
西野嘉之
慶応義塾大学大学院博士課程理工学研究科修了。07年に企業価値検索サービス『Ullet(ユーレット)』を開発。現在は新聞・雑誌などの各媒体で執筆活動を行うなど、多方面で活躍中。

ユーレットとは?
上場企業約4000社の決算書(財務諸表)や関連ニュース、大株主などの情報を、ワンクリックで表示。各企業の財務データをビジュアル的に把握できる、無料のサービスだ。 |
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富士通のリストラは予見できたのか?
富士通が人員削減を行うという記事が出ていた。「5000名程度の人員削減と半導体事業再編に伴う4500名程度の転籍を行う経営効率改善を進める方針を決定した。半導体業界では、『専業化・ファブレス化(工場を持たない)』や『汎用品へのシフト』の流れが進み、韓国や台湾勢が台頭。ルネサスエレクトロニクスやエルピーダメモリが窮したように、富士通もこれに対応できず競争力が低下。」といった内容だ。
この記事を見たときに、世の中の流れは分かっていたはずなのに、なぜ対応出来なかったのだろうと誰しも思うかもしれない。しかし、人員削減というものは簡単には出来ない。今まで一緒に働いてきた人間を切るということは簡単ではない。「なぜ、あいつが?」「なぜ、オレが?」と感じることも多々あるだろう。
一つの製品の寿命が短くなってきている。半導体や液晶で、何十年も利益を出せる時代でもない。パソコンのDellでさえ、ハードからの脱却を考えなければいけない時代である。自分たちのやってきたビジネスを否定し、新たな市場へ出て行くタイミングを判断できるかどうかが鍵だろう。
しかし、世の中の人から見れば、富士通がいきなりリストラを発表するとは思っていなかったのではないだろうか?「富士通もか?」と思った人もいたかもしれない。では、予兆はあったのだろうか? その業界に入れば、何となく予見できたかもしれない。では外部の人間の場合、どう見極めるか? 一つの方法として財務の中の現金の動きを見ることにより、その会社がリストラあるいは、事業転換する可能性を探ることはできるだろう。
最新号のメルマガでは、富士通がリストラする可能性を予見する方法について分析している。
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