NHK北海道のニュース 札幌放送局
流氷津波 がれき撤去で実験
流氷で海が覆われる冬のオホーツク海沿岸で津波が起きた場合、押し寄せた流氷と混じり合ったがれきは撤去が困難になり、避難や救助活動の妨げになるおそれがあることから、北海道開発局は、撤去の手順などを確認する初めての実験を網走市で行いました。
流氷の時期に津波が起きた場合、打ち上げられた流氷が建物などに衝突して被害が拡大するうえ、流氷と混じり合ったがれきは撤去が困難になり、避難や救助活動の妨げになるおそれがあります。
このため、北海道開発局は、11日まで網走市で行われていた「流氷まつり」の雪像を壊して流氷に見立て、木材と混ぜて撤去する実験を行いました。
作業員たちは氷とがれきの山から危険物などがないか確かめながら、手作業で木材を取り除いたあと、残った氷の山を重機で撤去しました。
およそ80立方メートルの山を撤去するのにかかった時間は50分ほどで、氷の山から木材を取り出す作業に、予想以上に時間がかかったということです。
見学した北見市の防災担当者は「がれき撤去のスピードが遅いと、人命救助が遅れてしまう可能性があります。今後、対策を考えなければならないと思いました」と話していました。
北海道開発局の麻山健太郎開発企画官は「想定よりも時間がかかりましたが、撤去にかかる時間や資機材を、引き続き、検証していきます」と話していました。
北海道開発局は、実験結果を詳しく分析し、来月、自治体向けに説明会を開くことにしています。
02月13日 17時26分