警視監(けいしかん 英語Superintendent Supervisor)とは、警察法第62条に規定される警察官の階級の一つである。地方警務官たる警視監の定員は37人。
警視監の階級は、警察法第62条に規定され、上位の階級には警視総監の次位にあり、下位には警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査などの階級が定められている。役職としては、警察庁の次長・官房長・本庁局長・部長・主席監察官・審議官・人事課長・警察大学校長・副校長・管区局長・関東管区総務部長、警視庁の副総監・主要部長、道府指定県警察の本部長にあたる。また、出向先としては公安調査庁(本庁)の調査第一部長、などがある。早い者は40代後半、通常50代前半でこの地位に就く。地位は中央省庁の高級官僚。または地方支分部局の長。
警察官階級ピラミッドの中では警視長の次にくるが、警視長よりもはるかに少数しかいない。
辞職さえしなければキャリアは確実にここまでは出世する。 ノンキャリアでは推薦組の警視長が退官時に昇進する。ノンキャリアで元警視庁捜査一課長の田宮榮一も、その一人である。
ここらへんになると階級は同じ警視監であっても任ずる役職によって扱いや序列が変わってくる。一般企業で役員であっても専務や常務といった序列があるのと同様に、同じ警視監でも高官、地方勤務といった序列が発生する。
1位・警察庁次長
2位・警察庁官房長・警察庁局長・警察大学校校長・出向組(内閣情報調査室長)いずれも高官クラス
3位・警察庁官房総括審議官・首席監察官
4位・警察庁官房審議官・警視庁副総監・警察庁部長・管区警察局長・出向組(公安調査庁幹部)
5位・大規模警察本部長・警視庁主要部長
これらの役職全て警視監だが任ずる役職によって扱いがかなり変わる。
一番上位の警視監は警察庁bQの警察庁次長であり、この役職に就ければ殆ど確実に警察庁長官になれる。
2番目がいわゆる中央省庁の高官といわれる局長以上の幹部陣。いずれも警察庁本庁勤務の要職。
3番目にも局長がいるがこれは局長は局長でも本庁勤務ではなく地方勤務の管区警察局長。階級は同じでも刑事局長や交通局長よりも地位が低い。
警視庁副総監も警察庁の局長より下。警視庁ではbQでも日本警察全体では5番目位となっている。
この階級は警察官の中でも極少数しか任じられず殆ど全員キャリア組の指定席と化している。
通常、キャリアは50歳前後で警視監へ上がるが、その時点ですぐに警察庁の局長にはなれない。
警察庁局長クラスへ上るには警視監に上がってからさらに4〜5年を要する。この時点であまり長くかかると局長を最後に下野することになる。
最高幹部である警察庁長官や警視総監は警視監の中から選ばれるが、この警視監の中でも警察庁高官(局長以上)の地位になっていないと選任されない。
特に警察庁長官は殆ど警察庁次長から繰り上がるのが慣例となっており、この時点での椅子取りゲームは熾烈を極める。
その代わり次長の椅子をゲットした後はよほどの大失態を犯さない限りスムーズに長官へ上がれる。
警視総監になるのはもう少し複雑であり、局長や警察大学校長から選ばれるケースもある。
しかしいずれにしても高官になっていなければ最高幹部へは進めない。
警視長
警視長(けいしちょう 英語Chief Superintendent)とは、警察官の階級の一つ。
警視長の階級は警察法第62条において、警視総監、警視監に次ぐ第3位の階級として規定されている。役職としては、警察庁の本庁課長・参事官・警察大学校部長・管区警察局部長、警視庁の生安・地域・交通・警備・暴対の各部長・主要参事官、道府指定県警察本部の部長・主要参事官、中小規模警察本部の本部長、北海道警察本部の方面本部長、都道府県警察の警察学校長など。
定年を55〜60歳とすると、準キャリア組やノンキャリア組が出世できるのは、年齢的な面からこの階級までが限界といわれる。
キャリア組の者は通常40歳前後で昇進する。キャリアの場合はよほど出世が遅れていなければ40代のうちに警視長へ上がれるが、どのような役職を任ずるかによって出世の道は大きく変わる。
ノンキャリアの者はこの階級まで来たならば奇跡に近いほどの大出世である。
その為、ノンキャリアで警視長の階級にある者は日本全国でも非常に少数で数えるほどしかいない。
警視庁の場合は部長は全員警視長以上、他に方面本部長の一部と参事官の一部が警視長であるが、そのうちノンキャリアの警視長は1人、多い時で2人である。
特に警視庁の部長はほぼ全員キャリアで占められており、警視庁がいかに東京都の警察機関であっても幹部になれるのは国家採用のキャリアだけという実情は今も昔も変わっていない。
警視長も任ずる役職によって扱いがかなり異なる。
1位・警察庁課長(一部、警視監の課長もいる)・警視庁部長(一部)
2位・警視庁部長
3位・小規模警察本部長
4位・小規模警察本部副本部長・管区警察局局次長及び部長・参事官(警視庁)・方面本部長(警視庁第一方面本部長)
5位・方面本部長(一部)
この通り警視長の場合も警察庁の役職に就くことが一番の出世コースとされている。
この場合、課長といっても世間一般で考えられているような会社の課長とは意味が違う。
どんなに有名な一流大企業の課長であっても中央省庁の課長よりははるかに社会的地位も権限も劣る。
中央省庁の課長は今も昔も官僚の人気ポストで行政指導、会計、予算取扱による利権も大きい。警察の場合、上級指揮官ポスト(警察署長や方面本部長よりも上位)でもあるので現場では非常に高い扱いを受ける。
民間には大会社の社長や役員に課長単独で号令(政令や法令を根拠に行政指導という名目で国家権力を発動し事業活動を規制したり操ったりする行為)をかけられる権限があり、大企業の社長といえども頭が上がらない存在となる。
国家機関である警察庁の課長は中央省庁の課長と同格とされているので現場でも社会全般でも高い扱いを受けることとなる。
また小規模とはいえ警察本部の本部長はその地方では一国一城の主となるわけだが、日本警察では国家機関である警察庁の課長のほうが同じ階級の警察本部長よりも上位とされている。
民間企業でもそうだが本社勤務より地方勤務のほうが軽んじられる風潮は国家機関にも存在する。
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