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入学編
入学編Ⅲ
「痛った。」
和也は目の前の自分に抱きついたものいや人を見た。
まず性別は女性、髪の腰までかかった綺麗な黒髪。顔はかわいいというより美少女だ以上心の中の報告と和也は自分の一部の状況を確認した。
さて次は周りの状況を確認しようとした和也に抱きついた女性、少女が話しかけてきた。
「久しぶりだね和也君。」
と言われ和也は周りのことよりこちらに優先順位をこちらにあげた。久しぶりという言葉から知り合いだと判断した和也は自分の頭の中をフルに回転させた。これはある意味異能者の得なことの一つだ。異能者は補助装置なしで能力を使えるこれは頭のなかの演算能力の高さは人の二倍それ以上だと思われる。そのせいか和也の小中においての学力はどの教科においても学年トップだった。そのせいか記憶能力かなりよく一度会った人ならなにがあっても思い出せる。そんな彼の頭をフル回転させ検索をかけたが該当する情報がなかった。
そもそも自分にこんな綺麗な友達がいるわけないという結論づけようとした時
「あ~やっぱりこの呼び方じゃダメかな。これで思い出せるかなカズにぃ。」
カズにぃその呼ばれ方に和也は頭で思い出すよりも速く条件反射である人物を思い出した。
「ナギちゃん。紫之宮しのみやナギサ。」
と和也が恐る恐る聞くと
「うん。正解だよ。それにしても酷いなぁ。久しぶりに会って、綺麗になった幼馴染がせっかく挨拶してくれたんだけど。」
四之宮ナギサ。彼女は小学校四年生の時まで和也と一緒にいた幼馴染にして、和也にとっては妹のような存在。(和也には一個歳が下の妹がいる。)
「ごめん。それにしても本当に綺麗になったね。昔も十分に可愛かったけど、すごく磨きがかかっていると思うよ。」
和也は自分の心に思ったままのこと言った。一方ナギサは。
「うん。カズにぃの方は相変わらず童顔な上に平均身長より若干低いよね。だけど昔よりはかっこよくなったと思うよ。」
ナギサのほうは褒め言葉というより嫌みだった。
そんな二人の世界を壊したのは予想どうりというかあの人だった。
「あの二人ともすいませんがとりあえず、お互い立ち上がって学校から出てから話しませんか。」
そこにはニコニコ笑っているがどこか怖い姫華がいた。



あのあとなんやかんやで和也は学校から何駅離れたところにあるファーストフード店の席にいた。無論、和也一人な訳がなく姫華、衣瑠香、飛一郎、ナギサがいる。席の配置順は和也の隣に飛一郎向かい側の席にナギサ、姫華、衣瑠香の順に座っている。
姫華が全員、昼食を食べ終えているのを確認し、さてといった感じで言った。
「それでは本日のメインイベント、和也君とナギサちゃんはどんな関係かなんとしてもききだそう、拷問もありだぞの会。」
それにあわせているのか、衣瑠香と飛一郎が「イェー。」と迷惑がかからない音量で言い。
そしてことの内容が出来ていないのかナギサまで衣瑠香たちと同じことをしていた。
和也は一人だけこれからのことに備えてか新しく買ってきたジュースを一口飲んで、小さなため息を一つ吐いた。
「それではまず和也君。ずばり彼女とのご関係は。」
和也はいつまにか自分が名前で呼ばれたことに驚いたが、たぶんナギサが自分のことを名前で呼んだからだと考えそのことに深くは考えなかった。
「和也早くはいたほうが楽だぞ。」
「そうですよ。和也さんのご両親も泣いていますよ。」
そして残りの二人も当然かのように和也を名前で呼んだ。
和也は色々とツッコミたいことがあったがそこをグッと堪え。
「残念まがら僕とナギサはただの幼馴染です。それ以上でもそれ以下でもありませんよ。」
とある意味和也は当たり前の言葉を言ったがそれを姫華が許すわけもなく、攻撃(?)の矛先はナギサに移った。
「ナギサちゃん。今被告人がいったことは本当ですか。」
またも色々ツッコミたいところがあったがそれを堪えた。
和也の予想ではナギサが言うことは彼と一緒だと思った。
しかしそれはあくまで予想である。
「裁判長。被告人の言っていることは180°間違っています。」
それを聞いた和也は椅子から滑り落ちそうになったがなんとか持ちこたえが精神的には相当きていた。
「それは本当ですかナギサさん。」
今まで見ていただけの衣瑠香までも入ってきた。
「はい。本当です。実はわたしとカズにぃは愛を誓い合った仲なのです。」
「ぐっは。」
和也が一人血を吐き出したかのようなアクションをとったが誰も見向きもせずにナギサの話を聞いていた。
それにさらに攻撃を叩き込むかのようにナギサは言葉を続いた。
「わたしたちは毎日のようにお互いに愛をささやいていました。」
「うおぉーーー。」
和也を除いた三人が声をあげた。
「カズにぃは私によく「愛しているナギちゃん。」それに私が「わたしもよ。」と返したり。」
ここまでくると冗談だと分かったのか冷やかしに変わった。
「なぁ。ナギちゃん。これくらいでやめてよ。」
和也がかなりやつれた声で言った。
「うん分かった。まあ本当はカズにぃが言ったとうりただの幼馴染だよ。結婚しようと約束もしていないね。」
ようやくナギサが本当のこと話し和也は心底安心した。
その後四人は短くない会話をした。

和也がマンションについたのは夕焼けが綺麗な時間だった。
驚いたことになんと和也のお隣さんはナギサだった。
彼女とは「また明日ね。」と言って和也と別れた。
自分の家に帰った和也はあるものが目に付いた。
宅配便の不在票が入っていた。
和也は早速、電話をし荷物を届けてくれるように頼んだ。
荷物が届いたのはそれから二十分後のことだった。

「さーて誰から送られてきたのかな。」
和也は差出人欄のところを見た。
西紀廼縁にしきのえにしからだった。
「えっ、師匠からの荷物。」
西紀廼縁その人は和也の師匠にして彼に異能の制御の仕方、身体的の強化も縁の教えで強くなれた。
和也の近所にある寺の坊主(髪の毛はある)をしている。
おまけに縁が自分で編み出した能力《魔術術式》を和也に伝承をさせた。
和也は慌てながら慎重に荷物を開けた。
ダンボールの中に入っていたのは一本の鞘に納められた刀だった。
その刀は和也にとってかなり馴染みがあるものだった。
「妖刀・・・・・・《夜桜よざくら》。」
その刀は縁の家に代々伝わる刀の一つ。
しかも縁自身にとってもかなりお気に入りの。
和也は今度こそ慌てながら携帯端末を取り出し、電話帳のなの行を開き電話をかけた。
「はいこちら、西紀廼縁です。」
電話に出たのは縁本人だった。
「師匠あれなんですか。」
「おい名前くらいなのれよ。それにしも、もう届いたのか、どーだうれしいだろ。」
「うれしいだろじゃありませんよ。自分が何を僕に送ったか分かっていているんですか。」
「分かっているよ。」
「じゃなんで。」
縁は一回深呼吸をし言った。
「あれはお前にしか使えないものだからな。おれが持っていても宝の持ち腐れだ。」
「嘘ですよね、それ。師匠は《夜桜》を使えているじゃないですか。」
「おれは《夜桜》の能力の『未来斬みらいきり』と『空間斬くかんきり』までしか使えない。」
縁はたしかに《夜桜》の能力を発揮しきれていなかった。
「たしかにお前はおれと比べると《夜桜》をうまく使えていないがお前はコイツの真の力を使えた。」
「そうですけど、いいんですか僕がこれをもらっても。」
「ああ気にするな。それは俺からの入学祝にゅうがくいわいだ。それとコイツの契約は今は完全にフリーだ。ちゃんと契約の術式を使って契約するんだぞ。あと《夜桜》は学校にも持っていけよ、理事長には許可を得てるから安心しろよ。それじゃあな和也高校生活を楽しめよ。」
その言葉と同時に通話が終わった。
和也はため息をだすと。自分のバックの中に入っている英語など数字または解読不能な記号が書いてあるトランプカードくらいの大きさのカード出し、机の上にそれを置いた。それを和也は一枚、一枚、机の上に配置した。これは術式の配置だった和也は《夜桜》をその術式の中心に置いき小声で呪文を言った。
「術式展開。」
そういうと同時に親指を齧り血をだし、それを術式の中心に血を流した。
「これで契約成立か。」
和也は親指から流れる血を超能力の《肉体再生リヴァイブ》ですぐに回復させた。
和也は今日一日のことを考え思った。
(この学校でなら、青春を楽しめそうだな。)
物語が進めばこちらのほうも更新していきます。


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