ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
入学編
入学編Ⅴ
「は~なんでこんなことに。」
和也が魔法科学校の高校に入学して、一週間くらい経った。
和也は今魔法科高校の4Fの男子トイレの中でトイレ掃除をしていた。
一応ここで確認しておくが和也は生徒会の一員だ。
「さて、掃除も終わったし、生徒会室に戻るか。」
和也は誰もいないのにもかかわらずつぶやいた。そうでもなきゃやってられなかった。
生徒会室は教室などがある教室棟になくそこから十分くらい歩いたところにある。部室棟の最上階がある。無論エレベーターなどなく教室棟の全ての男子トイレの掃除をしおえた和也は自分の体にムチをうちながら階段を登った。
ようやく五階についた和也はそのまま迷うことなく生徒会室についた。
「ただいま戻りました。」
和也はげんなりとした声をだしながらドアを開けた。
そこには会議を終えて、楽しんでいる五人の少女たちがいた。生徒会の役職は会長、副会長、書記、会計の四人体制で職務をこなしている。
当初ここに五人目がいたときは驚いたが今はもう驚きではなく呆れに変わっていた。
「なにをしているんですか、風紀委員の委員長の鈴木冷菓(すずきれいか先輩。」
「おお、お帰り、生徒会実行部の沢渡和也君。」
それに続いて残りの四人からも返事が来た。
「お帰り。」
生徒会長こと八雲衣沙羅。
「やあ、お帰り。」
生徒会副会長こと篠原麻耶しのはらまや
「あの、お疲れ様です。」
生徒会会計こと後藤梓ごとうあずさ
「おかえり、カズにぃ。」
生徒会書記こと紫之宮ナギサ。
「疲れた。」
和也は自分の席につくなり呟いた。生徒会執行部こと沢渡和也。
「お疲れ様です。和也君。」
「ありがとうございます。風見先輩。」
お茶を和也に渡しにきた颯がいた。
颯は生徒会の役員ではなく、衣沙羅の執事だった。これを聞いた当初の和也は素直に驚いた。(基本素直な和也だが)

一週間前

和也はその日、昨日衣沙羅に言われた通り、ナギサと一緒に生徒会に向かっていた。あのあと和也はナギサに自分が異能者だということ話したが「そんなことより生徒会長とはどうやって知り合ったのか。」と聞かれこちらも一通り話したあとナギサはなぜか和也はなぜか怒られ無視をされた。けれど次
の日の朝にはいつも通りに戻っていたので和也は女のこって分からないなぁと思った。和也達は少し迷いながらも生徒会室に無事到着した二人は和也が代表として「失礼します。」と言いながらドアを開けると、そこには四人の少女たちがいた。この瞬間和也はもしかして自分騙されたと思ったがそれも
衣沙羅が告げた一言で砕けた。
「ようこそ、生徒会執行部、沢渡和也君。紫之宮ナギサちゃん。」
驚きで立ち止まっている和也の後ろから声がした。しかしその声に和也は聞き覚えがあった。
「あれ、風見先輩。」
「おやっ。和也君ではないですか、どうしたんですか。」
「いや、それはこっちのセリフですよ。僕は新しい生徒会役員ですよ。たぶん。」
そのあと衣沙羅の一言でみんなが席につき自己紹介を一通り終えた後、一番最初に口を開いたのは和也だった。
「それにしても驚きましたよ。まさか、風見先輩が衣沙羅先輩の執事だったなんて。」
「それはこっちのセリフでもあるよ。私もすごく驚いたよ。君が生徒会にはいったことや、本物の異能者だったなんて、私は生徒会の人間ではないが困ったことはなんでも聞いてくれてもかまわない。」
その頼もしい言葉に和也は思わず感激してしまった。しかし、和也は衣沙羅に聞きたいことがあったためそのことを心の中に閉まった。
「それでは、衣沙羅先輩こと会長。教えてくれませんか、あなたが会長になったワケを。」
和也は今日の一番の楽しみにしていたことをきいた。
「そういえばそうね。約束だったわねいいよ。話しましょう。」
衣沙羅は1拍おいて話を始めた。
「まあ、まず私の苗字の確認からね。私の苗字は八雲だよね。この八雲っていうのは番付き(ナンバーズ)の八雲なの。」
ここで和也が思ったことを一つ聞いた。
「あのー。すいません番付き(ナンバーズ)てなんですか。」
「そんなことも知らないのか、和也君。」
麻耶が呆れた声で言った。
「いいか番付き(ナンバーズ)っていうのはなぁ。簡単にいえば、国が代表する魔法師のことだよ。」
このことを明日、飛一郎たちに話そうと思ったが翌日姫華も番付き(ナンバーズ)だったと聞いて驚いたのはまた別の話。
「なるほど、ありがとうございました。」
疑問を解決してくれた麻耶に礼を言い話を戻した。
「それでまぁそれのせいで生徒会長になったといえばいいかな。でも私は去年から生徒会をしていたんだけどそれでも私にはなにかの長になる資格がないの、ううん。なれる自身がなかったの。去年の引継ぎのとき私は前生徒会長ぜんせいとかいちょうから、生徒会長にならないかときかれたけれど、断ったのよ。なのに私は公式的には生徒会長になっていたの、気になって生徒会室に行ったら、案の定をかな私は本当に生徒会長になっていたのよ。その日はしかたがないから参加したけどね。家に帰ったら分かったのよ、それは父が仕組んでいたことなのよ。私が八雲家の人間だから。八雲家の力を使って私を強引に生徒会長にしたのよ。その日から私は生徒会をサボるようになったは。でもどうしても気になったのは二等生に対する差別問題についてはどうしても気になってね。結局それがあって今こうして、ちゃんと生徒会長として仕事をしているんだけどね。」
時間としては5分くらいの話だったが和也美は一時間にも感じた。
「ありがとうございました。会長。僕に出来ることが合ったら何でも言ってください。」
「それじゃ早速、新役職執行部のお仕事ね。教室棟の屋上の掃除をお願いね。」
そんお仕事内容に和也は思わず「へっ?」という顔をしながら、衣沙羅はにたずねた。
「主に生徒から送られる生徒会でしてほしいことの肉体動労などをしてもらうかな。掃除用具などはそのつど用意するから頑張ってね。」
「はい。」
と言うと和也はすばやく生徒会室から出て行き、部室棟を出たところで一人つぶやいた。
「ようはいい雑用かよ。は~名前はかっこよかったのに。」
とはいったものも、それを仕事だと言われでばやってしまうのが沢渡和也その人であった。

この一週間ずっとこんな感じだったよな。先週のことを思い出したついでに今週のことも思い出した和也だった。自分のバックから紙製の本を取り出し彼の趣味の一つの読書をはじめた。
その紙製の本に和也以外の生徒会役員(約二名部外者だが)が興味深そうに見ていたことに気が付いた和也が、
「どうかしましたか。」
と聞くと、衣沙羅が答えた。
「いまどき紙製の本が珍しくてね。」
今の本の主流は、若い世代はほとんどが電子データによるものだ。しかし、紙製の本もまだ需用があり、和也のように本はやはり紙であるべきだという意見もあり、売り上げとしてもお互い同じくらいだ。
「やっぱり、本は紙製のほうがしっくりくるんで。」
そういい終えると和也は読書に戻った。けれどその本は昨日からの続きで今日の休み時間でも読んだ分も合わせるともう二十ページ弱しかなかったので五分くらいで読み終わった。
本を読み終わった和也は少し体を伸ばし、本をバックの中にしまった。それを見計らってか冷菓が、
「おーい。和也君。少し頼みがあるんだが。」
といやらしい笑みを浮かべながら言っていたがそんなことに気がつかなかった和也はいつも道理の返事をした。
「はい。なんでしょうか。」
「これで購買部に行ってパン七つと自販機のジュースも同じく七つ買ってきてくれ。」
お金を自分の手の上に乗せられた和也は、
「はい。」
と元気よく返事をして生徒会室から出ていた。
「素直な子はいいねぇ。」
「カズにぃはあたなのパシリじゃないんですからね。」
ナギサによる必死の反論は無視され、さらにもう一言なにか言おうとしたとき生徒会室のドアが勢いよく開かれた。
「これってパシリじゃないですか。」
いまさらながらそのことに気がつき大急ぎで戻ってきた和也がいた。それでも冷菓は平然でいた。
「なにを言っているんだ。これは執行部の仕事だぞ。肉体を使った労働ではないか。」
これにはさすがの和也もひっからないだろうと思った衣沙羅が「さすがにこれでは騙されないと思うよ。」と言ったが肝心の和也は。
「そうです。分かりました執行部としての仕事に行ってきます。」
と元気よくいいながら和也は出て行った。
「和也さんて天然なんですね。」
梓のこの一言が生徒会室に響いた。

「ただいま戻りました。」そこには購買部の袋を持った和也がいた。そしてすばやく袋からパンとジュ
ースをすばやく配置すると全員そろって「いただきます。」と言いパンとジュースを食べ始めた。
「それじゃパシリをしてくれたお礼に何か教えてあげようではないか。」
パンを頬ばりばがら和也に事実を教えた。
「やっぱりパシリだったんですね。」
和也はそのあと少し考えて、口を開いた。
「魔法社会に反対する団体ているんですか?」
「本当に君は魔法に関してはなにも知らないんだな。では優しい先輩がだめだめな後輩に教えてあげよう。まずそういう団体を一括りにしたことを反魔法社会団体と言われている。活動内容は魔法に関係している制度を廃止しろってデモをしたりしている。
まあ、だいたいがこんな感じだが中には過激な団体もあり、その中で国がもっとも警戒をしている団体が「グランシェ」と呼ばれる組織よ。
過激と言ってるから分かっての通りテロ活動などを主にしているグループよ。これにおいては混乱を招かないために報道などを規制されている。大まかにこんなかんじだろう。」
和也はどこからか出したのか、ペンとメモを持っていて必死に今までのことをメモしていた。
「あとこれは余談だけど反魔法社会団体には青年の集まりもあってね、魔法科学校の二等生も入っていたりするけどね。」
どこか悔しげな衣沙羅の表情があった。

「カズにぃ今日の晩御飯のおかずなにがいい。」
ナギサは普段着で和也の家のキッチンにいた。
「シェフのお任せコースで頼む。」
「もう、全くしかないわねぇ。」
和也は生徒会に入ってから肉体労働の仕事が増えたせいで自炊をする気力が残っていなかった。そんな和也を気遣いナギサがここのところ毎日のように和也の所にきて料理を作ってくれている。
食材は幸いか和也の祖父と祖母の家が農家をしていて(農家が作った野菜は新鮮でおいしいということで今ではちょっとした高級食材になっている)和也が余りものの野菜を少し送って欲しいと頼んだら、多すぎるくらいの野菜を送ってきた。
三十分してナギサが作った今日の晩御飯ができ、二人は夕食をとっていた。
その中でナギサが和也にあることを聞いてきた。
「ねぇカズにぃてさぁ。反魔法社会団体に入ろうと思ったことはなかったの。」
「僕はそんなものに入ろうとは思ったことはないよ。そもそも僕は今日までそれの存在を知らなかったんだし。」
ナギサはどこか安心した顔を見せた。
「じゃあもし、カズにぃが魔法科学校に入る前にそれの存在を知っていたら入ってた。」
「入らないよ。あんなことをして仮に魔法の制度廃止にされたら今度は魔法側の人間が反撃にでると思う。それだったらまだ今のこの状況のほうがまだ幾分かましだと思うよ。」
「そお。なら良かったよ。」

「ねぇ。カズにぃ。明日暇かな。」
晩御飯を食べ終え、食器をかたずけ終わったナギサが和也の近くに近づいて聞いた。
「暇だけど。」
「なら一緒に明日ショッピングモールにいかない。あの様子だとまだここのことよくしらないでしょ。わたしでよければ案内したいんだけど。あと買い物にも付き合って欲しいし。」
和也はその提案に迷わず返事を返した
「うん。いいよ。ナギちゃん。」
その言葉を聞いたナギサは嬉しそうな顔をしながら和也の隣に座って雑談を楽しんだ。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。