サンプル
「っ!くひぃぃ!!」
できるだけ声は出すまいと心がけていた鈴だったが、そんな浅はかな考えを嘲笑うかのように鈴の喉からは紙を切り裂くような鋭い悲鳴が発せられバスルームの中に鳴り響いた。
指を包む粘膜は火傷しそうなほどに熱く、糸のように絡み付いてくる。
逆に指を受け入れた膣は、自分の指であるにも拘らず愛しき人の逸物を咥え込んだかのように歓喜し、捕まえて離すまいとぎゅうぅっと収縮している。
内側から溢れ出す蜜は堰を切ったかのように量を増し、太腿の内側をべったりと濡らし伝っていく。
過去に一夏を想って耽ったオナニーでも、ここまで強烈に感じたことはいまだかつてない。
「うぁぁぁ……ぁ!」
あまりの快感に鈴の意識は半分飛び、呆けたように顔を天井に向けながら壁にもたれかかった。
壁のひやりとした感触が鈴の意識を少しだけ現実世界に戻すが、その頭はまだ大部分が快楽の世界に飛んでしまっている。
にもかかわらず鈴の指は忙しなく動き、ぐちっ、ぐちっといやらしい音を室内に響かせていた。
「………」
しばしの間、鈴は無意識に指を動かし快楽に耽っていたが、顔にかかるシャワーの熱いお湯でその意識は次第に覚醒していった。
が、その脳内は湧き出す快楽に染まりきっている。
「あぁ……。いい、いいよぉ……!」
頭が冴えてくる毎に感じる快感もくっきりとした輪郭を描き、どこをどう弄ればさらに快感を得られるのかということを本能が教えてくる。
その本能の声に従ってぽってりと熟れた秘唇をなぞり、ぷっくりと膨れた肉豆を擦ると眼の前を青いスパークが幾重にも走ってくる。
「いひぃぃ〜〜っ!!いいよぉ、一夏ぁ!一夏ぁ!!」
すでに鈴の脳内では、自分の秘部を弄る手は一夏のものとして置換されている。
そう思うことで鈴が受ける快感はさらに増し、より心を昂ぶらせてきている。
「あぁっ一夏!もっと、もっと奥にぃ!」
第一関節までしか入れられていなかった指は第三関節までずっぷりと埋まり、弄るというか掻き回すといった表現の方がしっくりするまでに鈴のオナニーは激しくなっていっていた。
秘裂から噴き出る蜜は粘度を増し、白濁して泡立ちながらびゅくびゅくと止め処なく噴き出してきている。
壁に預けっぱなしの身体はお湯と興奮で蛸のように真っ赤に染まり、瞳は与えられ続ける快楽でどんよりと濁りきり、口からは溢れ出る涎と一夏という単語が壊れたオーディオのように繰り返し再生されている。
そのあまりの快感は鈴の自我そのものを薄れさせていくほど強烈なものだった。
だが、なにかが物足りない。と鈴の心は訴えていた。
どんなに指で弄ろうが、それは予想された快楽であり決してその先へと導かれることはない。
自分で自分をくすぐってもちっともくすぐったくないのと理屈は同じだ。
自分の思い描けない、不意打ち的に与えられなければ快感も真の快感にはならないのだ。
「もっと……いちかぁ…もっと……」
うわ言のように一夏と呟く鈴の目線に、さっきから自分の体を打たせているシャワーがあった。
それを見て、快感に染まりきった鈴の頭はあっという間にそれの活用方法を思い至ってしまった。
ニッと微笑んだ鈴は一旦シャワーを止めると留め金から外してグリップを握り、ノズルを取り外した。
そして、ホースだけになった先端をゆっくりと自分の秘部へぴとっと宛がい、そのままずぶずぶと膣内へとホースを挿しこんだ。
「んくっ…!」
もちろん奥まで突っ込むことはせず先端を少しだけ入れただけだが、それでも完全な異物が自分の体を抉ることに少しの抵抗感はあった。
が、これ以上の快感を得るにはこれしかない。
「これしか……これしか……!」
そのまま鈴はシャワーの蛇口をぎゅっと握ると一気に捻り上げた。
途端
ホースの先端からお湯が溢れ出し、鈴の膣内にドッと流れ込んで粘膜や膣壁を容赦なく叩きつけてきた。
それはもちろん鈴の予想が付かない刺激であり、自分の指で弄るのとは比べも似ならないほどの強烈な快感が鈴の身体を貫いた。
「!!はひぃぃい!!」
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まるで精液が流れ込んでくるような…もちろん鈴にそんな体験はないのだが、きっとそれに比するような圧倒的な快感。
鈴は半目になって廊下にまで聞こえるような大きな嬌声を上げ、腰が抜けたのかそのままへなへなとタイルの上に崩れ落ちた。
その間もホースからお湯は止まることなく、膣内を満たしたお湯はぽっこりと鈴のお腹を膨らませ、収まりきらないお湯がホースと秘唇の間からぷしゃぁと噴き出てきていた。
が、鈴にそれを止める余裕などあるはずもなく、鈴はホースと繋がったままタイルの上でびくんびくんとのたうちながら強烈な快感に喘ぎ声を上げていた。
「いいっ!いちかぁ!!いい!!いちかのがたっくさん流れ込んでくるよぉ!
あはぁぁ!!もっと、もっとちょうだいいちかぁぁ!!」
熱いお湯に膣粘膜が焼かれていく快感に鈴はどっぷりと溺れ、その顔は喜色で潤みきりその口からは一夏を求める声が止まることなく放たれている。