修論を指導教授に全部書き直してもらうことになった。
恥ずかしい。
そもそも何でこんなことになったんだろうかちょっと考えなおしてみたい。
学部のときはもともと別の研究室にいた。研究内容は良かったけど、かなりいい加減な先生なので修士レベルの研究をこの研究室で行うことに不安を感じ今所属してる研究室に変えた。
修士での指導教授は学部時代とはうってかわって厳しい先生だったが、学生への指導もきっちり行ってくれる人だった。
そんな先生から与えられた最初の研究テーマは最先端といえるもので私自身もやりがいを感じ、この研究室に来てよかったと思った。
おかしくなりはじめたのはM1の6月あたりから。つまるところ研究がはやくも進まなくなった。
進まなくなった理由は単純で「私が先生にあまり質問しなかった」からである。
けっこう最先端のことをやっているのだから、当然わからないところが出てくる。しかも「何が分からないのかわからない」という状態に陥った。けどやはり院生たるもの「何が分からないのかわからない」なんてことは言えないし、精一杯自分で調べようとした。その結果、どんどん質問できなくなるという悪循環に陥っていき、進捗報告とかもあんまりしなくなっていった。というかそもそも報告できる内容とかもあんまりなかったような気がする。ちょうどid:next49さんが書かれていたエントリーである卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごう - 発声練習 に出てきた学生と同じような状況だった(さすがにうつ病とかにはならなかったけど)。このエントリーを読んだ当初は大した感想を持たなかったが、こんな状況に陥ったときに読むと「これ俺じゃん・・・」とかめちゃくちゃ思うようになった。
もちろん先生からは質問を積極的にするように、進捗報告をするように、自分で設定した締切は守るようにということを言われ続けた。でも結局、結果が出てないことから来る厳しい先生への恐怖とか自分のクソみたいな院生としてのプライドとかで状況は全く好転せず、ついにM1の11月あたりに先生から「テーマを変えよう」「今のテーマのままで2年で修了させる自信が私にはない」と言われ強制的にテーマを変更させられた。この時点で大学院での研究におけるやる気みたいなのは完全に失っていた。
そんな感じなのでテーマを変えさせられてからも状況は同じで、分からないところがあっても質問しない(どこを質問したらいいか分からない)→とにかく自分で調べる→やっぱり分からない→進捗報告も、この日までここまでやると自分で決めた締切を守ることも疎かにするということを繰り返した。そうして研究も修論も時間不足になり、とうとう書き上げた修論の修正は全て先生にやってもらう、という状況になった(「修論発表準備も予稿作成もしなきゃならんのに、修論修正まで君1人でやるのは不可能」と言われた)。
大学院に入る前まで特に先生に質問をしたという記憶があまりない。分からないところがあっても問題集の解答や解説を読めば理解できたし、大学の授業や単位とかでも困ったことはなかった。でも大学院ではそんなやり方は通用しなかった。そういえば小学生の頃からゲームとかでも困ったら自分で考えようとせずすぐに攻略本を見るタイプだった。
これから大学院に入る人へアドバイスする資格など私にはないと承知しているが、ぜひとも「質問する力」を身につけていって欲しい。私にはそれができなかった。
工学系の学生は修士まで進学することが一般的となり、毎年多くの修士号を持つ人たちが大学から巣立っていく。けど私は多くの人たちみたいに普通に研究を進め、普通に学会発表などをこなし、普通に修論を書き、普通に修論の修正をして仕上げるということができなかった。私のような普通以下の劣った人間が大学院に進んだことが間違いだったのかもしれない。
そもそも大学院に進学した理由は興味のある研究テーマに取り組んで、学会発表や投稿論文をこなすというサイクルを経験してみたかったからだ。しかしその学会発表も投稿論文も自分の力だけではできなかった。結局、投稿論文は全部先生が私の名前で書き、私の知らない間に投稿していた(私の大学院では修士の修了案件として学会発表か投稿論文のどちらか最低1つをこなさなければならない)。
それを知ったときは私は今まで何やってたんだろうと本気でみじめで情けない気持ちになった。同時に先生にも申し訳なかった。
私の大学院での2年間はこのように指導教授である先生に迷惑をかけてばかりだった。厳しい先生だったが同時に学生のことを常に気をかけてくれる人だった。研究テーマ変えられてやる気なくして中退しようとしたときは「アテがあるのならいいが、ないなら中退しないほうがいい」「一度レールが外れるとこの日本社会で修正するのは難しい」と説得してくれた。研究以外では、就活でも助けてもらった。私が就活で苦戦してるのを見て履歴書やエントリーシートを添削し、面接の練習に付き合い、気合の入った(おそらく盛りまくりであろう)推薦書を書いてくれたおかげで5月上旬に内定をもらえた。先生がいなければもっと就活は長引いていただろう。
春から企業でエンジニアとして働く。もう助けてくれる先生はどこにもいない。また大学院の2年間と同じようなことを企業で繰り返すかもしれないという恐怖がある。
俺がいる… いや、俺はまだ修論終わる気配がしないからさらにダメかもな 仕事なんて、答えのない問題であふれているのが目に見えているから 絶対苦労するんだろうなー と卒業確定...
会社に入っても同じかな。「質問する力」が無いと凄く苦労する。 先生という存在がいる学校という場とは違い、「誰に質問すればわからない」なんてこともよくある。 早いうちに上司...
普通のことができないなら普通に社会出ないでほしい。迷惑
今元増田と同じM2で、この一年は下の世代に教える立場だった。たしかにわからないところがあったら質問はして欲しい。 でも逆にググれば数秒で出るような本質的でない質問(パワポ...
魚を与えるのではなく釣り方を教える、みたいな言葉があった気がする。
あー、うん、あなた、それ、何も心配しなくていいよ。超大丈夫。 一応、いろんな、修士の学生さんみてきたけれども、 特に文系は大概の人が、6月ごろにプチ鬱になるから。 だって...
おまえ良い先生に当たったなあ。 確かにお前自身に書かせられなかった時点で完璧とは言えないが、代筆とかしてくれるなんて面倒見よすぎるぞ。 つい最近に酷い例を聞いた。 音泉...