体罰自殺問題 顧問教諭を懲戒免職2月13日 18時52分
大阪市立桜宮高校で、バスケットボール部の男子生徒が顧問の教諭から体罰を受けたあと自殺した問題で、大阪市教育委員会は、13日、顧問を懲戒免職にしました。
この問題は、大阪市立桜宮高校で、バスケットボール部のキャプテンだった男子生徒が、去年12月下旬、顧問の小村基教諭(47)から体罰を受けたあと自殺したもので、大阪市教育委員会は、13日、顧問の処分を発表しました。
それによりますと、顧問はバスケットボール部の部員に対する暴力を効果的な指導方法と考え、恒常的に平手打ちや足蹴りなどを繰り返していたということです。そして、亡くなった男子生徒に対しては、自殺する5日前の他校との練習試合の際、少なくとも数回、また前日に行われた練習試合でもおよそ20回、顔を平手でたたくなどしたということです。
男子生徒はキャプテンだったため叱られることが多く、精神的な苦痛を受けていて、教育委員会は、顧問の暴力が自殺の大きな要因と考えられると結論づけたうえで、顧問を13日付けで懲戒免職にしました。
教育委員会によりますと、大阪市の教職員で体罰を理由に懲戒免職になったのは初めてだということです。
また、教育委員会は、以前、停職処分を受けたことがある桜宮高校の男子バレーボール部の顧問の教諭に対して、再び体罰を行ったことを理由に停職6か月の処分にしました。
顧問“すべてが慢心だった”
教育委員会によりますと、顧問は、提出したてんまつ書に、「自分の指導が一方的だったことに気付いた。たたくことで部員が成長し、チームが強くなったことから、自分は間違っていなかったというおごりがあり、すべてが慢心だったと心から反省している」などと記しているということです。また、「ご遺族に大変申し訳ないことをした。教育委員会と桜宮高校の関係者にはご迷惑をおかけした」と話したということです。
橋下市長“処分内容は妥当”
大阪市の橋下市長は、13日夜、記者団に対し、懲戒免職の処分について、「一線を越えた暴力行為だったということであり、処分内容は妥当だ。独善に陥ってしまい、取り返しのつかない結果を生じさせてしまったので、処分としてはやむをえない」と述べました。
また、橋下市長は「暴力的な指導方法をよしとした日本の社会がこういう不幸な結果を作ったわけで、日本社会全体で考え直さなければいけない問題だと思う」と述べました。
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