特集ワイド:カムバック「安倍政権」を読む 対談 山崎拓・自民党元副総裁/加藤紘一・自民党元幹事長

毎日新聞 2013年01月16日 東京夕刊

安倍政権について語る山崎拓さん=東京都千代田区で2013年1月9日、梅村直承撮影
安倍政権について語る山崎拓さん=東京都千代田区で2013年1月9日、梅村直承撮影

 ◇価値観外交、通用せず

 90年代、自民党旧経世会の支配に対抗し、当時の同党ニューリーダー3人がYKKを結成した。小泉純一郎元首相(71)と山崎拓・自民党元副総裁(76)は現役を退き、加藤紘一・自民党元幹事長(73)は昨年末の衆院選で落選。YKKが政治の表舞台から姿を消すこととなった。安倍晋三内閣をどう見るか。去る政界への懸念は? 加藤、山崎両氏に聞いた。司会は松田喬和・専門編集委員。【構成・戸田栄、梅村直承撮影】

 ◇集団的自衛権行使、解釈改憲では無理−−山崎拓・自民党元副総裁

 ◇平和外交宣言の9条には手をつけるな−−加藤紘一・自民党元幹事長

 −−安倍政権は異例の首相経験者のカムバックという形でスタートしました。1948年の第2次吉田茂内閣以来ですが。

安倍政権について語る加藤紘一さん=東京都千代田区で2013年1月9日、梅村直承撮影
安倍政権について語る加藤紘一さん=東京都千代田区で2013年1月9日、梅村直承撮影

 加藤 麻生さん(太郎副総理)も再登板に意欲的らしい。何をしたいかが明確ならいいでしょう。新政権の試金石は景気回復。円安を進め、製造業の輸出による回復を狙っていますが、今やその構造で進めるのはなかなか難しいのではないでしょうか。

 山崎 安倍さんの総裁再任からして意外でしたが、首相就任後の円安・株高の景気回復基調の展開はさらに意外。衆院選後、安倍首相の高揚した気分に景気も国民全体のムードも引っ張られている。いい方向だが、絶好調が早く出過ぎた。いつまで続くか心配です。問題は大胆な金融緩和政策。一時的効果はあるが、雇用や所得が増えなければ国民負担は重くなる。実体経済が伴わない名目成長には危険な要素があります。ただ景気が本当に回復すれば、長期政権も夢ではありません。

 −−日本の右傾化への懸念が海外からも示されています。

 加藤 非常に危ないと思います。日本のふわふわとした右傾化に拍車がかかるのではないか。本当に国を守るには、まず自分の地域、家族を守る決心でなくては。頭で考えたナショナリズムが多い。今や有力政治家が「自衛隊は中国と戦争をしても意外に強いかも」と発言しています。今回、議員バッジを失って最も残念なのは、今後はそれを止める大きな捨て石になれないことです。

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