「和也君今日は執行部の仕事がないから、会議に参加してね。」
生徒会室に入るなり、和也に生徒会長こと八雲衣沙羅が言った。衣沙羅は一瞬ニヤッと笑っていた。
「はい。」
それに気がつかなかったとか和也は気にする素振りを見せもせず自分の席についた。
「和也君お茶です。」
「ありがとうございます。」
和也にお茶をくれたのは衣沙羅の執事、風見颯である。
その後続々とメンバーは集まり会議が始まった。
会議の内容は魔法科高校としてはかなり一般的なものだった。
一時間後には会議はもう終わっていた。
そしてこのタイミングを見計らっていたのか生徒会室に訪問者がきた。
「お邪魔します。」
その訪問者は風紀委員長の鈴木冷菓であった。
「いらしゃい冷菓。颯、冷菓にお茶をお願い。」
「かしこまりました。」
颯はなれた動作でお茶をいれると、それと片手に鉄パイプの椅子を持ってきていた。
「相変わらず、衣沙羅の婿は有能だね。」
明らかに悪ふざけで言ったものだったが、衣沙羅の反応は違った。
「そんな、私が疾風のお嫁さんなんて。」
和也は「誰だこの人。」と思った。
「そうですよ。お嬢様にはもっといい人がいると思いますよ。」
この時和也は面白いものが見たと思った。つまり衣沙羅は颯のことが好きなのか和也は一人でそう考えた。和也も自分が同じ状況にあることに一切気がつかなかった。
「和也君一つ確認したいことがあるのだけど。」
衣沙羅が改まった風に和也に聞いてきた。
「はい。なんでしょうか。」
と答えると一口お茶を飲んだ。
「和也君てMなの?。」
和也はお茶を噴出した。
吐き出したお茶はそのまま目の前の人に当たりそうになったが、とっさに異能力の中の超能力を使った《水を操る者》を使った。これの効果は範囲内にある水分なら好きなように操れるものだ。和也は能力を制限されていても、生徒会室くらいの広さまでは余裕で操れた。
噴出されたお茶はカップに戻っていった。
「いきなり、なにをいっているんですか!!。」
和也の言葉はもっともなだった。
「ごめんね。間違えたは、和也君は受けなの?」
この発言にさすがの和也も吼えた。
「なんの話ですかこれは。」
「だから、和也君は変態なのて。」
和也はもう頭が痛くなってきた。
「だからなにを根拠にそのようなことを。」
「容疑者、沢渡和也は昨日、学校内の喫茶店で上級生の女生徒に言葉攻めを受けているところを喫茶店にいた人が多数の生徒が目撃。容疑者の顔も満更の表情ではなかったとのこと。」
和也は頭が痛いとかを通りすぎた。
「僕は言葉攻めになんか合っていません。あれは部活の勧誘を受けて僕がそれを断っていただけです。それ以上でもそれ以下でもありません。」
和也は怒涛の宣言をした。
そしてそれと同時に何かを感じ取った。
「鈴木先輩。教室棟でなにか問題が起きています。すぐに風紀委員の方々を。」
和也のいきなりの発言に驚いて思考回路が回らなかったのか、冷菓はすぐに和也の指示道理の場所に風紀委員を派遣した。
結果は風紀委員派遣した五分後にすぐ分かった。
「ああ、そうか、分かった。」
話がついた冷菓が携帯を切った。
「それにしても、沢渡君すごいな君は、本当に問題が起きていたよ。どうして分かったんだ。」
冷菓は関心の声で言った。
「魔術術式のおかげです。僕の師匠、西紀廼縁から教えていただいたものです。」
和也はもしかしたらを考えて、和也はいたるところに警告の術式を仕掛けていた。これは暴行や魔法などが使われたら自動的に和也に知らせるものだ。
生徒会内では異能のことならどうでもいいやという根性になっていた。
その言葉に始めに噛み付いたのは麻耶だった。
「にしきのていうのは漢字でこう書くの。」
麻耶は近くにあった紙にシャーペンでにしきのを漢字で書いて和也に見せた。
「ええ、その字で合っています。」
麻耶は「やっぱり。」という顔をしていた。
「君の師匠、西紀廼縁は裏番号だ本当の苗字はこう書く。」
麻耶再びさっきの紙に漢字を書いた。二式廼と。
「えくすとら?。」
「エクストラとはあまりにも強力すぎる魔法を見つけてしまった魔法師のことだ。」
その言葉を聞き和也はある疑問が解決した。
「なるほど、だからか。」
「どうしたの和也君。」
「師匠がなんで、僕にだけこれを教えてくれたのか。話したほうがいいですか。」
全員が首を縦に振った。和也はお茶を一口飲み語り始めた。
「まず魔術術式はマギカ粒子を一切必要としませんそれにMACを必要としません。そのためどんな人間にも使えます。もうここまで言えば分かりますよね。なんでこれが表ではなく裏になったのか。
日本の魔法師の数は総人口の一割にも満たしていません。魔術術式が表に出回り一般人が手にした場合。いくら魔法師が強いといっても人間です。殴られたら痛い、ナイフで切られたら血がでる。もし前面戦争になってしまった場合。100%の確立で魔法師側が負けます。これは魔術師としての推測です。
さってまず、魔術術式の危険性は分かりましたよね。
次はなんでこれを師匠こと二式廼縁が僕に魔術術式を教えたかですね。これも僕の異能が関係しているんです。自分で言うのもなんですが僕の異能力は最強です。たぶん、師匠はそれが分かったから僕に教えてくれたかと思います。僕は最強だからといってそれを利用して悪さをしたり他人の上に立とうともしなかったがあったのか僕にだけこれを教えてくれたんです。あっ、師匠は今現在、寺の坊主をやっていますが魔術術式で目立っていますが師匠は武闘家などでも有名で門下生もたくさんいるんですよ。その中にも魔術を教えてくれて人はいますけど、師匠は僕以外には魔術術式のまの文字も教えてないんです。」
和也は話を終えると再びお茶を一口飲んだ。
「どうでしたか。」
和也がそう聞くと冷菓が一つの疑問をだした。
「マギカ粒子を使わないとことはなにを利用して発動させるんだ 。」
魔法師を目指すものとしては気になるものだった。
「マギカ粒子を利用しないのはあれは嘘です。魔法発動させた時にでる微量のマギカ波をつかったりピュシス粒子を使ったりあとは有機物さえあれば基本使えます。」
この答えに生徒会室にいた和也以外の全員が唖然とした。
「なんて危険なものなの。」
衣沙羅が魔法師として現実味のない事実に思わず驚きの声が出ていた。
「でも、魔術術式というんだから、それを使うのにはかなりの時間をロスするはずだが、魔法の世界は秒の単位だ。」
冷菓のその質問に和也は待ってましたとばかりに答えた。
「なにも、戦うその場で術式を組むだけではなく、戦う事前に自分の体に防御型の術式を組むことなりをしたら魔法とはそう大差がありません。」
魔法より強いものなんて世間一般常識でもそんなにない。
「待った、魔術のMACのような演算機は。」
「魔術にそんなものはいりません。基本はこのようなカードなどを使います。分かっての通りただのカードじゃありません。これは企業秘密みたいなものなのでオフレコということで。」
和也は少し重くなった雰囲気察した
「さてこの話はここまでにしましょう。」
和也のこの提案に全員が賛成した。
そしてそのあと再び昨日のことを問われる和也だった。
「それは大変だったな。」
昨日の生徒会での話を飛一郎たちに話していた。
話終えた第一声は飛一郎の慰めの言葉だった。
今は、昼休み終了の五分前、ナギサたちとは別れ自分の教室に戻っていた。
「そうことなら、私も聞いたよ。ただ、内容が少し違ったかな。」
「違うてどんな感じ。」
「たしか、実は沢渡和也はMだて。」
和也はまさか生徒会でのあれが外部に漏れたのかと思った思考が次の瞬間打ち消された。
警告の術式が発動した。
(場所は放送室。)
携帯を取り出すより先に、なにが起きたのか次の瞬間分かった。
「僕たちは――。」
学校内に大音量の声が響き渡る。それは放送のスピーカーによるものだった。
和也はここでおおよその予想がついた。
今、放送しているのは放送委員ではない。
「すいません。間違いました僕たちは魔法差別撤廃同盟の有志です。」
スピーカーの音量を調整し、再び自分たちの身分を語った。
「この魔法科学校では一等生と二等生で分けられています。それによって僕たち二等生は一等生に虐げられているのが今の状況です。
それに対して生徒会はなにも対策をとってくれません。
部活の部費も一等生と二等生では大きな差があります。」
生徒会はなにも対策をとってくれないという言葉に和也は確かな怒りを覚えた。
衣沙羅はなにも対策がとれないのではない対策が見つからないのだ。
だけどそんなことを生徒会役委員と二名の部外者以外知るはずもない、彼らが言っていることは正しいことだがやっていることは間違っている。
無断に特別教室を使っているルール違反。
和也の携帯に電話がかかってきた。
「和也君今すぐ放送室前に集合。ナギサちゃんにもこのこと伝えて。」
和也は衣沙羅から召集を受けた。
「分かりました。それでは。」
和也は携帯を切り、すぐさまナギサに電話をかけ衣沙羅に言われたことをそのまま伝え飛一郎たちに一言告げて教室を後にした。
飛一郎たちは意外と冷静で和也はそれに驚いた。
放送室前に来るとすでに和也以外の生徒会役委員及び風紀委員は全員揃っていた。
「遅いよ。和也君。」
いつもなら和也のことをカズにぃと言うナギサだが今回は真剣さと、風紀委員もいることもあり普通に和也を名前で呼んでいた。
風紀委員の中には冷菓以外に和也が知っている顔がいた。
「慎先輩?。」
そこには伊集院慎だった。
「おう、和也か久しぶりだな。俺はこう見えても風紀委員の副委員長なんだ。」
和也は非常事態にもかかわらず、呑気なことを聞いてしまったがそれを注意する声があった。
「こら、なにをしている副委員長。」
その注意をしたのは冷菓だった。
「すいません。」
慎は素直に謝った。
「今の所分かっている状況は少ない。あの中に何人いるかも把握していない。今ここで突入を仕掛けるのは厳しい。」
全員が揃ったのを確認すると冷菓が今の状況を報告した。
「すいません。状況の確認だけでしたら。僕は出来ますよ。」
和也はここは自分の出番かなと思い進言した。
その発言に冷菓及び生徒会役委員が驚いた。
「出来るのか。」
「はい。」
和也は返事を返して、放送室の扉の前に立った。
生徒会と風紀委員は和也の異能のことをしっておりその力を高く買っていためこの場でなにかするやからはいなかった。
和也は《透視能力》で放送室のなかを見た。
中には五人の人間がいた。
今日は放送委員の活動はないからそこにはいるのは有志の人間であろう。
武装は特になかった。
一通り観察を終え、冷菓に報告すると、冷菓はすぐさまに風紀委員、全員に指示をだし、放送室に突入した。
生徒会役委員はただその様子を見守っていた。
一人、二人が放送室から拘束されていった。
その四人目の女子生徒は和也の最近よく知る人物が出てきた。
「美樹先輩。」
和也には驚きの感情が心を埋め尽くした。
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