要するに学生の方々は、研究を行うその先、それに対する不安であり危機感、リスクなどについてのある程度の答えが欲しい、それに対しての協力が欲しいのではないか、と思うのです。


最初にあげました参考書籍など、もしよろしければご一読をお勧めします。学生の不安は、キャリアに不安を持つ社会人とある意味同様なものだ、と思いますので。また、もしよろしければ、キャリアデベロップに関して真面目に考えてみて、学生に当てはめてみてもよいかもしれません。社会人向けのキャリアデベロップセミナーに参加されても、恐らく得るものはあると思います。

乱文失礼いたしました。

工学系大学院生工学系大学院生 2008/10/21 00:29 はじめまして。
私は工学系の大学院生(修士課程)をやっているものです。
大変興味深い内容に、思わず読み込んでしまいました。

私の所属する研究室は、実質的に崩壊していると思います。
(詳しくここに書くことはできませんが。)

しかし幸いなことに、私は数多くの素晴らしい本などとの出会いがあり、
全く悩みもなく、心も体も健康に毎日を過ごすことができています。
ありがたいことです。

そして、私の所属する研究室を調和した状態にするには
どうしたらよいのかと考えていたときに、この記事を発見し
思わずコメントしてしまいました。


私のような若造がこのようなことを書き込むのもおこがましいのですが、
本を紹介させていただきたいと思います。

天外伺朗 著「マネジメント革命」講談社

著者の天外伺朗さんは元ソニーの常務で、
CDやAIBOの開発をされた方です。

また、松下幸之助さんなどとともに日本の名経営者と称される
ソニー創業者の井深大さんのマネジメントを
身近に見ていた方でもあります。

きっと、next49さんの役に立つ本だと思います。

どうか、学生さんたちを幸せにし、
そして世界に貢献する研究室をつくるような
マネジメントをしてあげてください。

以上、私のような若造が失礼な限りですが、
良かれと思って書いたことなので、
どうかご容赦ください。

工学系大学院生工学系大学院生 2008/10/21 00:52 追伸です。

next49さんも、どうか無理はなさらないようお祈りしています。

私はこのブログを始めて拝見したので、
next49さんがどんな方なのかは全くわかりませんが、
「UNIXでファイル移動」などと言っているところを見ると、
おそらく理科系の研究室の教員の方なのだと思います。

また、next49さんがどんなキャリアを積んでこられたのかも知りませんから、
正確なことはわかりませんが、大学の教員ということは、おそらく、
研究のトレーニングは積んでもマネジメントの訓練は
そんなにされてこなかったと思います。
(もし間違っていたら、本当に申し訳ありません。)

私も実践経験は乏しいのですが、
経営者向けの本をたくさん読んでいるのでわかるのですが、
本当に有能な経営者の方でもなかなかマネジメントが
上手くできなくて試行錯誤しているというのが実情のようです。

ですから、マネジメントの本格的な訓練を受けていない(であろう)
next49さんの研究室からうつ病が出てしまったというのも
ある意味では仕方なかったのかもしれません。
(その学生さんには申し訳ないですが。)

しかし、世の中には素晴らしい本などがたくさんあります。
経営者向けの本などは研究室経営の上でも役に立つと思います。
(机上の空論の経営学も多いようですが・・・。)

本当に偉そうで申し訳ないのですが、
next49さんも、是非、そういう本を読んでみるのも
いいかもしれません。

以上、失礼をいたしました。

next49next49 2008/10/22 21:30 >hoge1919さん

> 指導教官と学生の場合、上司と部下、という関係とは言えませんが、
> ある面において、その学生への影響力は、仕事上の上司以上ではないか、
> と個人的には考えられます。

おっしゃるとおりだと思います。

> 個人的に思うのは、「短期間の信頼関係」の場合、最終的な目的地に関して
> 両者がすり合わせをしない場合、そしてそれに合意をしていない場合において
> どこまで果たして学生側の信頼が得られるのか、難しいのではないか、と思います。

私の言う信頼関係とは、高々
「あいつの言っていることをそのまま受け取っても良い」
「あいつは、俺の言うことをそのまま受け取ってくれる」
この程度です。ですから、hoge1919さんが想定する信頼関係よりも
もっと、ドライで薄い関係を想定しています。

このぐらいの関係ならば、hoge1919さんの言うようなすり合わせを
必要としないと思います。(せいぜい、「君、卒業したいよね」
「はい、私は卒業したいです」ぐらいで十分かと)。

> つまり、学生に関してのキャリアパス、学生が卒業研究後どうしたいのか、
> 修士をとってどうしたいのか、ということに対しての学生の望み(それが極めて
> 難しいのであれなんであれ)をどこまで指導教官と共有しているのか、ということでも
> あります。恐らくこれはキャリアデベロップセミナーで言われることに近いのではないか、
> そう思われてしょうがありません。

私は、
1) 卒業後就職するのか?
2) 進学するとして、外の大学院にいくのか否か?
3) 博士課程まで進学する気持ちはあるか?
ぐらいを指導教員が確認しておき、この情報に応じて卒論や
修論のテーマを与えれば、指導教員の責任としては十分だと思います。

もちろん、指導教員が研究の相談から、進路の相談、恋愛や家庭の
問題など、何でも見事にアドバイスしてあげれれば良いと思いますが、
現実的には無理です。

現実的には、指導教員が相談にのれるのは
1) 研究に関する相談
2) 大学生活に関する相談(主に研究室での生活)
3) 進路相談(進学か就職か、進学するとしたら修士までか、博士までか)
ぐらいが、限界だと思いますし、これ以上を大学教員に求められてもなぁと
いうのが正直なところです。

大学として学生の進路相談にのるべきですが、それを指導教員がやらなければ
ならないとは思いません。キャリアデザインが難しくなり、将来への不安が
高まる現在こそ、むしろ、大学教員は自分の分をわきまえて、自分の得意分野で
学生と助けるべきだと思います。

> 要するに学生の方々は、研究を行うその先、それに対する不安であり危機感、
> リスクなどについてのある程度の答えが欲しい、それに対しての協力が欲しいの
> ではないか、と思うのです。

賛同します。賛同はしますが、あくまでもアカデミックな分野における話に
おいてのみ、協力できるのだと思います。

本のご紹介やキャリアディベロップメントという概念を教えていただけたことには
感謝いたします。読んでみたいと思います。

ですが、私は、大学の指導教員が学生のキャリアデザインまで責任を持つ
というのは過剰な責任であると思います(教員の影響力が今よりいっそう大きく
なってしまうのでよくないことであると思っています)。

next49next49 2008/10/22 22:27 >工学系大学院生さん

本の紹介ありがとうございます。今度読んでみたいと思います。

> どうか、学生さんたちを幸せにし、
> そして世界に貢献する研究室をつくるような
> マネジメントをしてあげてください。

激励ありがとうございます。
ただ、難しいのは研究室において、あるいは研究において
「マネージメント」という言葉を使うとき、それは一体
「何のための」マネージメントなのかということなんですよね。

マイケルマイケル 2008/11/16 12:43 急に書き込みをしてすいません。

修士の学生として学んでいます。

僕の研究室も同じような状況です。崩壊しています・・・。先生(教授)は、高齢のため実験内容に追いついておらず、こちらからの提案や質問にも「自由にやっていいよ」という状態です。
幸いにも、近くに優秀な助教の方がおられるため、ほんとうにわからない場合は何らかの提案をしてもらっています。

僕はこの悪循環を断とうと、上記にあることを実践してきました。特に僕が重要だと思ったことは「偉ぶらない」、「学生が多い昼間に来る」、「ユーモア」、(「飲みに行く」)ことだと思います。

上記に書いてあることは正しいことだと思います。僕の研究室にも悪循環で不登校になっている人がいます。しかし、「プライドが高い」、「自分の実力が分かっていない」という大きな壁があると思います。特に、プライドが高いのはめんどうで、そういう人に限って、夜の誰もいない間に、こっそり実験をして、こっそり実験を失敗→片付けなどを忘れている→学生内で不満が高まる→学校に来づらくなる→人が居ない時に実験をするのでアドバイスが貰えず、同じ失敗を延々と繰り返す・・・
明るい内に来れば?というだけで大分改善しました。

僕は学部生に色々なことを教えたりしていますが、先生がどれぐらいの内容がどれほど大変なことなのかあまりわかっておらず、常に論文を読んだりして調べてとてもしんどいです。

しかし、僕は上記にあるようなことはすべて自己責任だと思いがんばっています。研究室を選んだものも自分であり、研究室を変えることや、どこかに相談をするなどの行動を怠った学生も悪いのではないでしょうか?

環境が悪いなら、別の環境を選ぶなり、環境を変えるなりする学生は少ないのでしょうか?

上記にある悪循環に陥らないために、多くのことを平行してやることに慣れると、人間関係の調節の仕方、色々なものの考え方など多くのことが得れると思います。

next49next49 2008/11/17 01:37 >マイケルさん

> 僕はこの悪循環を断とうと、上記にあることを実践してきました。
> 特に僕が重要だと思ったことは「偉ぶらない」、「学生が多い昼間に来る」、
> 「ユーモア」、(「飲みに行く」)ことだと思います。

私も「ユーモア」というか「笑い」が重要だと思います。やはり、一日一度は
研究室が笑いに包まれるようにしたいですよね。

研究室に来る理由、あるいは研究室のメンバーと話す理由が「研究」だけに
なってしまうと、研究が進んでいないときに研究室に来るのがしんどくなって
しまいます。ですから、飲み会とかゼミ合宿とか、日々のおしゃべりを通して、
研究室に来る理由、話す理由に研究以外を付け加えるのが重要だと感じています。

ただ、学生との年齢差が年々開いていくので共通の話題を探すのがなかなか
難しくなってきました。

> 環境が悪いなら、別の環境を選ぶなり、環境を変えるなりする学生は少ないのでしょうか?

環境を変えるにはまず自分から変えなければなりません。
悪循環に入りやすい学生は、自分に自信があるので自分自身を変えるのが
苦手なように感じます。何かのきっかけで、自分自身が変わることに拒否反応が
なくなれば、悪循環の外に出ることができるのですが。

> 上記にある悪循環に陥らないために、多くのことを平行してやることに慣れると、
> 人間関係の調節の仕方、色々なものの考え方など多くのことが得れると思います。

そうですね。多くのことを平行して行うことができるというのは、自分の中に
複数の視点(役割)を同時に持つことができるということですから、悪循環に
陥りづらいと思います。

kuchinkekuchinke 2009/02/26 12:51 私は就職して1年目で鬱状態になりました。
たぶん、まさに
>野心的で、プライドが高くて、まじめで、やる気があって、私のアドバイスを「はい、わかりました」と元気に返すタイプです。
で、列挙された悪循環に陥りました。
しばらくして異動になり、ケロっと鬱は治ってしまいました。

上のコメントの通りだと思いました。
鬱の時は、鬱自体ではなく、
鬱の原因(私の場合は仕事)に対して悪あがきしてしまうんです。
結局はそれが原因ですから。
鬱であることは言い訳にできないプライドが邪魔してしまうんですね。

鬱の学生が減っても、それによって能力があんまり伸びない生徒が出てしまったり。
難しいですよねぇ。

next49next49 2009/02/26 15:10 >kuchinkeさん

現在はお元気そうで何よりです。
「鬱の時は、鬱自体ではなく、鬱の原因(私の場合は仕事)に対して悪あがきしてしまうんです」は
名言ですね。

> 鬱の学生が減っても、それによって能力があんまり伸びない生徒が出てしまったり。
> 難しいですよねぇ。

まあ、鬱の学生が増えると能力が伸びる学生が増えるわけではないので、
うまい方法を探していきたいところです。

わびわび 2009/10/11 12:06 私は今、工学部の4年生で電気化学の研究室に所属しています。
この時期になって、いまだに卒論に出せるようなデータがなくて、落ち込んでいるところでしたが、少し気が楽になりました。

next49next49 2009/10/11 15:58 >わび さん

研究者にならないのであれば、卒業研究を通して学ぶことができる
メタな経験や知識の習得がもっとも重要です。データ自身ではなく
データをとる手順、どうしてあるデータが「卒論に出せるようなデータ」と
みなせて別のデータが「卒論に出せるようなデータではない」のかの
理屈を知るのがとても重要だと思います。

よく食べて、よく寝て、よく気分転換して、乗り切ってください。

morikemorike 2009/10/22 07:13 まさに悪循環にはまっています。"14."が二回目って感じです。自分でもどこが悪いのかわからず、先生ともコミュニケーションを取れていません。自分が考えすぎることもあるのでしょうが。
ただ、このエントリーを読んで自分だけではないし、どこかで誰かがぶつかっていると思うと、ちょっと重たいものが多少取れた気分になりました。

next49next49 2009/10/22 10:35 >morikeさん

傍目八目と言いまして、どんなに優秀な人でも当事者であるかぎり見えないものがあります。
一方で、横から見ている傍観者は当事者が気がつかないことに結構気がつくものです。

今、morikeさんは横から見てくれる傍観者が必要な段階なのだと思います。もし、先生とうまく
コミュニケーションがとれていないならば、先輩や同級生、場合によっては研究室とは関係ない
知り合いに時間をつくってもらって、研究の目的、その目的のために今自分が取り組んでいること、
現在までの結果、何か行き詰まっていると感じていることを相手に丁寧に説明してみてください。

あるいは、先生に上記のことをメールで相談してみるというのも良い方法です。
仮に先生から返事が帰ってこなかったとしても、文章に書くことで当事者である自分が
傍観者の視点を得ることができるときもあります。

卒業研究や修士研究はどんなにしんどくても必ず終わりがありますから、今の自分ができる
ベストをつくせばそれでOKです。来年の4月には桜を見ながら笑えていると思いますよ。

俺 2009/11/22 15:34 まさに俺のことですね。
頭が痛いです。

next49next49 2009/11/23 01:41 >俺さん

他人の目を意識して振舞うと、なかなか自分の行動を変えられません。
あなたが成功しようが失敗しようが他人は気にしないのですから、
自分にとってベスト(あるいはベター)な行動をとりましょう。

頭が痛いならば、気取っている場合ではありませんよ。
「今、自分が一番最優先することは何だろう?」
「それを成し遂げるための最初の一歩は何だろう?」
「いつからその行動を始められるだろうか?いますぐは、できないだろうか?」
ぜひ、問うてみてください。

情報系大学院生情報系大学院生 2010/02/02 22:02 あまりにも今の自分と重なる部分が多く、投稿させていただきました。
今の自分もM1からM2に移る時期で、悪循環にはまっており、現在研究室自体変更しようとしているところです。
教授や助手の方から激しい言葉を浴びせられると、そこに悪意がないとわかっていても、思考停止に陥ってしまい、溺れてしまっている状況です。萎縮し続けるばかりで、信頼関係などの構築、再構築ができなくなってしまっています。
研究室を変わることで、変わるものではない。また自分で選んだ道から逃げるのか。そういった気持ばかり抱いてしまい、少しでも先に進まなければ、と考えています。

こういった場所に書き込むこと自体初めての経験でしたが、思わず発露してしまいました。失礼いたしました。

next49next49 2010/02/03 16:07 >情報系大学院生さん

研究室の変更については教員との相性問題もありますし、そもそも修士からは研究室を
移った方が良いという考え方もありますから、特に気にされない方が良いと思います。

一方で、
> 研究室を変わることで、変わるものではない。また自分で選んだ道から逃げるのか。
> そういった気持ばかり抱いてしまい、少しでも先に進まなければ、と考えています。
この自分を責める考え方はよろしくないので、一度、学内のカウンセリングサービスを
受けてみることをおすすめします。

悪循環は環境と自分の考え方の癖が相互作用して発生しますから、環境を変えるだけでなく
自分の考え方の癖もみなおしてみてください(ここで、カウンセラーの力を借りる必要がでてきます)。

情報系大学院生情報系大学院生 2010/02/03 18:53 突然のぶしつけな書き込みに、的確に応えていただきありがとうございました。
自分自身、頭の中では「ここで失敗しても死ぬわけではない」と理解はしているつもりですが、つい深刻な方向、自分自身を責める方向へと思考が傾いてしまいます。

今回のことで、家族や友人の方々に大変ご心配をかけてしまい、「申し訳ない」という気持ちでいっぱいになってしまいます。まさに「叱責されると立ち直れず、優しくされると自分が情けなくなる」という状況です。

これから就職活動が本格化しますが、同時に春休みという長期休暇に入るため、一度自分の癖と環境を見直して(カウンセラーの力など借りながらでも)、再出発をしたいと考えています。

ありがとうございました。

next49next49 2010/02/04 00:16 >情報系大学院生さん

> 今回のことで、家族や友人の方々に大変ご心配をかけてしまい、
> 「申し訳ない」という気持ちでいっぱいになってしまいます。
> まさに「叱責されると立ち直れず、優しくされると自分が情けなくなる」という状況です。

かなり精神的にお疲れだと思います。ぜひ、カウンセリングを受けてみてください。
私もちょびっと参ったときに受けましたがかなり気が楽になりますよ。

文系博士文系博士 2010/03/05 01:54 はじめまして。ネットサーフィンをしていまして、このエントリを見かけまして、他人事とは思えないので、コメントします。

私は、今年の3月に博士号を取得予定(審査はもう通過しました)、4月から某大学の任期付助教として内定を頂いている者です。ただし、文系なので若干勝手は違うかもしれませんが、ご容赦下さい。

私の場合、修士から博士課程に進学する直前に、修士課程の時の指導教官が定年退官を見越して某私立大学に移籍しまして、私は経済的負担などの事情から、出身大学に残ることにした結果、博士課程の指導教官は別な人が担当することになったんですよ。で、その時まで現在の指導教官とはそれほど縁がなかったんですよ。

私は、こういってはなんですが、そこそこ賢い人間でして、物事の切り替えが早い方なんですよ。遊ぶときは思いっきり遊ぶけど、研究に専念するときは、徹底して集中。飲み会などで適度に息抜きをしつつ、それ以外の場面では研究に集中。

そうすると、指導教官としては、私が遊んでいる(ように見える)場面しか遭遇しないわけです。で、「あいつは研究に手を抜いている」、「どうも真面目に研究をしていないように思われる」というコメントを(私がいない場面で)していたようです。それを先輩から聞いたときに、指導教官に対する不信感が沸々と湧いてきまして、エントリにあるような状況になりました。

つまり、「俺は同期の中でも、本気で研究に打ち込んでいる。集めた資料、分析した量なら絶対に負けない」→「指導教官は、俺のことを批判した。でも、俺はこれだけやっている。なんで指導教官は俺の研究業績を認めないんだ」→「やっぱり修士から博士の時に指導教官を変えたことが気にくわないのか。あるいは、俺のことが嫌いなのか」という連鎖です。

私は、他の先輩と比べても、研究で手を抜いたことはないと自負していますし、博士論文完成に向けて、全力を投入して研究していました。ですから、「俺の研究を認めないのは何故だ!なんであいつをかわいがっているんだ。あいつなんか学歴ロンダリング組じゃないか。あんな奴なんかに負けてたまるか」と怒っていました。その結果、他人とコミュニケーションを取らない状況に陥りまして、自分に苛立つ→文字通り寝食を惜しんで研究に打ち込む→でも、指導教官からは認められない。たまに話すと、自分の研究に対する批判(本当は尻たたきだったかもしれない)→自分に苛立つ(指導教官に苛立っているけど、正面切って言えない。もともとコミュニケーションがとれていないから話しかけにくい)という悪循環でした。

ほかにも、ティーチング・アシスタントやリサーチ・アシスタントなどの大学院生がやるアルバイトの配分が、私には、回ってこないで、結局、修士から指導している後輩に回ったり。

正直に言いますと、博士号を取得し、助教の内定を貰った現在でも指導教官を完全に信頼できていません。もともと指導教官は口数が少ない人間でして、雑談なども一切しないんですよね。研究の話だけしかしない。だから、指導教官の口から出るのは、私に対する批判だけだったんですよ。それでストレスが溜まって、上記のような悪循環。

結局、悪循環から抜け出せたのは、同居している親から、「最近いらいらしている様子だから、スポーツでもして気分転換すれば?」という一言でした。スポーツをして気分をスカっとさせるようになってから、ストレスも発散、体力の向上が実現し、結果として、論文執筆の良い気分転換になりました。

>努力しているかどうかは他人からどのように見えるかということに左右される

これ、私のように、物事の切り替えをスパッとやる人間には不利。頭の回転が鈍い人間の方が、とにかく真面目に研究をこなしているように見えて、印象が良いんですよ。飲み会くらいは研究を忘れて、楽しくおしゃべりしたい、馬鹿話をしたい。私はそう思っていますが、世の中はそうも行かない。

今思うと、指導教官とのコミュニケーション不足が決定的な要因でした。本当に不足していました。だって、指導教官が、博士号取得申請の際に必要な履歴書を見たときに、私の出身地を初めて知ったくらいですから。私には、もう遅いですが、後輩の方には、コミュニケーション不足に陥らない方が良いと切に思います。このエントリ、むしろ私の指導教官に見て欲しいです・・・・

next49next49 2010/03/05 11:57 文系博士さん

めぐり合わせが悪かったですね。
ただ、そういう環境においても状況をいくばくか改善するとしたら、
わざと努力を見せつけるという技術を用いるのがよかったと思います。

> これ、私のように、物事の切り替えをスパッとやる人間には不利。
> 頭の回転が鈍い人間の方が、とにかく真面目に研究をこなしているように見えて、
> 印象が良いんですよ。

確かにそうですね。ただ、自分が評価する側に回った今でしたらわかると思いますが
学生がまじめに研究しているかそうでないかを判断するのはとても難しいことです。
ですから、「物事の切り替えをスパッとやる人間」は、そうでないタイプの人にも努力している
ことがわかるように防衛的手段を講じておく方がよいと思います。

4年生4年生 2010/03/17 04:01 はじめまして、ネットサーフィンをしていてこのサイトを見つけ、泣いてしまいました。
コメントというよりはただ自分の感情をぶつけたいだけです、すいません。

私は、もう卒論発表を終え、後は卒論を書きあげ提出するだけなのですが、書くことができません。
卒論を書こうとすると何だかわからないイライラ感や苦しい気持ちでいっぱいになり投げ出したくなります。
はじめは話したことない人ばかりと同じ研究室になり、「ちょっと研究室に行きづらいな」程度でした。
しかし、配属された最初のころは特に指示されるわけでもなく、暇なときに研究室に来なさいと言われました。
当時は部活をやっており、行きづらかった私はそれを言い訳にあまり研究室に行きませんでした。
また行ったとしても、何をしていいかわからずただ居づらい空間にずっと居るだけという状態になってしまいました。

4年生になって卒論のテーマが決まったのですが、そのときにはもう「研究室は居づらいもの」になっていました。
テーマが決まっても何をしていいかわからない、指示されても使い方がわからない、質問するのも怖いから質問できない、だからわからないまま時間だけ過ぎる。
まさにここで書かれている状態になっていました。
さらに、研究室に行くことに恐怖を感じるようになりました。あるとき、次の日の準備のために研究室に行く必要があったのですが
研究室の前まで行くと恐怖でドアが開けられませんでした。何がどう怖いのか自分でもよくわからないのですが、とにかく入ることができず、家に帰りました。
夜、メールが入り、卒業できないかもしれないぞと言われたので急いで研究室に向かいました。
当然、怒られました。しかし、なぜ来なかったのかといわれても説明できず、ただ怒られて終わりました。
それから何度も同じようなことがありました。

それでも、ある程度たったころには卒論のために同じ作業を繰り返すだけになったので、その作業を繰り返すことだけに一生懸命になりました。
しかし、誰かに見られていたり、同じ空間にいることがつらかったので休日や早朝に作業を行うようになりました。

その後、卒論発表まじかになって卒論を書かなくてはいけなくなりました。この時がきっかけだったと思います。
今までは、どんなに嫌でも、ゼミなどの全員が集まる時には集まっていました。
しかし、もうゼミにも参加できなくなり、携帯の電源を切りっぱなしにしていました。
とにかく、「卒論を書かなくてはいけない→書き方がわからない→でも聞くことができない→順調ですと嘘を言う」の繰り返しに堪えられなくなりました。
それでも行かなくては卒業できないと思い学内をウロウロしていたときに院生に見つかりなぜ来ないのかと聞かれました。
私は意を決して「怖くて研究室に行けない」と答えました。すると、院生は理解を示してくれ、「あまり思い詰めるな」と言ってくれました。また、院生は私が早朝などに作業をしていたことを知っていたので、教授などにもサボっているわけではないと説明してくれました。
これで、私は気が楽になったと思いました。でも何も変わりませんでした。相変わらず、研究室にいることは苦痛でドアを開けることに勇気が要りました。どうにか発表を終えたものの、卒論を書くという作業ができなくなりました。なにをしなければいけないか、どうすればいいかわかっている。院生や教授も自分の置かれている状況をわかってくれているし、手も貸してくれる。
でも何もできない、助けてくれということができない。毎日ずっと寝ていたくて、夜中にメールが来ていないことを確認するとホッとする。でもこのままじゃいけないと思う。それでもなにもできない。辛い、明日やろう、明日やろうの繰り返し。
院生や教授に「できるか?」と聞かれたら「できる」とこたえてしまう。辛い辛い辛い。もう嫌だ。

多分、返信頂くころには締め切りなので何らかの結果は出ていると思います。本当にただ書きたかっただけです。
意味深な書き方になってしまいましたが、ひとつ前向きに考えるなら死ぬほど辛いとか苦しいとか思ったことはありますが、「死にたい」と思ったことはないです。多分これから先もその選択だけは絶対にしないと思います。では、できれば無事に卒論を提出できたとここに書き込めるようにしたいです。

next49next49 2010/03/17 09:43 4年生さん

> はじめまして、ネットサーフィンをしていてこのサイトを見つけ、泣いてしまいました。
> コメントというよりはただ自分の感情をぶつけたいだけです、すいません。
まったくかまいませんよ。逆に感情を表に出す手助けができて嬉しいです。

> 私は、もう卒論発表を終え、後は卒論を書きあげ提出するだけなのですが、
> 書くことができません。卒論を書こうとすると何だかわからないイライラ感や
> 苦しい気持ちでいっぱいになり投げ出したくなります。
もう、卒業まで間がありませんが、ぜひ、大学のカウンセリングサービスを
受けてみることをお勧めします。4年生さんが精神的に弱いとか、怠けている
とかでないと思います。お医者さんにいって薬を出してもらうだけでかなり
状況が変わってくると思うのでできるかぎり、カウンセリングサービスを
受けてください。

あと、私のコメントお読みいただけるかわかりませんが、もう卒論発表を終えられている
こと、体調的にもかなり良くないこと、努力していることは教員はよくわかっている
ことから考えると、4年生さんが為すことは「最低限卒論といえる形式が整った文書」
を作り出すことです。

非常にざっくばらんにいってしまうと、教員の立場としては、卒論の提出がなく
卒業させることはできませんが、とりあえず卒論と呼べる文書があるならば
卒業させることができます。

卒論と呼べる文書とは、簡単にいえばパラパラ眺めるだけならば
ちゃんと書いてある卒論と区別がつかない文書のことです。具体的には、
1) 指定された書式に則っている
2) 章構成がちゃんとしている
3) 参考文献の形式がちゃんとしている
4) 各章が少なくとも2段落以上で構成されている
5) 図や表がちゃんとしている
という文書です。

いろいろと体調も悪いと思いますが、とりあえず卒論の形式だけ整え、
過去の先輩の論文や本などから切り貼りして、ページを稼ぎ、それに
図や表を追加したものを作りましょう。それができれば最低限OKです。

教員があなたを手助けして卒業させられる形式(証拠)を整えてください。

nekoneko 2010/04/24 22:27 初めて書き込みさせて頂きます.

今,理系の院生2年目のネコです.
私自身は,興味もあり学部からそのまま現在の研究室に所属しています.
けれども,学部生のときからM1にかけて記事の内容に近い状況におちいてしまいました.
M1の夏に,自分が壊れることを危惧して,半年休学しました.

その半年の間,自分と研究室の関係を客観的に見ながら,カウンセリングに通っていました.
私自身の反省点として,この記事の内容が何点か当てはまっていると思います.
それに加え,指導教官が見ていないところでのゼミ生の態度やゼミ生間の関係も原因の一つでした.

なので,教員と学生の二者間に目を向けるだけでなく,他の外的要因も考慮し,ケアしてもらえると学生の立場としては嬉しいです.
教員の方にとっては大変なことだとは思いますが….

next49next49 2010/04/25 16:12 nekoさん

こんにちは。おっしゃるとおり、教員と学生との間の事柄以外については
教員がケアするのはとても難しいです。

> それに加え,指導教官が見ていないところでのゼミ生の態度やゼミ生間の関係も
> 原因の一つでした.
>
> なので,教員と学生の二者間に目を向けるだけでなく,他の外的要因も考慮し,
> ケアしてもらえると学生の立場としては嬉しいです.

たとえば、どういう部分に目を配り、何を防げばそのときはよかったでしょうか?
よろしければご教示いただけますか?

nekoneko 2010/05/01 18:48 お返事ありがとうございます。
教員と学生間の事柄以外で、教員がケアできそうな事柄として、学生同士の関係があると思います。
”担当教員が見ていないときに先輩が、後輩とどのように接しているか”
これは先輩の実力や学力の問題ではなく、指導方針や指導方法の問題だと思います。
あとは、研究室での日常生活などです。

私は当初、先生や先輩に相談をしていました。
先輩といっても院に残っていた人が1名だけでした。
先生の指導は特に不満などはなかったのですが、先輩の方に不満がありました。
その先輩は質問や相談に対してわかりきった回答、こちらのことを全く配慮しないような人でした。その結果、私が休学している間に、他のゼミ生と衝突したりしたようです。

担当教員が見ていない部分での話なので、目を配るのは難しいと思います。
ただ、ゼミ生と会話をするだけではなく、ゼミ生同士の会話を少し眺めて、ゼミ生の関係に関して、時と場合によってケアをしていただけると学生の立場として助かります。

あとは、もし学生がカウンセリングに通っていることを知っているのであれば、どのような点で悩んでいるのかカウンセリングの方に聞くのもいいかもしれません。
ただ個人的な部分もあり、カウンセラーの方が教えてくださるかはわかりませんが…。


上手に文章を書くことができず、伝わるかどうかはわかりませんが、私が経験し答えられるのは以上の事柄です。

next49next49 2010/05/01 23:59 nekoさん

ご教示ありがとうございます。
ご提示くださったこと良く分かります。ただ、個人的にはちょっと難しいですね。
学生同士のいざこざが目に見える状態ならば、遠慮なく介入しますが
見えないとなるとちょっと難しいですね。

ハルハル 2010/07/13 18:24 はじめまして,ハルと申します.
地方国立大学で情報系大学の修士学生です.

ここにきて「研究とは何か」というのがわからなくなってしまいました.
「勉強」と違い「大学」での「研究」です.自分以外の何かに貢献するのが「研究」であると私は考えました.
だから「何故この研究をしなければいけないのか?」の問いに「学生視点(身につく力等)」「教員視点(自分自身の野望等)」「大学視点(社会への貢献目的等)」で答えられる教員であってほしいなと思います.

人それぞれだとは思いますが「何故この研究をしなければいけないのか?」の問いの答えがかえってこなかったことは
私にとって「目的を奪われた」のと同じでした.

出てくるのは愚痴ばかりで,カウンセラーに相談すれば
「研究のことはよくわからない,担当教員に相談すればいい」
担当教員に相談すれば
「精神的なことはよくわからない,カウンセラーに相談すればいい」

そして,結局不眠で精神科通いです.
今後は自分の独自の方法で研究を進めていきたいと考えていますが,
精神状態も危うく苦しみはまだ続いています.

結局は巡りあわせなんだなと私は思いました.
だったら大学院なんかいかなければよかった,今はそうかんがえてしまいます.

触媒M2触媒M2 2010/07/16 23:30 はじめまして。私は触媒化学系のM2です。

Yahoo知恵袋のとある質問の中にここのURLが貼ってありました。
研究室生活の悩みが自分だけでないことを知っただけでも少し楽になれました。
読んでいて、自分は典型的な鬱になりやすい学生なのかなと思いました。

現在、研究生活に支障をきたしています。
遅刻と欠席を繰り返して、悪循環に陥っています。
特に困っているのは夜寝付けないことと、朝起きて研究室に行く気力が出ないことです。
夜眠れないときは次の日の研究室も寝ずに行って、何とか実験をこなします。
でもその日の夜は深い眠りに落ちて、次の朝に起きることができません。
つまり、2日に1度寝る生活を約1月ほど繰り返しました。
現在は少しよくなってきたのですが、不眠と朝辛いのは続いています。

このような状態に陥ったのは就職活動を終えてからです。
原因は考えてみました。
・まず最初に辛い就職活動で憔悴してしまい、そのまま研究生活に戻ったこと
・就職が決まったことで、現在の研究に対する動機付けが薄くなっていること
・納得して就職活動を終えたはずなのに将来に対する不安が尽きないこと
他にもいろいろありますが、
つまり、「就職」と「現在の研究」と「将来の不安」を上手く自分の中で消化できていないのかなと
思っています。

それまではある程度の結果を出すことができていて、
指導教員との関係も良好だったのですが、
就職活動を終えてから遅刻と欠席を繰り返しているため、関係は悪化し始めました。


少し前、ついに呼び出されて絞られてしまいました・・・

それからは、指導教員の目を気にするようになってしまい、
余計に朝起きて研究室に行く気力がなくなって、夜も眠れないし、
その結果、社会にでた後も仕事をしていくも自信を無くし、
学会で発表する自信も卒業する自信も失いかけています。

教員に怒られても「精神的につらいんです!!」と言うことはできません。
もしこんなこと言って
「こいつは研究に向いてないな」、とか
「卒業できる最低限のことやらせておけばいいか」、など
こんな風に思われるのがすごく怖いです。
研究は真面目に取り組みたいし、結果も出したいと考えているので(典型的なうつ学生ですね)
何とか立ち直るまで、暖かく見守ってくれないかな・・・と祈っています。

そういえば私の指導教員は
「不真面目な学生がいると研究室の規律が乱れる。他の学生に悪影響を及ぼす。」
と言っていました。
遅刻欠席を繰り返している私を放って置かないと思います。
私は箱の中の腐ったリンゴに見えるんだろうな・・・
私が立ち直る努力をしている間に、見捨てられたら本当に立ち直れなくなってしまいます。
それも怖いです。

教員の立場からするとやはり研究室の規律は保たなければならないですよね。
その中で精神的に落ち込んでいる学生の扱いは難しいですね。
本当に指導教員には申し訳ないなと思いながらも、精神的にまいっています。



いろいろ書きましたが、本当は遅刻欠席に対するただの言い訳なのかもしれません。
本当は研究なんてやりたくなくて、単純に朝遅くまで眠っていたいだけなのかもしれません。
もうわからないです。

意図が見えにくい長文ですいません。
心の内を打ち明けさせていただきました。すいません。

next49next49 2010/07/17 09:00 ハル さん

お返事をかきたいのですがうまくまとまりません。
別エントリーをたててお返事いたします。

next49next49 2010/07/17 09:15 触媒M2さん

いかなる病気もそうですが、自己診断はいけません。
それ以上調子が悪くなる前に、専門家の援助をあおいだ方が良いです。
まず、大学のカウンセリングサービスを利用しましょう。

そして、カウンセラーの助力を得て、指導教員ともすなおに相談してみましょう。
理由がわからないと教員も助力ができません。他の学生との公平性のために
一応叱らないといけないのです。

教員も人間ですし、ときどき論文が書くのが嫌で、大学の業務をするのが嫌で、
試験やレポートの採点をするのが嫌で、布団から出たくないときがあります。
ですから、あなたの気持ちは絶対にわかってくれます。

騙されたと思って、とりあえずカウンセリングを受けてみてください。

it55it55 2010/08/05 13:56 修士卒業がやばい状況です。
私の学科は修士審査で落とされるところです。はっきりいって、具体名は言えませんが、新しい分野であるため、実力が伴っていないのに教授になってしまっている人たちがほとんどの学科です。システムエンジニアレベルのこと、もしくは情報系の超簡単なアルゴリズムや数学理論を引っ張っくるだけのことしかしていません。

私の教授に関しても難易度を考えられずに私にテーマを押し付けました。しかも、その分野のことを数年前にやったらしいのですが、実際は数十年前の簡単な数理モデルを私の分野に適応しただけで、それで専門家と名乗っているのが状況でした。実際になんとか適用できそうなアルゴリズムを見つけ自分の課題に合わせて実装したのですが、結果があまり出ませんでした。最先端のアルゴリズムを適用しても解決に至らないことは勉強しはじめてからわかったことでした。しかし、修士卒業したいため、なんとかやりました。理論的背景は数学科を出身の人でもかなり難しいらしく、かつ私が参考にした論文も最高峰のジャーナルのものですが、間違いだらけで著者が理解しきれていないと思うといわれました。

結果として、結果もあまり出ていない、理論的背景も理解しきれていないという状況に陥っています。教授が実現可能性を考慮することができず、あまりにも難しい課題を与えられたあげく、しかも指導教授おろか教授陣にその難しさも理解されてもらえなさそうですし、指導教授は簡単なことしかしていないと思われているようです。また、教授にとって難しいことを言いだすと教授はキレて暴言を吐いたり、質問することは勉強不足だと私のせいにされます
。修士審査に関しては、いちおう卒業させるつもりらしいですが、たとえば数学科出身の他の教授が私を叩いて私がうまく理論的背景をこたえられない場合、留年もありえると思っています。現に去年もその例がありました。口では卒業させる、よく頑張ったといっていても、審査で学生が叩かれると、理解していないため、学生は完全に努力不足で、かつ進捗報告もあまりしなかった(実際相当してきた)と堂々と審査でいったのです。先輩方や講師の方も数学的に難しい課題のため、聞いても何の解決にもならないです。また、誰かに相談しようとすると他人の邪魔をするなと指導教授が言っている状況でもあります。

正直こんな状況なのですが、どうしたらいいのでしょうか?なんとしても卒業したいです。落ちれば人生が狂います。説明が下手なのですが、書いて質問するだけでも心が落ち着くかもと思って書きました。駄文すみません。

next49next49 2010/08/07 20:45 it55 さん

長くなりましたので、お返事はこちらのエントリーに書きました。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20100807/p1

tarotaro 2011/02/05 22:55 大学院を卒業できないのではないかと、不安になっていたところでここを見つけました。

私と教授は悪循環の結果、破綻している状況です。
顔も見たくないので、気配を感じると逃げています。
同期の学生のおかげで研究室にいられます。

もっと早くここを見つけていたら、まだマシだったかもと後悔する部分もあります。

でも、卒業に関しては修論や発表をこなせば大丈夫そうなので、少し気が楽になりました。
ありがとうございます。

みなさんのコメントにも共感するところがあって、励まされました。

next49next49 2011/02/07 11:23 taroさん

状況がまったくわからないので助言できませんが、最低限度の挨拶や意思疎通は
しておいた方がよいですよ。

とある修士の研究時代とある修士の研究時代 2011/03/18 00:09 はじめまして。この記事を興味深く拝見させていただきました
現在自分が置かれてる状況とその因果関係が酷似しており驚いています。

私は学部トップの成績で、それなりの誇りをもって研究室へ配属となりました。
そこで、有機化学・天然物化学系の研究をしているのですが
この記事で書かれているような負の連鎖に陥り
研究が上手くいかないことから焦り・不安を感じ、そして上手くいっている研究室のメンバーへの嫉妬から攻撃的になりました。いわゆる、精神の弱い、落ちぶれた奴です。

それが表に出てしい、研究室から孤立している状態になりました。
本当はメンバーといろいろ議論したいのです。自分の仮説と他人の考えをぶつけ合い、切磋琢磨するのが夢で修士に行こうと思ったのです。けれども私の2年は自意識過剰な自尊心による自爆で、他人への憎悪と自分への劣等感で塗り潰されました。

もっと早くこの記事を出会っていれば、もっと違った結末だったかもしれません。
手遅れだと思いますが、もう一度、一から本当に基本的なことからやり直してみようと思います。あと9ヶ月ほどしかないですが、最後は笑って研究室を卒業できるように頑張ってみます。

長文ありがとうございました。

next49next49 2011/03/18 21:10 とある修士の研究時代さん

私のエントリーがなにがしかのお役にたてたようでうれしいです。ありがとうございます。
こんな大地震が突然発生するような状況でちょっと説得力ないですが、人生は長いので
修士の1年半ぐらいのトラブルは、人生終了の合図ではなく、これから大きく成長するための
有益なエクササイズになっていると思います。

相手が とある修士の研究時代さん の振る舞いをどう受けとるかは相手の問題であり、
ご自身の問題ではありません。ぜひ、悔いの残らないように前向きに楽しく残りの期間を
過ごしてみてください。

3.5年生3.5年生 2011/03/24 03:07 はじめまして。
卒論、鬱で検索していてここに辿りつきました
某国立大学理系の新4年生です。
エントリーを読んでいて「鬱症状を起こしやすい学生」に
自分の性格が結構当てはまっていて、驚き半分納得しました。

実はいま、研究室のことで悩んでおり
初期(だと思います)の鬱状態になっています。
まだ正気は保っていますが。

4月から卒研のための研究室に配属されることになるのですが
ここ1カ月ほどで、自分とその指導教官の性格が合わないというか
「卒論」に対する認識に隔たりがあるのではないか
と感じるようになりました。
端的に云うと、教官はどうやら放任主義ないしは
「学部生の卒論だし、研究の練習と思って適当にやっておこうね」
という考えの持ち主であるようなのです。

もちろんそうした考え方もありだと思いますし
卒論の考え方としては別に的外れな考えでもないと思います。
問題は、そうした教官に指導された(はずの)旧4年生の卒論が
「卒論」としての形にすらなっていなかったことなのです。
私としてもあまり悪くは言いたくないのですが
ちょっとこれはどうなの? という卒論内容でした(実験をほとんどしてない、考察をしてない、何が分かったのか不明、テーマと無関係な作業をしてそれを卒論の「結果」として提示するetc)。

これではだめだ、自分から動かないと大変なことになると思い
積極的に教官の所へ行き、色々質問したりつっついたり
独自のテーマを立ち上げて議論してみようとしても
なんだかぼんやりとした返答ばかり。
卒研のスケジュールについても
他の研究室に比べて随分とのんびりしているように感じ
さらに今後のスケジュールや予定を聞いてみても
曖昧な返事しか返ってこず不安が募るばかりです。

実は教官の側も、就任されて日が浅いので
卒論の指導要領が掴めきれていないのかもしれません。
あるいは学生のレベルが分からず
どの程度の難易度のテーマを示し
どのタイミングでどの程度指導すればよいのか
手探り状態なのかもしれません。

しかし教官の言動を側で見聞きし、質問を重ねていると
教官はどうやら「卒論」をあまり重要視していらっしゃらないように感じられるのです。
もちろん過度に卒論を重んじ
自分の面子のためにいい結果を出せ、というような方は論外ですが
逆になあなあ過ぎるのも考えものだと思います。
少なくとも私は嫌です。
そこで色々してみたのですが
最近ではのれんに腕押し状態に疲れてしまい
卒研のことを考えると吐き気がしたり無気力になったり
参考論文を読んでいると泣けてきたり
ただ座ってるだけなのに、血の気が引くような感覚がしています。

研究室を変えることも考え
実は前にも学生相談課の人や他の教官と相談の場を設けたのですが
「彼もまだ慣れていないだろうから」ということで
当面はいまの研究室でやっていくことになりました。
ですが、どうしても教官への不信感と齟齬感が払拭されず
むしろ体の調子は日に日に悪化していっています。
この旨を訴え、研究室を変えてくださるようお願いした方がいいのかな、とここ数日は考えています。

しかし研究室を変えるとなると
今度は別種の問題が頭の中に浮かび(どこが受け入れてくれるのか、そこで自分は何をするのか、受け入れ先と元いた研究室の関係が悪くなったりしないか、あまり騒ぐと今の教官が傷ついてしまうのではないか)躊躇してしまいます。
加えて私は院進学を考えていたため(当然、いまの研究室でそのまま持ちあがるつもりでした)そのことも考えなおさねならず
もうどうしていいか分からない八方ふさがりの状態に陥っています。

自分の頑張りが足りないのかな、とは思います。
もっと質問すればいいのかな、とも思います。
でも何をどこまでどのように頑張ればいいのかが全く見えず
教官の反応も薄いままで
何だかあがくのに疲れてしまいました。
もうどう動いても誰かに迷惑をかけたり困らせたりするくらいなら
休学してしまうのも道かな、と考え始めています。

ぐだぐだとやくたいもないことを書いて申し訳ありません。

next49next49 2011/03/28 02:33 3.5年生さん

お返事をエントリーとして書きました。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20110327/p2

nakanakanakanaka 2011/08/06 19:48 はじめまして。
私は、理学系のM1です。この記事に書かれている内容に酷似している部分が多く、非常に興味深く拝見させていただきました。

私の周りには、非常に優秀な同期の学生しか居らず、自分でどれだけ本を読んで勉強しても、ゼミで私だけ叱られ続けている日々です。質問しても「○○の本に載っている」とか「こうすれば出来るんじゃないか」とはぐらかされたり、時には冷たく怒られたりすることから質問に行くことも出来ず、結果自分一人でやるしかなくなって悪循環に陥ってしまい一時期冷めた態度で攻撃的になってしまいました。

その後、同期の学生に励まされ今は、なんとか気持ちを抑えて耐え続けている日々です。少し研究から距離を置こうかなぁ

next49next49 2011/08/10 05:14 nakanakaさん

信頼を築くのは難しいですが、崩すのは一瞬です。
一度、教員に悪印象を与えるとなかなかその印象をとるのが難しくなります。
ぜひ、コンスタントにアウトプットを出して、教員の印象を変えるようにしてください。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20100430/p1
http://d.hatena.ne.jp/next49/20100528/p1

あんまりつらいようでしたら、修了することだけを考えて防御的に振舞っては
いかがでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20100207/p2

ごんべえごんべえ 2011/08/11 23:03 すくなくとも「『○○の本に載っている』とか『こうすれば出来るんじゃないか』」というのははぐらかしているわけではなくて、まじめなアドバイスであるものと考えて、そのとおりにやってみることをお奨めします。
それで、1日くらい努力してわからなかったらまた聞いたらいいでしょう。(1日くらいが基準だと思うけど、事情によって数倍の違いはあるかもしれないという幅です)。下手の考え休むに似たりということもあるので、実力が足りないうちほど短い間隔で相談したほうが良いでしょうが、自分で考えるのが1時間以下とかは学生としてはありえんだろうというところですね。

M1の前半で大事そうなことは、これから何を解明しようとするのか、そのquestionをしっかり把握することですね。テクニカルに問題があるところはいろいろあって叱られても、そんなものは直すのは比較的容易でしょう。どんなquestionを解こうとしているか、そのquestionに答えることにはどのような意義があるか、そのquestionに対してとろうとしているアプローチは現実的に答えを出しうるかというあたりを押さえておけば、多少思ったように進まなくても修士論文の発表で困らない程度の結果にはなります。

まあ、暑いですがひどい夏ばてにならぬよう体調管理することこそ重要かもしれません。

kingofbanditkingofbandit 2011/11/08 19:16 はじめまして.

現在修士2年で,情報分野での教育工学の研究活動を行っています.

大変興味深く拝見させていただきました.できることなら,修士進学以前にこのエントリーを読んでおきたかったです.

私は,エントリーで紹介しているような悪循環を防ぐために,3つのポイント以外にも,研究に対するモチベーションの管理が重要であると考えますがどうでしょう?いわゆるアメとムチというやつです.

私の所属する研究室でも,元気がよく,研究熱心な学生がいます.その学生は,就職活動の影響もあってか,つい先日まで鬱に似たような症状が見受けられました.それでも,中間報告などでは容赦なく指摘や質問を行います.学生に鬱の傾向が見られたとき,指導に「少しほめてみる,良い評価をする(アメと言えるかわかりませんが・・・)」といった方針を追加してみたところ,自分から質問に来たり,参考意見を聞きながら課題解決に向かうといった,良い方向に積極的になってくれました.最近は,やる気と意欲が見受けられるので,恐らく鬱は緩和しているのではないかと思います.

事例が少なく,また私の研究室の規模も小さいため,効果的であるかどうかはわかりませんが,やる気をうまくコントロールできることが悪循環を防ぐ手立てになるのではないかと思い,コメントさせていただきました.

それにしても,どこの研究室でも似たような問題を抱えているものなのですね.修士になって,他大学との交流を頻繁に図るようになってから,どこの研究室でも似たようなことを耳にします.

改善の糸口を見つけるためも,これから定期的にブログを拝見させていただきます.

長文失礼しました.

next49next49 2011/11/08 22:32 kingofbanditさん

> 私は,エントリーで紹介しているような悪循環を防ぐために,3つのポイント以外にも,
> 研究に対するモチベーションの管理が重要であると考えますがどうでしょう?いわゆる
> アメとムチというやつです.

そう思います。ただ、そのモチベーション管理を指導教員や研究室の先輩がしなければ
ならないとは思いません。良い評価をできる点があるならば、どんどんと評価するべき
なのはおっしゃるとおりだと思います。どうしても、悪い方ばかり目についてしまうので
意識的に褒めることを多くしないとバランスが悪くなりますよね。

匿名匿名 2012/01/04 16:25 修士時代に先生のおっしゃる様な悪循環に陥り、大学にいかなかった期間があるものです。
今は修士を卒業し、就職しました。

今振り返ってみると色々ありますが、何故あんな状態になったのかを振り返ってちょっと先生の考えと比較してみたいと思います。

【?】研究室の状況が過酷すぎた
個人の強さにもよりますが、耐えられる限度というものがあると思います。
うちの研究室における過酷な状況というのは以下の様な点があげられます。

私の研究室は共同研究室ということで教授が2人おり、その下に大学の講師になっている助手と専任講師がおり先生という身分の方が4人おりました。本題の研究ではなく事務作業において、何事を決めるにもこの4人の了承をとる必要があり、意見が異なると役所のたらい回しの様にされてしまうということがありました。

大学4年次に同期で20人同期で研究室に入ったのですが、オープンキャンパスのポスター作り、研究室が夏に行う夏合宿の予定決め、中間発表における中間発表の目標決め、時間設定などを行っていたのですが、例えば研究室内で夏合宿を行う際にバスなどの手配を行う旅行係、合宿の内容を決める合宿係などです。

修士の先輩や先生方を含めると50人近い大所帯になるため、予定決めにしても先生のスケジュールをお伺いしてある日程でお願いして渋々了解してもらうといった内容になります。具体例を挙げると中間発表一人8分だとしても質問を含めれば12分、40人発表者がいれば480分で休憩時間なども含めれば一日まるまるつぶれてしまうのです。真面目にやってる先輩もいればあまり真面目にやってない先輩もいて、真面目にやってない先輩の後に真面目な先輩の発表時間を入れると、真面目でない発表で気分を悪くした先生のために、後の真面目な先輩が質問で苛められるといった内容の苦情などが寄せられ先輩の言う事だからどうしようと苦労したこともあります。そういったスケジュール内容に関しても先生に見せる前に、先生に見せていいべき文章かということでチームの先輩に見せます。そうすると上記の様な不満の文章がたくさん寄せられるわけです。オープンキャンパスのポスター作りなどに関しても同様の状況でありました。

夏休みに入ると雑用が多いせいか、20人いた研究メンバーのうち5人しか研究室にこなくなり、「こんな雑用ばかりの研究室にきたくない」と一度愚痴をもらしたところ、「お前が抜けたら雑用するメンバーが4人しかいなくなることをよく考えろ」と同期に怒られました。研究室にくるということは学生にとって先生の雑用を行うことに同義になってしまっていたのです。大学の体制を考えれば大学4年は研究室の内輪で論文を提出すればなんとかなるので、研究内容は修士が行い、雑用は4年が行うという体制ができあがっていたのです。

では何故そういう体制を変えなかったのか。変えるという考える余裕すらないほど肉体的にも精神的にも追い詰められていたんだと思います。学部4年が5人しかこない研究室で、合宿の手配を行っていたのは旅行係の人一人と内容を決める私の2人でやっていました。ほこりだらけの研究室の中でアレルギー持ちの2人が、喘息とアレルギー性皮膚炎で、やれ俺は喘息で死にそうだ。俺は全身がかゆいんだといいながら作業をしていた記憶があります。人間関係と雑務の多さにほとほと疲れてしまっていたのだと思います。

また研究室の事務内容だけでなく、教授が掛け持ちしている大学内の施設の管理も私達が行い、先生が主催者側に回るイベントにもボランティアという形で会場の整理をするなどをしました。後に別の研究室の学生に聞いたのですが、うちの研究室にいる学生意外の学生にはイベントスタッフとしてアルバイト料が払われていたりもします。


【?】自分の研究内容を自分で考え判断できない
自分で研究内容を選べないということです。研究するなら論文を書くことを目的に研究を行うことが第一で、世界で一番の実績を書くというのが私の研究室の方針でした。そしてそこに一番近いのは教授だからその教授がしたい研究に沿って計画を立てるというのが道筋でした。なので教授が困っている内容で体力でごりおししなければならない内容になるとそれが学生である私の研究内容になるといった感じでした。それが分かってくるにつれて、正直ショックでした。自分がその分野で学び、自分が問題だと思ったことに関して研究し、それを知識を持った先生に話し助言をもらうのが研究室と思っていましたが、まるで研究室のコマとして扱われる学生象がそこにあったのです。

私の場合は、夏にある機器を研究のために導入するのですが、その導入において、機器が設置される場所の温度範囲が2度以内であることが条件でした。実際設置される場所で計測してみると、18度から40度付近であり、夏休みは先生の指示で温度変化を抑えるためにエアコンでの風向の変化、ダンボールで空気の流れを変えること、窓に銀色のシートを貼り、太陽による温度変化を避けるといったものでした。作業量が多かったので、後輩と一緒にやり、温度変化などのモニター、情報整理なでした。

毎朝9時から深夜3時くらいまでやっており、睡眠時間が少なくもうギリギリの状態でした。外国での使用実績などがわからなかったので、先生に聞くと、興奮した感じで、「外国では建物一個丸ごと恒温になるようになった場所に設置されているんだよ」といった感じでした。心の中で「つけやきばで器具を導入するなよ」という悲鳴をあげていました。その後もその器具は安定しなかったため、色々調べましたが、先生はその装置の中が見たかったらしく、開けてしまうのです。私は装置の説明書を呼んで装置の中身が1μmでも動いたら誤動作することが分かっていたので「てでいじくるなよ」と内心思っていたのですが、どうも中が見たくて仕方なかった様です。結局動作しなくなり業者に中を開けていないという前提で、修理してもらいました。その後一年の大半はその装置の安定のために時間を費やすという作業に追われていました。

またその夏の中間発表、3日前に先生とチームで話す機会があったのですが、後輩(1人)は温度関係の苦労を書けばいいよといわれ安心しておりましたが、私はそんな内容でかけるわけないよね?といったことを言われました。もう仕方ないので、器具も安定しておらず実験もしていなかったので裏でコツコツ勉強していた内容で実験したい内容に関してシミュレーションを組んでその結果を三日で・・・まとめきれず、先生に提出し怒られました。一人の先生は私が何をしていたか全て把握しているのですが、残りの3人はその様なことは把握していないので、これだけ期間をかけてそれだけしか成果をあげられないのかと怒られました。結局この際に行ったシミュレーターの構築という内容がそのまま私の修士論文のテーマになりました。

【?】研究器具の圧倒的な差
研究器具の精度というのは工学系の学生にとっては自分の研究を左右するポイントであると思いますが、ある精度において国立の某有名大学での精度と3〜4桁程度の差があり、器具の効率性も隣の芝生は青く見えるかもしれませんが10倍以上もあったと思います。効率性は生徒の体力で補えますが精度の問題はどうしようもありません。これで世界最高を目指せと言われ欝になった学生もいました。私もかなりへこんだと思います。世界一を目指すという高い目標はいいのですが、そのための力が自分の研究室にあるのかというとNOだった様に思われます。ただ先生方はその縛られた世界でも発想と思いつき、努力で世界で一番を取れると思っていたようです。私は同じ分野の論文で器具の精度を見るだけで少しづつ気分が沈んでいった記憶があります。

【?】海外研究チームとの協力
研究に必要な程よい試料が私の研究室で作れたので、同様の研究を行っている別の研究チーム、企業の方に試料を作って送っていた記憶があります。その調整のため3〜4週間を費やすというのもザラでした。その試料によって齎された情報は先生の所で止まってしまい、私のところまでくるのは先生と相談したときのチラ見程度です。論文で発表してないから見せるのすら問題といった内容のものだったそうです。そういうのが年間4、5回あると年間4、5ヶ月潰さなければならないということになり、研究室に泊り込みと言う時もありました。しかしソレに対するのは先生のできてあたりまえと言う態度と、外人のサンクスの一言だけでした。

以上の様なことがあり、私は修士一年の一月、修士二年の12月一ヶ月を大学にいかないという期間が存在しました。
私の他にも研究室を辞めた学生も多くいました。

酒の席で会社の同期と研究室のエグイ所という内容で話をしたら、同様の内容の話しがチラホラ出てきました。
薬学のねずみにおける臨床試験などで、ねずみの頭に穴をあけ、ネジを刺したりする作業など気が狂いそうな作業をさせられていた
という話を聞きました。お互いよく抜けてきたなぁと涙ながらに会話していましたが、私が体験した修士一年二年というのは先生が言われている様な有意義な時間ではありませんでした。研究室に入る前の方が自分の考えで行動できていたし、勉強する時間もありました。いろいろな事ができる機会もありました。

私が自分の研究室に対して言いたいのは、世界一を目指すのならばそれだけの設備・頭脳などが自分の研究室にあるのか、生徒に無理をさせずにそれが可能なのかということを検討して欲しいということです。

>貴方の成果を査読つきの学術論文の公表を求めていないでしょ?
確かに修士論文のルールとしては求められていませんでしたが、私の研究室のルールで論文には査読付の学術論文の公表を行う様指示されていました。研究室によってルールはまちまちな様です。先ほど言った内容ですが、学生は先生の研究の土台となるのが、研究テーマなので、その確かさに先生はとてもうるさく言います。そして内容ができあがると、先生が手直しし論文としての体をなすといった感じになります。論文がなくても修士論文は通りますが、そういう学生は先生にあまりいい目で見られません。

最後に私が同じ様に苦しんでいる学生にいいたいのは、こういうことです。もし先生に認められなくてそれを悩んでいるなら、
その先生に認められる方法を模索すべきです。そのための相談は必要だと思います。

ただできる人には「やってあたりまえ?逆に何故あなたはできないの?」といった感じで接してきます。もし先生が厳しかったり
するのは逆に自分の実力の裏返しなのではないでしょうか?(相談している場合に限る)

私の様に様々な人間関係で悩んでいる場合は、人数の小規模で人柄の合う研究室に変えることをお勧めします。研究以外の内容で心を病むなんてもったいないです。

自分が思った研究ができない。先生のコマにされていると思われる学生はそれが修士だと思ってがんばってください。それでも結果を出したいと思われる方は心身傷つくことを覚悟で自分がその分野で先生と違う方針だと思うことを実行できる環境を模索し(毎日睡眠時間3時間くらいで今やっていることでない自分の方針でできる環境)、実行に移し、結果で先生に反抗するしかないのです。それができるのは運と努力と知識があるごく一部の方だと思うので覚悟して行ってください。それができなければ所謂課程博士と言われるように先生のいうことに従う教育をうけるしかないと思います。私の同期20人内修士を卒業するまでに消えずにそれができたのはたった一名のみでした。

以上長文失礼しました。

next49next49 2012/01/04 22:51 匿名さん

大変でしたね。教員の立場からして仕方のない部分もあったと思いますが、
本来は実験などを専門に行う人員を雇うべきところを学生にただ働きさせるという
典型的に学生をソルジャーとして扱っているところだったようですね。
おつかれさまでした。

匿名匿名 2012/01/06 02:13 付け足しです。

研究上様々な事柄を管理しなければならない教授などの大学の管理者側の苦労に関してはある程度理解しているつもりです。

大学の情報システムの管理、研究室の管理、学会における事務の管理・研究など様々なことをしなければなりません。

ですが、企業に入って思うことは大学のシステムの管理といった部分で大学は特殊なのですが、ある程度メスを入れなければならないと思います。

この研究をするにはどれくらいの資金と労働力が必要で、そのためにはどういう管理体制が必要なのか。どれくらいの時間が必要なのか、大学が研究する対象として妥当なのかということです。

お金になったりする分野に関して能力・経験・労力といった部分に関して大学は絶対に企業には勝てません。国から回ってくる資金分配や、審査による資金分配などで、研究費用が変化するということもあるので、資金調達がムズカシイというのもわかります。

様々な大学・研究室がありこれらを管理するのはムズカシイと思いますが、仕事熱心な先生方の元にいる学生たちに、欝にならない様にするには上記の様な判断をする様な第三者機関の様なものが必要だと思います。

労力や能力・経験といった部分だけが問題となるのであれば、それは研究する学生の能力という実力勝負になるので、仕方のない部分ではあると思います。それに対して評価されるのは仕方のないことだと考えますし、その評価で落とされるのは仕方のないことだと思います。

それ以外のことが絡んでくるので、問題が複雑化している様な印象をうけます。

落ちこぼれ落ちこぼれ 2012/01/29 15:08 かなり前のエントリーのようですが、コメントさせていただきます。
私も上の4年生さんのように泣いてしまいました

自分は工学系の4年なのですが、全くいいデータが出ていません。
周りの皆は、卒論なんだからいいデータじゃなくていい、というんですが、
そういうものでもなく、単に不備、のようなものに近いです。
卒業した先輩の卒論を見てみると、とても自分は卒業できるとは思いません。

それでも数多くデータがあればいいのですが、細かいテーマ設定が学生にゆだねられており、苦労して実験方法を設定したのが12月になってからでした
実験内容も人間の動作を対象にしており、自分だけで頑張ってやるということができず、卒論までもうほとんど実験をすることもできません

テーマの決定の遅さ、実験の不備等、ここに書かれている方々とは違い全て自分の自業自得であり本当に情けなくなりました

それでも恥を忍んで教授にも相談したのですが、なんというか楽観視のような自分に興味がないかのような反応をされました。
アドバイスはくれたのですが、現実問題で今からやることができないようなことでした

研究室で一人になり卒論発表のことをイメージすると、この1か月くらい泣いてしまう日々です。
卒論提出は残り10日ほどで、まとめ始めなければいけないことはわかってはいるのですが、このデータでは間違いなく落とされると思い、何かできないかと考えたり、思考がまとまらず逆に停止してしまっています。

勝手な感情で、自分の悪さを棚にあげるようなことであるのは分かっています。
しかし、それでも何かあればアドバイスお願いします

next49next49 2012/01/29 23:24 落ちこぼれさん

お返事をエントリーとして書きました。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20120129/p1

修論、ボロボロです修論、ボロボロです 2013/01/27 15:59 大変興味深く読ませて頂きました。
また、他のエントリも、自分の研究室生活に大変助けとなっていました。
心から、お礼を申し上げます。

もうすぐ修論発表ですが、内容はボロボロです。
その理由は色々とあるのですが、M2になってからまともに研究室に行けませんでした。
このエントリを読んで、自分と似ているなと感じています。
修了は(情状酌量で)させて貰えそうですが、正直、
このままで就職してから大丈夫なのか不安です。

もし先生の卒業生の方々で、研究室にいた時は上手くいかなかったけれど、
卒業してからは立派に社会人をやっているという方がいらっしゃれば、少しお話して頂けませんか。
また、先生はその方が立ち直った理由は、何だと考えられますか。

お忙しいところ恐縮ですが、もしよろしければお願い致します。

修論ボロボロです修論ボロボロです 2013/01/27 16:38 追記です。それほど重要ではありませんが…)

> 自分だけで問題解決を図らない。保護者、専門家、同僚の教員、自殺予告をした学生の友達など総力戦で行く。

これはとても重要ですよね。
自分の場合は、出来る限り事を公にしないように、自分対指導教員で解決しようとなってしまったので、
かえって回復が遅れ、周囲に迷惑を掛ける結果になってしまいました。
「学生が長期間休むようになったら、教員同士、カウンセラー間で情報共有をする」
というのが義務付けられれば良いのですが…なかなか現実は厳しいですね。

先生のように学生の事を理解しようとしてくれる方の下で、
学んでいる学生の方々が大変うらやましいです。

next49next49 2013/01/28 23:57 > 修論、ボロボロです さん

以下のエントリーを書く動機となった学生はみんな元気に就職して
がんばっています。

「自然な疑問」を持たないように訓練されている
http://d.hatena.ne.jp/next49/20080205/p2

卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごう
http://d.hatena.ne.jp/next49/20081019/p2

価値の判断基準が自分の外にある人間は表現者になれない
http://d.hatena.ne.jp/next49/20090222/p2

修論、ボロボロです修論、ボロボロです 2013/01/29 17:23 論文指導でお忙しい時期にもかかわらず、
お返事いただきありがとうございます。

紹介頂いたエントリーを、読まさせて頂きました。
今の自分のような状態でも、少し希望が見えてきました。

正直、大学院生活が振るわず、自信喪失をしてしまいましたが、
今後、このどん底の経験が自分の糧になればと思います。

もうすぐ、私は修了しますが、
私の周りにもnext49さんのブログに助けられている人はたくさんいます。
直接お会いすることはありませんが、もう一人の指導教員のような存在です。
再度お礼を申し上げます。

next49next49 2013/01/29 18:08 修論、ボロボロです さん

このブログがなにがしかの助けになっているのでしたらとてもうれしいです。
ぜひ、大学院修了関連のもろもろを終えたら、就職前にパァーッと卒業旅行
しちゃってください。

気持ちの切り替え、メリハリはとっても重要ですよ。

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