遠隔操作されたパソコンから殺人予告が書き込まれた事件で、威力業務妨害容疑で逮捕されたＩＴ関連会社社員・片山祐輔容疑者（３０）の乗用車が昨年１１月末、東京、山梨、埼玉の３都県境にある雲取山付近を走行していたことが捜査関係者への取材でわかった。
雲取山は、「真犯人」から報道機関に送られた元日のメールで記録媒体を埋めたとしていた場所。警視庁などの合同捜査本部は片山容疑者がこのメールを送った疑いがあるとみて関連を調べている。
報道機関に送られたメールは「新しいゲームのご案内」などと記され、添付の詰め将棋などを解くと、ウイルスのソースコード（設計図）を入れた記録媒体が埋められた場所の写真が閲覧できる仕組みになっていた。
捜査関係者によると、写真に記録された撮影場所の位置情報は雲取山の山頂だった。１月１日午後、山岳救助隊員のほか、ヘリコプターで捜査員が派遣され、写されていた地点をつるはしなどで深さ約３０センチまで掘り返した。
同庁は「記録媒体は見つからなかった」と説明。これが報じられると、同月５日には再度、報道機関にメールが送られた。メールでは「私の埋めたものは拾われたか飛ばされた」と言及。「オオカミ少年みたいに思われているのが不本意」として新たな問題を出し、捜査本部はこれに基づき、神奈川・江の島にいる猫の首輪からウイルスのソースコードが入った記録媒体を回収した。